「チャン・オクチョン」新しい“チャン・オクチョン”を期待したが竜頭蛇尾で終わった

MYDAILY |

写真=SBS放送画面キャプチャー
SBS月火ドラマ「チャン・オクチョン」(脚本:チェ・ジョンミ、演出:プ・ソンチョル)が結局新しい張禧嬪(チャン・ヒビン)の姿を描けないまま幕を閉じた。

25日の夜に韓国で放送された「チャン・オクチョン」の最終回では、チャン・オクチョン(キム・テヒ)が最期を迎える姿が描かれた。この日、チャン・オクチョンは神堂を作り、仁顯(イニョン)王后(ホン・スヒョン)を呪いをかけたという疑いで、粛宗(ユ・アイン)に毒薬を盛られた。

これは今まで8回もリメイクされた従来の張禧嬪と同じだった。もちろんチャン・オクチョンの悪行の目的が粛宗に対する愛だったということは異なるが、ドラマの中で表現された愛はチャン・オクチョンの悪行に説得力を与えるためのものだった。

低い身分から禧嬪の地位までのし上がった女の人生について見ると「チャン・オクチョン」のストーリは今までの張禧嬪の話と同じであった。賤民(最下層の階級の身分)で南人(ナミン:朝鮮時代の政治派閥の一つ)出身のチャン・オクチョンに反対する西人(ソイン:朝鮮時代の政治派閥の一つ)出身の大妃キム氏(キム・ソンギョン)と仁顯王后の対立、つまり女性たちの政治的な戦いがドラマのほとんどを占めていた。

当初「チャン・オクチョン」は歴史の中で悪女として記録された張禧嬪を異なる観点で再解釈した期待作だった。この作品では張禧嬪を優しい女、愛のために生きる女、ファッションに対して情熱を持っている女として描くという斬新なコンセプトだったからだ。

そのため、今までドラマで疎外されていた東平君(トンピョングン、イ・サンヨブ)と新しい人物であるヒョン・チス(ジェヒ)がドラマの中心になって粛宗と共に多様は愛の姿を見せる計画だった。またチャン・オクチョンがファッションショーを開催するシーンや軍服を作るシーン、宮廷で服を作る場所である針房(チムバン)に入るシーンもファッションデザイナーとして新しい張禧嬪の姿に対する期待感を高めた。

しかしチャン・オクチョンが入宮すると同時に東平君とヒョン・チスの代わりに女たちが宮内で戦いを始めた。これに針房に入ったチャン・オクチョンが承恩を受け就善堂(チソンダン)に行ったため、ファッションデザイナーというコンセプトも弱くなった。そのため、針房でチャン・オクチョンの良き指導者として活躍する予定だったチョン尚宮(チャン・ヨンナム)とチャン・オクチョンのライバルであるザギョン(ジユ)もいつの間にかその姿を消えてしまった。

もちろんこのように企画意図が変わったことには、完全に違う張禧嬪に対して視聴者たちが異質感を覚え、視聴率に影響を与えたからである。しかし「チャン・オクチョン」の中の張禧嬪は、従来の作品とは異なり、チャン・オクチョンという名前で呼ばれ続けた。これはチャン・オクチョンが8回もリメイクされた張禧嬪ではなく、完全に新しい姿として記憶されることを望んだ制作陣の意図だったと思われる。

このような制作陣の根気で当初の企画意図通りに進めれば、視聴者たちは嫉妬するチャン・オクチョンの代わりに、3人の男から愛される恋愛ドラマ中の女性の姿や、ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」のチャングムのように自身の才能を生かし誰にも認められる女の姿を見ることができたかもしれない。新しい張禧嬪の追求したが、結局同じコンセプトで幕を閉じた9回目の張禧嬪が残念に思われる。

記者 : チョン・ヒョンジン