【アルバムレビュー】4Minute キム・ヒョナ“セクシーコンセプト”を取り除けば音楽が聴こえる

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セクシーさの裏に隠された、エレクトロニック・ヒップホップサウンドとティーン・ポップのバランス

4Minute キム・ヒョナが、またもセクシーコンセプトで人々の前に帰ってきた。新曲「Ice Cream」は、予告映像の公開時から“泡風呂シーン”で話題になった。セクシー過ぎて地上波放送局から振り付けの修正を求められた「Bubble Pop!」、BEAST チャン・ヒョンスンとのキス連想パフォーマンスで話題になった「Trouble Maker」に継ぐセクシーコンセプトである。

扇情性論難にPSY(サイ)のミュージックビデオ出演と、序盤の話題作りには成功したが、キム・ヒョナのニューミニアルバムに対する評価がない。キム・ヒョナの「MELTING」は、一体どんなアルバムなのだろうか。

写真=CUBEエンターテインメント

今回のタイトル曲は、シンサドンホレンイではなかった!

とりあえず「MELTING」は、CUBEエンターテインメントアイドル独特のエレクトロニックダンスサウンドとは大きく違う。4Minuteとキム・ヒョナのアルバムタイトル曲は、ほとんどプロデューサーのシンサドンホレンイ(S.TIGER)が手掛けてきたが、今回は勇敢な兄弟が前面に出た。アルバムの全体的なカラーは、ヒップホップとティーン・ポップの適切なバランスに要約され、セクシーディーバ(歌姫)としてのキム・ヒョナの可能性と限界が同時に垣間見えるアルバムだ。

タイトル曲「Ice Cream」は、これまで勇敢な兄弟がガールズグループ向けに作っていたダンス曲でなく、洗練されたエレクトロニック・ヒップホップ曲だ。「Ice Cream」は、繰り返されるフック(同じフレーズを何度も繰り返す曲調)を持つダンス曲だが、鈍いドラムビートが強く印象に残るヒップホップサウンドがベースになっている。ヒップホップという自分好みの音楽テイストを反映しているが、メロディーラインを軽くすることで、人々にアピールできるティーン・ポップスタイルとなった。

このような試みに対するファンの意見は分かれている。趣向によってかなり新鮮な曲と感じることもできるし、過去のキム・ヒョナスタイルのカラーを懐かしがる余地もあるからだ。商業的には、リリースして約1週間の間、音源チャート10位圏内に入ったので、大ヒットとまでは行かなくても、中ヒットはしたと見るのが適当である。

もう一つの収録曲「青りんご」は、ティーン・ポップスタイルの曲で、さわやかなボーカルがかなり印象的な曲だ。純粋な彼氏の前では純粋な女性になりたいという気持ちを盛り込んだ曲で、10代のファンから愛されると思われる。後半部分の真逆な歌詞がとても面白い。

21歳のわんぱくな自分の姿をそのまま盛り込んだ収録曲「Very Hot」も興味深い。「友だちとカカオトーク(スマートフォンアプリ)をして清潭(チョンダム)交差点に遊びに行く」元気ハツラツな自分の姿を飾らずに歌った曲で、新しいキム・ヒョナスタイルを作りだす実験的なヒップホップスタイルの曲だ。作詞はキム・ヒョナが手掛け、作曲はシンサドンホレンイが担当した。キム・ヒョナ自身の手で作曲とまではまだいかないが、作詞とプロデュースの一部に関与し自意識を加味したところに意味がある。

惜しい点もある。アイドルスターとして、ラップも歌も一定水準でやってはいるが、そのどちらか一つだけで楽曲を牽引するにはまだ力不足のようにみえる。本格的なヒップホップ曲「転ばないで」「Very Hot」は単調に聞こえ、バラード曲「私のボーイフレンド」は平凡とも思われかねない。

海外からの関心が高く、すでに所属事務所では海外活動の可能性も広げている状態であるだけに、この爽やかで元気のいいキム・ヒョナのサクセスストーリーを期待してみるのもいいだろう。

記者 : チョン・ヨンジョン