2012年の韓国映画受賞式…「まとめる」 vs 「分ける」ニつの側面

OSEN |

今年の映画祭が全て終了した。2012年の映画授賞式は「まとめて与える」「分け与える」の二つの傾向を見せた。

10月に開催された第49回大鐘賞映画大賞と先月30日に開かれた第33回青龍映画賞は、韓国の代表的な映画授賞式である。

大鐘賞では「王になった男」が作品賞をはじめとする主要15部門を席巻した。一方、青龍映画賞では「嘆きのピエタ」が最優秀作品賞を受賞し、「悪いやつら」が最多部門の4冠を達成した。

大鐘賞は公正性を巡る議論が毎年巻き起こっているだけに、いつより公正な審査に力を注いだ。しかし、「王になった男」が15部門で受賞する結果となり、非難の声が殺到した。一方青龍映画賞では、「悪いやつら」が最多部門の4冠を達成し、「僕の妻のすべて」「ウンギョ」「10人の泥棒たち」がそれぞれ3部門、「建築学概論」が2部門、「王になった男」「折れた弓」「ヨンガシ 変種増殖」「共謀者」が1部門で受賞するなど、多数の映画が受賞する結果となった。しかし一部では、「世論を意識して意図的に『王になった男』を排除したのではないか」という意見もあった。

毎年の授賞式で、「まとめて与える」ことや「分け与える」ことは批判の対象となるが、今年の映画授賞式では後者の方が人々の良い反応を得たようだ。その分、受賞しても異見がないほど質の高い作品が多かったからだ。さらに、ドラマ授賞式のように共同受賞を乱発しなかったのは大きな長所であった。

二つの映画祭の共通点は「予想外の受賞」だった。180度違う雰囲気が目立つ二つの授賞式で、「予想外の受賞」は肯定的に、あるいは否定的に人々を驚かせた。

大鐘賞で盗作疑惑が提起された「王になった男」がシナリオ賞を受賞したのが一つの否定的などんでん返しだとすれば、青龍映画賞では主流の監督ではなく、「折れた弓」のチョン・ジヨンが監督賞を受賞したのは肯定的などんでん返しである。

また、助演女優賞を「10人の泥棒たち」のキム・ヘスクではなく、「ヨンガシ 変種増殖」のムン・ジョンヒが受賞し、主演女優賞を「嘆きのピエタ」のチョ・ミンスではなく、「僕の妻の全て」のイム・スジョンが受賞したのも予想外の結果だった。多くの観客が選んだ映画が多くの賞を受賞すべきなのか、全ての映画が持つ多様性の価値を尊重すべきなのか。今年の映画授賞式は我々に“二つの考え事”を与えてくれた。

記者 : チェ・ナヨン