Vol.2 ― 「容疑者X」パン・ウンジン監督“ク・ヘソン&ユン・ウネの監督に挑戦した姿が格好いい”

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「映画は特別な人だけ作れるものでもないし、俳優や演出などをやってみてこそ自分に合うか合わないか分かるものです。本人の領域に限らず、いろんな方法で選択の余地を広げていく後輩が格好よく、愛らしいですね」

女優出身のパン・ウンジン監督は、映画「オーロラ姫」で初の長編映画デビューを果たし、その年に様々な映画祭で賞を受賞した。パン・ウンジン監督の後を次ぐ後輩としては、映画「妖術」に続き、2作目の長編「桃の木」を発表したク・ヘソン監督がいる。その他にも最近、女優ユン・ウネが大学院の課程で演出した短編映画「編み物」が釜山(プサン)国際映画祭の短編コンペティション部門に選定され、話題になった。

「ク・ヘソンさんはマルチプレーヤーのようです。ユン・ウネさんの短編はまだ見ていなくて、リュ・ヒョンギョンさんの短編は見たことがあります。私たちは映像世代ですね。写真家だけが写真を撮るわけではないように、映画も同じだと思います。映画を作っていると、女優として接していた現場とは違う雰囲気を感じます。やってみると俳優よりスタッフが優れている部分もあり、俳優が優れている部分もあります。映画に対する思いが強くなります。商業映画では別の部分も考慮すべきですが、短編映画の作業は多くの俳優が経験してみるのがいいと思います」

女優出身監督への先入観も無視できない。パン・ウンジン監督はそんな視線をいかに克服したのだろうか。

「普通は、『女優が監督?』『うまくやれるのか。演技をちゃんとしろ』というような視線で見る方もいるようです。けれど、そんな視線があってこそ、かえって自分を強く叱咤したと思います。そんな話が出ないように映画を完成させたいという思いですね。

後になって、自分が女優出身であることは変えられないので、『女優出身だけど、映画もうまく作れるね』という話になるようにすればいいんだと開き直ったんです。女優出身だから、もっと冷静な評価を受けることになるし、もっと熱心に映画を作るという意志につなげようとしました。最近は教えることもしていて、映画を作って、シナリオを準備しています。このようなことが自分によく似合うようです」

現場でのパン・ウンジン監督はどんな監督だろうか。リュ・スンボムなどの俳優は「女優出身だから、感情の面でより正確なディレクションを受けることができてよかった」と明かしたことがある。

「俳優がいかに弱く、よく傷つけられる存在か、初めての作品をする時にしみじみ感じました。私もちょっとそうだったようで、作品に入るともっと敏感になりますので、限りない信頼を見せなければなりません。ディレクションはもっと細かくして、演技に対する選択と判断は容赦なくやろうとしています。何でも一緒に考えて、『私があなたのサポーター』であることを忘れないようにすることも大事です。

一番良い演出とは、優れた撮影監督、信頼できる照明監督と深い信頼のもとでともに作業しながら、俳優の演技だけに集中することだそうです。事前準備はみんな徹底的にやるだけに、私の役目は俳優を励まして正確な判断を下し、俳優がうまくやれることを、心を開いて待つことです」

記者 : チョ・ギョンイ