【ドラマレビュー】「私の恋愛のすべて」喧嘩ばかりだった国会…“恋愛”もありですね
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SBS新水木ドラマ「私の恋愛のすべて」、国会での本格恋愛!
韓国のすべてのドラマは、医療ドラマなら病院での恋愛、法律ドラマなら法院での恋愛に徹しているという笑い話がある。今、そこにもう一つ、記録が加わることになった。国会での恋愛だ。韓国で4日にスタートしたSBSの新水木ドラマ「私の恋愛のすべて」は、露骨に韓国で別の党に属する国会議員二人の恋愛をドラマのテーマにするという。それも、目の敵のような、政治色の違う国会議員二人が、恋愛をするとは! これが物語になり得るのだろうか?
これについて「私の恋愛のすべて」の第1話が放送された日、JTBC「ソルジョン」では元国会議員のカン・ヨンソク氏が、立場の敵対している2党の国会議員が恋愛をすることは、必ずしも不可能なことではないと言及した。
カン・ヨンソク氏は、国会議員の外遊(ホン・ジュンピョ議員は、外遊を国会議員活動の花だと表現した)を例に挙げた。その国の人に会えば外交で、そうでなくその国の実情を見ようとすれば外遊になるが、ほとんどの外遊は人気取りの旅行であるケースが多く、そのために時間がたくさん余るため、十分男女間に恋が芽生える余裕もあると具体的に説明した。
あえて例を挙げればそうなるが、結局その“令監様(ヨンガンニム、位の高い年配の男性の呼称。ドラマの中の国会議員は、年齢も性別も関係なく皆令監様である)”の実生活が、思ったほど思想と職業に徹していないこともあるという、象徴的な表現ではないだろうか?(会議中にゆったりとネットで写真を見ていたことが発覚したシム・ジェチョル議員のマインドだけを見てもそうだが) 戦争の中でも敵を愛せるのは男女の仲だ。ましてや、職業的に敵対した相手と恋愛することなぞ、それほど難しいことでもなかろう!
悪態をつきながら情が移る場所…“国会”ほどの舞台があるだろうか。
「私の恋愛のすべて」は、典型的なラブコメディの定番コースをそのまま踏んでいる。いわゆる“喧嘩をして情が移る”話なのだ。ラブコメディの主人公は、いつも違う立場または誤解によって憎みあい、結局は恋に落ちる。お互い憎みあう相手。そう言われてみれば、そのような設定に韓国の国会ほど似合うところもない気がする。カン・ジュンマン教授は、彼の著書「憎悪商業主義:政治的疎通の文化政治学」で、過去10年間韓国を貫いてきた政治文化が、他でもない“憎悪”だと一喝する。彼の言う憎悪とは、“非常でない状況で、名分、影響力、利益の実現や拡大のために、憎悪を主要コンテンツにする政治的意識と行動を示す”もので、1987年の大統領選挙以降、韓国は厳密に非常的な政治状況はなかったにもかかわらず、与野党が国民の憎悪を利用し、自分の党の利益を実現しようとしてきたのだ。
「私の恋愛のすべて」は、二人の主人公が国会議員だということを事実的に示すため、泥仕合の国会を臨場感溢れるタッチで描く。
ドラマの中の国会では、現実のようにメディア法の通過を置いて、与野党が対峙する。その中で、与党の“イカれた”新米国会議員キム・スヨン(シン・ハギュン)は、討論会で与野党を問わずこれまでの政治界と彼らを選んだ国民への毒舌で話題になり、与党は彼を利用してメディア法を強行処理してしまう。
怒りが含蓄的に“純粋な感情”である反面、憎悪は他の人間や集団への攻撃的衝動が構造化した“複雑な感情”(ゴードン・オールポート)という定義のように、ノ・ミニョンは加熱して暴走する機関車のように、不義の与党に向けて暴走した末、キム・スヨンにぶつかるのだ。
「私の恋愛のすべて」の舞台となる国会、そして二人の主人公は、ニュースで私たちが飽きるほど見てきた国会議員たちの姿をそのまま写したように、全く同じ行動を繰り返す。“これは、お笑いなのか!”という言葉のように、その状況をそのまま反映すれば、そのままラブコメディの大げさな舞台になってしまっているのだ。
しかし、実感がそのまま共感へと流れることはない。飲み会での肴として振り回され茶化されるのが日常の現実の国会だが、それにもかかわらず依然として“令監様”と礼儀正しく呼ばれるように、権威の前では弱い韓国の一般人たちが、目一杯ひねくれた国会と国会議員たちの恋愛をどのように受け入れるかは未知数だ。
また、その戯画化を助長でもするように、演劇や映画に似合いそうなキム・スヨン役のシン・ハギュンの演技は少し大げさで、ノ・ミニョン役のイ・ミンジョンの演技はどこか物足りない感じなので、どこまで二人の恋愛が共感を得るか、心配もある。
それでも、“国会での恋愛”とは!それだけでも「私の恋愛のすべて」は、新鮮な期待を抱かせるものだ。
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記者 : イ・ジョンヒ