「応答せよ1997」物語を締めくくるBGMの力

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写真=CJ E&M

「応答せよ1997」のプレイリスト…あのシーンを彩ったあの曲

BGMがこんなに大活躍したことが過去にあっただろうか。

1990年代を追憶するtvN「応答せよ1997」は、その時代を経験した人なら、頷きながら見ることのできるドラマである。ポケベル、PCS、パソコン通信など時代を象徴するものが登場するためでもあるが、今ではあまり聞くことのできない当時のヒット曲が登場するからである。シーン毎に流れるBGMは単なる背景のレベルを超え、そのシーンに盛り込まれた感情まで伝えている。そのため、このドラマはBGMまで語らないと物語が成立しない。

第1世代アイドルのファンである主人公の“パスニ(芸能人に夢中な女性)ライフ”が主な内容だった序盤では、当時のトップアイドルであったH.O.T.とSECHSKIES(ジェクスキス)のヒット曲がたくさん流れていた。しかし「応答せよ1997」がパスニたちだけの思い出を語っていたのなら、多くの人々の共感を得ることはできなかっただろう。シウォン(Apink チョン・ウンジ)が手の届かない“オッパ”(兄の意。女性が親しい年上の男性やスターを呼ぶ呼称)の代わりに傍にいる人への恋に目覚める成長期に入ると、BGMも懐かしい思い出を思い出すような切ないバラード曲に変わってきた。


言葉にできない想いは歌にある

特に、注目を集めているナンバーは、シウォンとユンジェ(ソ・イングク)のテーマ曲ともいえるDELISPICE(デリスパイス)の「告白」(2003年)である。

この曲は、小さい頃からずっと一緒だった幼馴染の二人が、2005年になってやっとお互いの気持ちが分かり、恋人になる過程をうまく表現している。ユンジェとシウォンの子供の頃を振り返る第1話で初めて登場し、第11話で夜遅く帰宅するシウォンを心配していたユンジェが駆けつけ、彼女を家まで送るシーンで再登場した。そして最もドラマチックな瞬間だった第14話の病院の階段でのキスシーンでまた流れた。

映画「ラブストーリー」の挿入歌として起用されてから“初恋”を象徴する曲として愛されてきた「告白」は、作詞作曲したキム・ミンギュがあだち充の野球漫画(ラブストーリー)「H2」からインスピレーションを受けて作った曲だという。幼馴染と親友の間で戸惑う主人公の微妙な感情を描いた同作の内容は、「応答せよ1997」のユンジェとシウォンのストーリーとも多少似ている。

「応答せよ1997」のBGMに欠かせないもう一人の人物はキム・ドンリュルである。聞くと別れた恋人とよりを戻せるという“伝説の曲”「また愛してると言おうか」(2001年)は、第13話でシウォンが自分のことを6年間避けていたユンジェに「友達としてではなく異性として好き」と告白したシーンで流れた。

この他にも、キム・ドンリュルの歌声は彼が属していたグループ展覧会(チョンラムフェ)やカーニバルの曲を通じても所々に登場する。カーニバルの「彼女を引き止めて」(1997年)は第7話でハクチャン(ウン・ジウォン)がユジョン(シン・ソユル)にクロスステッチのクッションをプレゼントするシーンで、展覧会の「酔中真談(チェジュンジンダム)」(1996年)は第10話のジュニ(INFINITE ホヤ)がユンジェに告白するシーンで流れた。「誰が好きなんだ」というユンジェに「お前」と答えたが、ふざけていると思われてしまったこのシーンで、ジュニの想いを「酔中真談」が代わりに語ってくれた。

韓国で11日に放送された第15話のBGMからは、シウォン、ユンジェ、テウン(ソン・ジョンホ)という3人の関係がそのまま伝わってくる。恋をし始めたユンジェとシウォンのラブラブモードは旅行スケッチの「何か言い感じ」(2000年)で、シウォンが自分の“あしながおじさん”であり、ユンジェの実の兄であるテウンの電話を受けるシーンでは、イ・キチャンの別れの曲「もう一度愛が去っていく」(2003年)が流れた。結局、テウンが弟(ユンジェ)の代わりにお見合いに行き、ユンジェをシウォンのところに行かせたシーンで流れた曲はmiS=mRの「君のために」(1996年)だ。

最終回だけを残した「応答せよ1997」は“シウォンの夫は誰?”という疑問にはまだ答えていない。登場人物の言葉では伝えられなかった想いを伝えてくれたBGMからそのヒントを得られるのか、それとも更なるどんでん返しが待っているのか。最終回の「初恋が叶わない理由」というタイトルが気になる。

記者 : イ・ヒョンジン