「海雲台の恋人たち」最終話を残すのみ…“どこへ向かうのか”

10asia |

KBS 2TV月火ドラマ「海雲台(ヘウンデ)の恋人たち」第14、15話

「海雲台の恋人たち」の物語を導いてきた人は、イ・テソン、ヤン・テソン、ナムへという3つの名前を持つテソン(キム・ガンウ)である。テソンを中心に絡まった関係がすべて表に現われた今、「海雲台の恋人たち」は去就問題で葛藤するテソンが描かれている。義父である弁護士イ・セジョ(チェ・サンフン)と妻だったユン・セナ(ナム・ギュリ)は、テソンをどうにかして元に戻そうとする。問題はテソンを巡った2人の動きが2話に渡って似たような内容を繰り返していたことだった。“イ・テソン”の元の居場所のためにイ・セジョはサムチョン水産とコ・ソラ(チョ・ヨジョン)のことを諦めることを繰り返し提案し続け、ユン・セナはコ・ソラに対する気持ちが整理できないテソンと何度も同じ理由で衝突する。この戦いの過程でコ・ソラとサムチョン水産ファミリーは受動的な人質の役割をするだけだ。

似たようなシーンの間には極端な事件が相次いで起きている。テソンとコ・ソラは交代で拘置所に収監され、ユク・タムヒ(キム・ヘウン)と勢力争いをしていたヤクザたちは、ユク・タムヒとカジュンを山奥で木に縛り放置する。このような刺激的な場面の繰り返しは、劇にまともな緊張感を醸し出すことができず、無意識に通り過ぎた。結局、現実的な問題点である海雲台ホテルのM&Aは最終回まで後回しで、物語の枠から押し出され、粗い物語の隙間はバックミュージックと写真集のような携帯写真、そして人物の苦悩の表情で満たされた。テソンの隠された秘密がすべて明かされ、「海雲台の恋人たち」は新しいストーリーを作り出す原動力を失ったのだ。連続放送された14、15話の間ずっと「海雲台の恋人たち」は、本当のテソンの居場所はどこなのかを問いかけていた。だが、テソンが全てを捨ててナムへに戻るということは葛藤を始めた時から決まっていたことで、テソンとコ・ソラはともに過ごすことに対する質問にすでに何度も同じ返事を出している。今後やるべきことは、これ以上問いかけずに、二人に「海雲台の恋人たち」の座を渡すだけだ。

記者 : キム・ジイェ(テレビ評論家)、翻訳 : チェ・ユンジョン