「ローラーコースター」チョン・ギョンホ“除隊後、もう演技の仕事に戻れないと思い不安だった”

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写真=マイデイリー DB
俳優チョン・ギョンホが戻ってきた。俳優としてキャリアを積んできたハ・ジョンウが監督としてデビューした映画「ローラーコースター」を通じてスクリーンに復帰したのだ。

チョン・ギョンホは「ローラーコースター」の中で、映画「悪口マン」がヒットして韓流スターになったマ・ジュンギュ役を演じ、別名“悪口ユーモア”を繰り広げながら派手にカムバックした。韓流スターであるチョン・ギョンホと自由奔放なマ・ジュンギュ……チョン・ギョンホには、そんなマ・ジュンギュと似ている部分が多い。

「ローラーコースター」を見ていると、マ・ジュンギュがチョン・ギョンホなのか、チョン・ギョンホがマ・ジュンギュなのか時々混乱する。現実の世界でも“教会のお兄さん”であるチョン・ギョンホは、劇中で危険な状況の際に主への祈りを呟き、女性たちに謝罪の言葉を述べる。

しかし、これが全てではない。じっと見てみるとチョン・ギョンホのイメージと全く合わない部分もある。驚いた状態の中で無意識に吐き出す悪口や作り笑顔、大げさなファンサービスなど、俳優チョン・ギョンホと照らし合わせて考えた時、「まさか~」と思いながらも、「まさか?」と思うような疑念が生じる。そのくらいチョン・ギョンホは“マ・ジュンギュ化”していた。

「『ローラーコースター』の撮影中は悪口を言う時も褒められた。これまで現実ではやってはいけない暗黙の了解でタブーとされてきた行動を思う存分発散することが出来て、撮影期間中は不思議な快感があった」と語るチョン・ギョンホ。真面目な顔でインタビューに応じるが、何となく劇中で子供に悪口を言うマ・ジュンギュと重なって見えるチョン・ギョンホに会った。

―映画に対する反応が熱い。

チョン・ギョンホ:本当に気分が良い。(第18回釜山(プサン)国際映画祭が行われた)釜山での反応が良くて気持ち良かった。7年前、ハ・ジョンウ兄さんと冗談で「映画を作って釜山に来れたらどんなに楽しいだろうか」と話をしたが、実際に招待されて映画を披露することができて最高の気分だった。最も熱かった舞台挨拶の現場は南浦洞(ナムポドン)だ。

―このような破天荒な役は初めてのようだが、心配はなかったのか?

チョン・ギョンホ:心配はしなかった。マ・ジュンギュを通じて、これまで役者としてやってはいけなかったことを思う存分発散した。作り笑いと大げさなファンサービス、別名“芸能人病”など、“やってはいけない”と思っていたことを気にすることなくできて楽しかった。お陰でストレスも解消された気がする。

―映画を見た観客が「悪口を言って欲しい」と要求してくるような気もする。

チョン・ギョンホ:映画を見た皆さんから「悪口を言ってくれ」と言われたら、真剣に映画を見てくれたのだなと思う。残念なことは、4ヶ月間悪口を言うことを許してもらえていた時期があり、撮影期間中は酒の席で悪口を言っても褒められていた。しかし、今はもう駄目だ。雰囲気がおかしなことになる(笑)

―マ・ジュンギュとチョン・ギョンホは似ているという話をよく言っていたが。

チョン・ギョンホ:役作りの準備を本当に真剣にした。そんな中で役に慣れてきたので似ていると言ったのだろう。沢山悩んだし一生懸命に準備をしたのでマ・ジュンギュというキャラクターに自信があった。

―セリフなど映画の中のテンポが比較的速いので大変だったのでは?

チョン・ギョンホ:僕はわざと更に速くした。飛行機の中という限定された空間にいたため、表現できるスペースに限界があった。2ヶ月半に渡って練習したことは、10人で卓球をしているかのように膨大なセリフや共演者との呼吸、観客に一息与えるべきポイントなど真剣にユニークな研究に取り組んだ。

―4年ぶりのスクリーンカムバックに「ローラーコースター」を選んだ理由は?

チョン・ギョンホ:軍隊にいる時、除隊後再び役者に戻ることは難しいかもしれないと思った。以前のように僕がやりたい演技の仕事をもうやれなくなるような気がして不安だった。軍隊にいる間も演技がしたいという情熱があったが、「ローラーコースター」と出会い、そんな不安もなくなった。

―監督のハ・ジョンウとの作業はどうだったのか。

チョン・ギョンホ:いつものように仕事をしたかったがスケジュールが合わなかった。監督のことを“ジョンウ兄さん”と呼びながら過ごして10年が経つ。僕が尊敬する大好きな兄さんだ。不思議と“監督ハ・ジョンウ”という質問を受けるたび、一度考え込んでしまう。僕の中ではただの近所の兄さんと弟が追求した映画、好きな映画を作ったような気持ちだから。

―観客に「ローラーコースター」をどのように見て欲しいのか?

チョン・ギョンホ:本当にそうなってくれたらの話だが、一緒に飛行機に乗っているかのように感じてくれたら面白いと思う。ただ何も考えずに笑って欲しい。楽しく笑って劇場から出てもらえたら幸せだ。

記者 : イ・ウンジ