「嘆きのピエタ」チョ・ミンス“20代に映画祭で受賞していたら、傲慢になっていたかも知れない”

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女優チョ・ミンスにとって映画「嘆きのピエタ」は約17年ぶりの復帰作であった。80年代に人気女優として映画に出演していたが、いつの間にかテレビドラマに出演することが多くなった。17年ぶりに映画に出演することだけでも、この作品は彼女にとって特別だったはずだろう。しかし映画「嘆きのピエタ」は彼女にとって予想外の成果を上げた作品となった。そしてチョ・ミンスは第69回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した映画の主演女優としてレッドカーペットの上を歩いた。

受賞する前に彼女はこのように言った。「映画『嘆きのピエタ』は私の新しい姿を披露したい作品だった。それ以上は求めなかったし、期待しなかったのは、キム・ギドク監督の作品の興行成績はそれほどではなかったからだ。ただDVDという資料として残って映画界の関係者が『チョ・ミンスにはああいう一面もあったんだね』ということを分かってもらえる作品にしたかった」

しかし映画「嘆きのピエタ」は彼女が想像もしなかった、女優として最高の名誉を与えた作品となった。すべてのことに感動してもおかしくないはずだが、今年で47歳の女優チョ・ミンスは淡々としている。

「本当に嬉しい。感謝している。でも、いい思い出ができたこと以外に私は変わっていない。ただ『あなた、ベネチアに行ったことある?』と自慢できるくらいかな。このことをきっかけに今後大きな変化が起こるとは思わない。もし20代にこのような経験をしていたら、傲慢になっていたかもしれない。今は感謝するべきことに感謝しているだけで、私に大きな変化が起こるとは本当に思わない。作品のキャスティングの優先度が高くなると思う。でも、この賞を受けたからといって私だけのために作品が作られるとは思えない。今後の出演作はもっと慎重に選ぶと思う。次回作もうまく選択したいけど、結局同じだと思う。その前も作品を適当に選んだわけでもないから。所属事務所の代表には今後は映画に専念したいと言ったけれど、代表は顔をしかめる(笑) 映画にさらに魅力を感じる理由は?スクリーンが大きいので、細やかなところまで見られるから女優として嬉しいことだ。だからドラマ『砂時計』で注目を集めるよりは映画『嘆きのピエタ』で注目を集めるほうが幸せだ」

観客動員数50万人を突破した映画「嘆きのピエタ」は10月3日に上映を終了する。大手配給会社の独占を批判してきたキム・ギドク監督が他の映画にも上映の機会を与えるために決めたことだが、映画の早期上映終了を宣言した監督の決定に不満を抱いている観客も少なくない。とにかくチョ・ミンスの17年ぶりの復帰作を見たいのなら、急がなければならない。

記者 : ペ・ソニョン、写真 : クァク・ギョンフン