【ライブレポート】観客はパク・ヒョシンを叫び、彼は平和を歌う

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写真=JELLYFISHエンターテインメント

人は厳しい状況に直面すると挑戦よりは諦めることを先に考える。集まった視線を振り放し、ドアの外に出るのは簡単なことではない。それにも関わらず、2年前の約束を守るために数千人の前に立った。信じて待ってくれた人々に、進化した姿を最初に見せてあげたかった。そうやって恩返しがしたかったパク・ヒョシンだ。

12月28日に続き、29日午後にもソウルオリンピック公園の体操競技場ではパク・ヒョシンの「2012 LIVE CONCERT-WAR IS OVER」が行われた。パク・ヒョシンは公演のタイトル「WAR IS OVER」について「人生が最も熾烈な戦争だと思っている。僕とみなさんが音楽を通じて共に『戦争』で負った傷を少しでも治癒し、慰められたらという意味を込めた」と説明した。

パク・ヒョシンは200分に渡って30曲以上のセットリストを歌い上げた。ピースマークを形状化して制作されたステージはメインステージとスタンディング席を分ける3本の花道、アリーナの全体を包む円状のサブステージで構成され、大会場のデメリットを補完した。パク・ヒョシンがファンの近くでコミュニケーションをとるという企画意図が反映されたのだ。

9月に除隊したパク・ヒョシンは2年間温存していた情熱をまるで爆弾を投下するように果敢にぶつけてきた。人々によく知られている“牛追い歌唱法の歌手”“ライブの神”などの愛称だけでは、歌手パク・ヒョシンを説明することはできない。


◆13年間培ってきた実力とはこんなものだ!

ステージセットが勇壮な分、パク・ヒョシンの登場も特別だった。大きな幕が開けると前面にはもう一つのピースマークが浮かび、真ん中にはパク・ヒョシンが立っていた。パク・ヒョシンは会場を盛り上げられるセットリストで華麗なスタートを告げた。パク・ヒョシンは円状ステージを一回りし、ファンと挨拶を交わした。

パク・ヒョシンは「今日のこの時間がとても待ち遠しかった。やりたいのがたくさんある。全部見せるので、皆で声が出なくなるまで盛り上がっていこう」と話し、観客を興奮させた。特別ゲストとして招待されたイ・ソラはパク・ヒョシンとデュエットで「風が吹く」を披露し、切ない雰囲気を倍増させた。

ステージの両側には約20人で構成されたオーケストラとバンドがあり、パク・ヒョシンの音楽を豊かな表現で演奏した。パク・ヒョシンは特有の歌声で「1991年 冷たい風が吹いた夜」「憧憬」「僕のように」「愛した後に」「良い人よ」などを選曲し、会場を深い感性で包んだ。


◆軍歌を編曲して歌った歌手を見たことある?

除隊して約3ヶ月が経ったパク・ヒョシンは軍隊に関するエピソードを公開し、戦友たちへの深い愛情をアピールした。事前制作された映像を通じて“軍人パク・ヒョシン”を振り返る時間もあった。パク・ヒョシンは軍歌の「カッコいい男」まで編曲し、明るくて軽快な雰囲気で観客をリードした。

女性ダンサーと共にセクシーな雰囲気を演出したパク・ヒョシンはDJとの共演で会場を一瞬でクラブに変えた。赤のファー衣装を着用し、再登場したパク・ヒョシンはBIGBANGの「FANTASTIC BABY」で華麗なダンスパフォーマンスを披露した。雰囲気を盛り上げたパク・ヒョシンはバラード歌手の固定観念を払拭させた。突然失神するというサプライズショーまで披露したパク・ヒョシンは、再び立ち上がってはシャッフルダンスを自由自在に踊った。

「最近、頑張ってほしいというエールが多く送られている。かなり長い時間の間、戦争をしてきた。僕は嘘をついていない。ただ多くの方にご心配をかけることとなり、申し訳ない。力が抜け、全てを諦めたくなる時もあったけれど、みなさんのおかげでここまで来れた。みなさんと共にできるのが、僕には最も大きなプレゼントだ」

エンディング曲で「懐かしくて懐かしい」を選んだパク・ヒョシンは大人しい終わり方をするのかと思われた。しかし観客は会場を離れず、パク・ヒョシンを求めた。一般的にコンサートでは「アンコール」と叫ぶが、このコンサートの観客たちは「パク・ヒョシン」と叫び続けた。結局パク・ヒョシンはサブステージに姿を現し、アンコール曲を歌った。和気藹々とした雰囲気の中でパク・ヒョシンは終わりを寂しがるファンとコミュニケーションをとり、来年の再会を約束した。

記者 : キム・イェナ