【コラム】EXOからmiss A スジまで、コラムニスト&評論家たちが語る“別次元への期待”

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ONE STAGE:EXO、別次元のアイドルへの期待

12人もいるメンバーの規模は、EXOのアイデンティティを明らかにする最も大きな部分である。彼らが「Wolf」のステージで、オオカミの動作はもちろん、背景となる木や洞窟まで形象化することができたのは、大人数という前提条件があったからこそ可能だった。

しかし、EXOの新曲「Growl」では、チームのスケールをもう広く展開しない。シンプルに聞こえるほど繰り返されるビートと力を抜いたボーカルで構成された「Growl」は、Growl(うなり声)という攻撃的なイメージを特に強調せず、余裕のあるラップと派手な技をあえてアピールしない高音部は、一糸乱れずに自然と曲の流れに沿っていく。

ステージでも彼らは派手な隊形や迫力溢れる群舞を披露する代わりに、小さな動作と短いステップで位置を変えながら、区間ごとに強調されるメンバーに注目させる。さらには、客席を排除して構成された振り付けの動きはこれまでのステージと簡単に融和できず、お陰で先週の音楽番組ではそれぞれがまったく違った視線の「Growl」を放送する事態となった。

しかし、既存のアイドルが構築した方式から外れた部分は、EXOにとって不利に働くどころか、新たな興味と緊張を誘発する力となる。音符一つ一つに反応するかのようにテンポを細かく刻んで構成された振り付けは、地味な歌に弾力を与え、メンバーが大きな円を描きながら作り出す動作は、落ち着いた歌のお陰で程よい呼吸を与える。

12人の声は力を合わせて音量を高めるよりも、きめの細かい層を作り、荒くなることなくしっかりとしたサビを表現してみせる。最終的に、手のひらを広げて大きさを誇示する代わりに、ぎゅっと握ったこぶしの中にパズルのように組み込まれたアイデアは、ユニットを一つにまとめ、12人でグループを構成しなければならならない必要性を説明するだけでなく、EXOが提示する新しい方向に対する好奇心さえ呼び起こす。緻密かつ丁寧で、執拗ながらも奇抜である。つい別次元のアイドルを期待してしまうのも無理はない。/文:ユン・ヒソン(大衆文化評論家)


ONE IDOL:miss A スジ!!!!!!!!!!!!!!

大好物はラーメン。ソウルに来てからかなりの時間が経ったが、依然として訛りのアクセントが残っている。膝が痒くなると、人目を気にせずに掻く。20歳になる前に音楽、ドラマ、映画、バラエティの新人賞を総なめにした。しかし、SBS「ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか」(以下「ヒーリングキャンプ」)はこのものすごい少女miss Aのスジが、故郷でダンス一つだけを見て暮らしていた頃と何も変わっていないことを見せてくれる。

チョン・ウソンが自分のファンだということを不思議そうに友達に自慢し、歌とダンスにどっぷりハマっていたあの頃のように、今も誰かの前で歌とダンスを披露することを楽しむ。マスコミから“国民の初恋”と呼ばれるが、今でも好きなラーメンを食べることと顔がむくむことの間で悩む少女。しかし、自分の人気がいつまでも今のように続くわけはないという不安を抱いていて、“うつ病に似た何か”も感じたスター。

MCのイ・ギョンギュがスジに「助けてあげたくても、助けることができない」と言ったのは、今人々がスジが好きな理由を集約して見せてくれる。スジはトップスターになった今もデビュー前のように平凡でありながら、どこまでも愛らしい少女の内面を持っていることを期待させる。

フレンドリーで、愛らしく、同時に痛ましい。「ヒーリングキャンプ」は、1時間強の時間で視聴者が考えてきたスジの魅力を具体的に見せると同時に、スジの心まで理解できるような経験を与えてくれる。ラーメンの話で始まったトークは、訛りの話に、そして再び現在の人気に対する感想に移り、依然として平凡な女の子のようなスジの姿を自然に見せた。また、第2部のように場所を移して開始したトークでは、デビュー過程や家族に関する話から、徐々に今の状況を前向きに捉えようとするスジの内面へと入っていく。

特に、イ・ギョンギュは序盤にスジのためにラーメンを作り、膝を掻くスジの姿を捉えて笑いを誘い、人気が落ちるかも知れない不安で辛くないのかという質問で「(人気が)ひたすら良いわけではない」という回答を引き出した。どのようなトークを引き出すべきかが分かるMCと、話の流れを作れる制作スタッフ。100回を超えた「ヒーリングキャンプ」は、今やゲストの面白い面から人生の意味まで自然に引き出す技を見せる。もう一人のMCハン・ヘジンが今離れることになったことが残念に思える理由だ。

このトーク番組が新しいMCが加わっても今の完成度を維持できるのだろうか。/文:カン・ミョンソク(ウェブマガジン「ize」編集長)


ONE CUT:「君を守る恋~Who Are You~」ドラマが見せることのできる想像力

エリート刑事ヤン・シオン(ソ・イヒョン)は6年前の事故で恋人を亡くし、当時の記憶もまた失う。tvN「君を守る恋~Who Are You~」の中心舞台となる警察庁遺失物センターは、だからこそ、ヤン・シオンの今の状態に対する比喩のように見える。“全国で見つかった遺失物が最終的に集まる場所”で、それぞれ秘密の事情を抱えたまま主人を待つ遺失物は、ヤン・シオンが取り戻すべき記憶と同じ意味だ。

遺失物センター勤務を志望した理由を尋ねるチャ・ゴヌ(2PM テギョン)に、ヤン・シオンが次のように答えるのも、そのためだ。「ただ惹かれただけよ。何かが私を待っているようで」ドラマ全体を通して失った記憶と愛を取り戻すヤン・シオンの物語は、隠された事実を暴き、主人を訪ねていく遺失物の細部のエピソードを包んで、ドラマを回復と癒しへと導いていく。

ユニークなのは、その遺失物たちの事情が魂という形でやって来るということだ。事故に遭ってからヤン・シオンには魂が見え始める。彼らは単純な魂の意味を超え、目には見えないが、既に私たちの傍にいた別の世界が存在を現したことを意味する。第一話の取り調べ室のシーンは、それを物語っている。取調室で事故当時の状況について追求されていたヤン・シオンは、いきなりその場から立ち上がり、暗いガラスの壁に向かって何の記憶も思い出せないもどかしい気持ちを吐き出し始める。すると、それまで中からは見えなかった取り調べ室の外の世界が姿を現す。

ヤン・シオンが自分の目の前に現れた魂に言葉をかけ始めると、隠れていた新しい世界が見え出したように、その異なる世界との共感を通じてヤン・シオンは恐ろしそうに見える魂の痛みと、温かい顔をした人間の暗い内面を見ることになる。これは狭かった既存の世界の拡張であり、さらにはこのドラマが見せることのできる想像力という名の無限の世界でもある。/文:キム・ソニョン(テレビコラムニスト)

記者 : カン・ミョンソク