「その冬、風が吹く」ソン・ヘギョはもっと綺麗に映らなければならない

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事の末に、脚本家まで乗り出した。「その冬、風が吹く」のノ・ヒギョン脚本家が、最近話題になったソン・ヘギョのハイヒール騒ぎについて口を開いた。ノ・ヒギョン脚本家は31日行われた「その冬、風が吹く」制作発表会に参加し、「視覚障がい者もメイクをしてハイヒールを履く」と最近騒ぎになったことについて解明した。ノ脚本家は自分が直接視覚障がい者を取材し情報を集めたと話し、「視覚障がい者の教本を見ると、実際にメイクの仕方、ハイヒールの履き方などがある」と説明した。

なぜノ・ヒギョン脚本家はドラマ制作発表会でこのような解明をすることになったのだろうか。騒ぎは数日前、ドラマ制作会社が配布した1枚の写真だった。この写真で劇中で視覚障がい者を演じるソン・ヘギョは、ハイヒールを履いている。するとすぐに、“リアルさ”の問題が提起された。「目が見えない人が、どうやってハイヒールを履けるのか」という批判だった。「危なすぎるのではないか」という、心配混じりの声も出てきたし、ひいては女優ソン・ヘギョのイメージのための過剰な設定という悪質な非難にまで広がった。

それ以降ネットユーザーたちの間では視覚障がい者がハイヒールを履けるかどうかを置いて甲論乙駁が繰り広げられ、実際の視覚障がい者の証言が続き、彼らもハイヒールは履けるということで結論づいた。ソン・ヘギョの写真には何ら問題がなかったということだ。

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しかし、そもそも視覚障がい者がハイヒールを履いたことに対して問題を提起し、また騒ぎにつながった事実は、苦い現実だ。なぜなら、その中には視覚障がい者を見据える非障がい者の無知と偏見がそのまま溶け込まれているからだ。

目が見える人を例に、簡単に考えてみよう。その人にハイヒールは、履きたかったら履き、履きたくなかったら履かない一種の嗜好品だ。そもそもハイヒールも着用有無は、騒ぎの対象ではないのだ。まったく同じ事で、視覚障がい者の中にもハイヒールを履く人がおり、履かない人がいる。目が見える見えないの問題でなく、趣向の問題なのだ。

それにも関わらず私たちは、障がい者は能力がなく、目が見えなければ私たちとは違う人生を生きるだろうと思いがちだ。無関心、偏見、理解不足を振り返ることはせずに、ただ私たちの定規で彼らを測り、評価する。

ある統計によれば、視覚障がい者を含む障がい者が全人口の約10%に達するという。家族、友達、または会社でいくらでも障がい者と顔を合わせながら行きなければならない数値である。しかし、意外と私たちが1日に出会う多くの人の中で、障がい者が極めて少数に過ぎない場合が多い。それだけ、韓国の社会では障がい者の社会参加や活動が厳しいという意味になる。障がい者は能力が足りないという間違った偏見が、さらに拡大再生産され続ける理由でもある。

そのためにもソン・ヘギョは、「その冬、風が吹く」でさらに綺麗に映らなければならない。必要ならば自分でメイクもしてハイヒールも履きながら、私たちが持っている間違った偏見を爽快に吹き飛ばして欲しい。目が見えない人たちも、あるいは耳が聞こえなかったり体が不自由な人達も、結局は私たちと一緒にこの世の中を生きる人達で、同じ趣味と同じ本能を持つ人であることを「その冬、風が吹く」に提示して欲しい。

今年最も期待されるドラマとして挙げられるこの作品で、誰より綺麗に映るソン・ヘギョの姿を期待している理由が、まさにここにある。

記者 : パク・チャンウ