知っていると10倍楽しめる?時代劇的「屋根部屋のプリンス」鑑賞ポイントはここ!

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ドラマ「屋根部屋のプリンス」のココが面白い! 鑑賞コラムVol.4

「屋根部屋のプリンス」は朝鮮時代の架空の物語をベースとしていて、主人公イ・ガクも架空の王という設定だ。しかし、このドラマが描く朝鮮時代は、実はとってもリアル。朝鮮王朝を舞台にしたドラマが多い中、「屋根部屋のプリンス」は、ある意味朝鮮時代の典型的な事件、出来事をモチーフにして構成されているといえるのだ。知っていると10倍楽しめる!?「屋根部屋のプリンス」の時代劇としての背景・鑑賞ポイントをお伝えしよう。


<朝鮮時代と毒>

ストーリーの発端となる、世子嬪(セジャビン(嬪宮)) の謎の死。その原因には、毒薬「砒霜(ひそ)」が使われたとも推測されている。朝鮮時代には毒は暗殺などに多用され、特に権力争いの中心にいた王や王妃は、常に毒殺の恐怖に怯えていた。例えば、映画「王になった男」でも、作品冒頭で主人公の光海君が食事に毒を盛られたのではないかと側近に怒りをぶつけるシーンが登場する。また、第9代王成宗の王妃だった尹氏は嫉妬心が深く、側室たちを毒殺するために砒素を隠し持っていたと伝えられている。身近な脅威である毒殺を防ぐため、宮中には食事の毒味係が存在した。


<選ばれし世子嬪の悲劇>

将来的に王妃となる世子嬪。ファヨンとプヨンは姉妹間でその座を巡り、悲劇を招く。本作にも世子嬪を選ぶ過程が描かれているが、朝鮮時代には、世子が妻を迎える年齢になると朝廷が全国の両班に9~17歳の娘を未来の王妃候補として申告させ、大臣たちを交えた協議や面接などを経て世子嬪を決めていた。その過程には、有力者たちの思惑が絡むことも。そのため、世子嬪に選ばれたことにより権力争いの犠牲になるという不幸を背負うケースも少なくなかった。


<文官・武官・内官 王に金棒の3人組>

科挙を断念した雑学通の天才ソン・マンボ、両班を殺して処刑寸前の身だったウ・ヨンスル、男性なのに妓生になりすましていたト・チサン。ガクにお供して現代にやって来る3人組は、一見かなりの個性派(曲者!?) だ。しかし、実はこの組み合わせは非常に絶妙だ。というのは、朝鮮時代、宮廷で王に仕えていたのは、文治を司る文官、王の護衛などを担当する武官、そして身の回りの世話をする内官(去勢された宦官)というのが定番だったからだ。つまり、マンボは文官、ヨンスルは武官、チサンは内官の役割を果たしている。この3人がいれば、タイム・スリップしても王にとっては怖いものなし! まさに“王に金棒”のバランスの取れたトリオなのだ。


<ガクのモデルは第20代王の景宗?>

韓国放送時には、ガクのリアルなキャラクター設定に、「モデルは誰なのか?」とネットなどで話題になった。一番有力とされるのが、第20代王の景宗だ。その根拠は、景宗はカニのしょうゆ漬けと生柿を食べたことが原因で死去したとされていることや、世子嬪が若くして亡くなっていることなど。そう、ガクがカニのしょうゆ漬けで体調を崩したことや、世子嬪の死のエピソードに結びつくのだ。また、ガクは「母が廃妃された(王妃の座を廃されること)」明かしているが、景宗の母である張禧嬪(チャン・ヒビン)も王妃の座から側室に格下げされた後、毒殺の刑に処されている。

この他にも、現代にやってきたガクたちが、ハングルを作った偉大な王・世宗大王がプリントされた1万ウオン札にひれ伏したり、今は観光地と化している元宮廷・昌徳宮を訪れて涙を流したり。歴史を知ればさらに理解が深まるネタがちりばめられている。「屋根部屋のプリンス」は、ディープな時代劇ファンはもちろん、時代劇初心者にもオススメの作品だ。

執筆:ライター 桑畑優香

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記者 : Kstyle編集部