アイドルの成功的なマーケティングなのか、無理のある生存戦略か

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写真=アルバムジャケット写真
3ヶ月以上続いている2013年の歌謡大戦の中で、新人グループのデビューや認知度の高くないグループのカムバックが相次いでいる。立てるステージは限定されており、名前を知らせるチャンスも多くはないのが現実だ。そのためなのか、予想外の(?)ニッチ市場(特定のニーズを持つ規模の小さい市場)に向かってPRを始めたグループが注目を浴びている。

22日、MBC「ショー 音楽中心」に出演したガールズグループCRAYON POP。新曲でカムバックステージを披露した同グループのメンバーであるウェイは遅い時間に公式Twitterを通じて「今日のみなさんが“ノムノム”素敵だったことは知っていますよね?みなさんのファッションが欲しくなりました。本当に可愛いうちのファンたち、感謝、また感謝です。ウェンチョンイ(ウェイの愛称)」と書き込んだ。

問題となったのは、“ノムノム”という表現だった。ノムノムとは、故ノ・ムヒョン前大統領を卑下する意味を持つ言葉であり、「イルベ(ユーモア中心のインターネットフォーラム)」で頻繁に使われている言葉だという指摘が相次いだ。またCRAYON POPの所属事務所の代表が過去Twitterで「イルべ」に言及していたことが追加で公開され、議論に火をつけた。

5月、芸能界の先輩に当たる某ガールズグループのメンバーが「イルべ」に関する議論で相当大きな打撃を受けたことがあった。CRAYON POPとしては“第2の「イルべ」事件”に巻き込まれないための収拾が必要だった。

所属事務所の代表は公式ホームページに「市場のコンセプト、時期、動向、意見、反応などの情報を収集しようと『イルべ』にアクセスしただけで、他の目的を持って何らかの助長や騒ぎを起こすつもりはなかった」とし「これが謝るべきことであれば謝罪する。ただ私達が憎くて、魔女狩りの獲物になるべきだと思うのであれば快くそうなろう」と付け加えた。

続いて“ノムノム”という言葉を使ったメンバーのウェイはTwitterに「私の書いた挨拶の文章に誤解が生じ、事務所側で一応削除したと聞きました。『豕眼見惟豕、佛眼見惟佛矣』(豚の目には豚しか見えず、仏の目には仏しか見えないの意)という言葉があります。誤解しないでください」と書き込んだ。

謝罪の焦点が間違っていた。「イルべ」のユーザーであろうと、そうでなかろうと、まずは大衆の関心が欲しいガールズグループとしてはややもすれば問題になりかねない要素をいち早く除去すべきだった。にも関らず、「魔女狩り」「豕眼見惟豕、佛眼見惟佛矣」などに言及し、“謝罪”でも“解明”でもない曖昧な発言をした。やや挑発であるかのようなニュアンスもあった。

一方では19禁パフォーマンスで話題となっているボーイズグループがある。カムバックしたLedapple(レッドアップル)は、タレントのカン・イェビンを前に立たせた。普段からグラマーなボディラインを強調している彼女をミュージックビデオやステージに登場させた理由は予想できるものだった。扇情的なステージがLedappleの戦略だった。

歌の中盤に登場したカン・イェビンはその時から自分だけのステージを見せ付けた。カン・イェビンは胸のラインや太ももがそのまま見える衣装を着用し、Ledappleのハンビョルと体を密着させるダンスを踊った。カップルダンスというよりは、ハンビョルを相手にしたカン・イェビンのソロダンスに近かった。

放送後、人々はLedappleに関心を持つのではなく、カン・イェビンのセクシーな衣装とパフォーマンスに注目した。ある意味では当たり前の結果だった。カン・イェビンの普段のイメージをLedappleの新曲を盛り上げるために利用しようとしたならば、欲が度を過ぎていた。人々はカン・イェビンの登場だけに注目し、その隣で歌を歌い、楽器を演奏するLedappleには注目しなかった。

数多くの先輩や後輩たちの間で生き残ろうとするグループたち。彼らが選択できる方法は数多くある。前向きな相乗効果を生み出し、人気を獲得することができれば、それよりいいことはないだろう。全てのグループがみんなそのような方法で認知度を手にするわけではない。確かにノイズマーケティングで成功した者もいるのだ。

しかし、それは言葉通り“生存戦略”にすぎないのだ。“どうやってでも”とりあえず生き残ることよりは、“どんな風に”生き残るのかのほうがもっと大事ではないだろうか。

記者 : キム・イェナ