【アルバムレビュー】SKULL&HAHA、ミニアルバム「Ya Man!!」

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SKULL&HAHAのミニアルバム「Ya Man!!」…人生がギャンブルなら俺に賭けろ!

慎重なSKULLと世間知らずなハハ。二人が意気投合し、ミニアルバムを発表したと聞いたとき、その結果は果たしてどうなるか気になった。

ハハは、以前「Rosa」というレゲエミュージックを発表したことがある。だが、「無限に挑戦」を始めとするバラエティ番組で固まった彼のイメージを考えれば、音楽へのこだわりと、妥協を嫌う自意識の塊のように見えるSKULLとは合わないように見えた。

だが、アルバムのジャケット写真を見ても分かるように、この二人はなかなか似合っている。荒野を背景に上着を脱いだ二人の男の姿は、特に暑い今年の夏を表しているように見える。これは、アルバムのジャケットの雰囲気に限られた話ではない。

「Ya Man!!」異質な二人が作り出した音楽

彼らがリリースしたミニアルバム「Ya Man!!」に収録された曲を聴いてみると、異質な二人が作り出した音楽もなかなか自然だ。それだけ二人が互いに歩み寄る努力をした結果だろう。

「Ya Man!!」には、計6曲が収録されている。イントロ曲を除けば、全ての曲が“愛”というテーマでまとめられている。夏にふさわしい楽しく爽やかなサウンドの曲と、去ってしまった愛を歌う感傷的な曲がそれぞれ収録されている。

最初の曲「Ya Man!!」は、37秒の短いイントロ曲だ。最初から最後まで様々な打楽器の音がリズミカルに続き、原始的でありながらも熱情的な雰囲気が、まるでアメリカドラマ「ターザン」で見たアフリカのジャングルに住む部族たちの音楽を連想させる。

この曲の最後に出てくる「SKULL&HAHA、Ya Man」というフレーズは、次の曲につながる効果的な予告になっている。

「ワイキキブラザーズ」は、一緒に歌を歌うことになったSKULLとハハの出発を告げる曲だ。曲のタイトルはSKULLとハハの二人を指しており、「彼女を歌って」「愛を歌って」「Everything's gonna be alright. Ah,wow」などの歌詞の内容は、彼らが共に追求しようとする音楽の方向性と見なすことができる。

この曲は、メインとサブの歌詞から成る構成が目を引く。一見すると二つの異なる話をしているように見えるが、最終的には音楽の話でまとまる。特に、ヒョンドニとデジュニを羨ましがり、「今回のアルバムはヒットしなければならない」と焦るハハと、これに「Ya man」という言葉で言い返すSKULLの対話が笑いを誘う。

アルバムのタイトルでもある“Ya man”は、肯定的な意味のものを総称するジャマイカの表現だ。合っているような合っていないようなSKULLとハハのラップスタイルを比較しながら聞くことも面白く、親しみやすいメロディと楽しいリズムが際立つリフレイン(繰り返し)が魅力的な曲だ。

鳥肌の立つ歌詞、楽しい曲の雰囲気

「釜山(プサン)バカンス」は、避暑地の釜山で青春を謳歌する男女を歌った曲だ。SKULLは、曲の導入部から「今夜は運命的な出会いが始まるようだ」と話を始めるが、歌詞に登場する主人公の行動を見ると、実はその出会いは運命というより血気と意志が生んだ結果に近い。

主人公は初めて会った女性に、「昨日の悩みは全部忘れて」「余計なことも考えないで」「お金も心配しないで」と歌い、友達をみんな呼んで釜山の名所を歩き回りながら一晩中遊ぼうと誘うが、これは彼が今、いわゆる“バカンス中”であるため可能なことだったのかもしれない。

多少鳥肌の立つ歌詞だが、全体的な曲の雰囲気は楽しい。特に“クンチャジャック・クンチャク”とウィットに富んだレゲエのリズムは、青春真っ只中の男女のやりとりを連想させる。また、海雲台(ヘウンデ)、広安里(クァンアルリ)、南浦洞(ナムポドン)など、釜山のあらゆる名所を連呼するリフレインのサウンドが爽やかだ。そして、2分33秒頃から17秒以上続くダブ(Dub:ジャマイカ音楽の一種)のサウンドがスパイスになっている。

「引っ越しする日」は、別れた彼女への思いを表現した曲だ。歌詞を見ると、二人はすでに別れたが、彼女はたびたび家に寄って母親のようにいろいろと口を出す。曲の主人公はそれが嫌ではなかった。だがある日彼女は「これからは来られない。結婚する」と言う。寂しくなった彼はやっと別れを実感するが、わざと平然を装う。

「引っ越ししてもいいだろう」という歌詞には、このような主人公の気持ちが含まれている。だからか、全体的なサウンドは寂しい感じを与える。特に、軽快なリズムの後に流れるメロディの切ない情緒は、主人公の本音と建て前をそのまま代弁するようだ。一人で泣き、また一人は寂しくて仕方ないが、それでも引き止めたり、引き止めてほしいと言ったりしない二人の気持ちが強烈な印象を残す曲だ。

二人の若い男の人生を垣間見るような歌詞

「Big Up」は、SKULLとハハがそれぞれ語る、いわゆる自己紹介のような曲だ。例えば「別れがあってもテレビでは笑わせた奴」「点滴なしでは生きていけない弱虫」「家族のためなら魂まで売る奴」「世界のどこに落としてもソンフ兄のように勝ち抜く」といった歌詞が続く。

前の二つの歌詞は、二村洞(イチョンドン)出身のハハのもので、後の二つは城北(ソンブク) 区東仙洞(トンソンドン)出身のSKULLのものだが、「Big Up」というタイトルのように自分に対する肯定と励ましを込めた強いラップが目を引く。The Legendary Poet、RilLord、JIMI xoのフィーチャリングがこの雰囲気をさらに盛り上げる。リフレインは、シンプルなメロディが繰り返されるが「人生がギャンブルなら俺に賭けろ、ララララララ」という爽快な歌詞が強い印象を残す。

「HENNESSY 19」は、今は他の男と付き合っている昔のガールフレンドに対する切ない気持ちを表現した曲だ。曲の主人公は酔っ払っていて、そのため感傷に浸っている状態だ。「俺もかなり遠くへきたようだ」「もう一度戻るのはつらいだろう」「つかみたくても、俺の手はあまりにも汚くて」のような歌詞を見ると、主人公の感情の波がどれほど高まっているかがわかる。

前奏から曲全体を通して流れるピアノやストリングスのサウンドは、ロマンチックな雰囲気を醸し出し、コーラスは切なく響く。SKULLとハハのラップには、寂しさと非情さの間を揺れ動く“悪い男”の風情があり、「I'll be there for you,gyal」で始まるサビの澄んだサウンドはバラードの雰囲気が漂う。

「Ya Man!!」に収録された曲の歌詞のほとんどは自伝的だ。

「俺たち本当にうまくやらなければならない」と言いながらアルバムの“大ヒット”を願う姿(「ワイキキブラザーズ」)では、芸能人という職業特有の不確実な未来と漠然とした不安が窺え、「江南(カンナム)に住んでいても」(「引越しの日」)、「高価なワインを楽しんでも」(「HENNESSY 19」)、「お金の心配もせずに女友達も男友達もみんな呼んで」(「釜山バカンス」)と歌う姿からは、彼らの社会的地位や消費傾向を見ることができる。

特に「夜明けごとに会いたいという女は多くても」「俺の最後の日に俺のために誰が泣いてくれるだろう」という歌詞(「HENNESSY 19」)は、屈折した人が多いだけに誘惑や言いがかりの多い組織で、本当の友達に出会うのが難しく、人に対する信頼自体が薄れてしまうという彼らの職業的な悲哀を読みとることもできる。

しかし、考えてみれば彼らが書いた歌詞がどこまでが事実でどこからがフィクションなのかはわからない。それでも、彼らの曲をすべて聞くと、いわゆるエンターテインメントを生業としている二人の若い男の人生を垣間見たような気がする。

だからなのだろうか。彼らの感情に沿って一緒に笑ったり泣いたりしてみると、ハハとSKULLが少し違って見える。「Ya Man!!」は、さまざまな面で興味深いアルバムだ。

このレビューを書いたソ・ソクウォン記者は、歌手の名前でハングルを覚え、少年の頃にはピアノを弾いていましたが、息子の将来を心配した母の決断で戻れぬ橋を渡り、今は平凡なリスナーとして暮らしている音楽愛好家です。現在は映画関連の仕事をしており、一生涯の著作家を夢見ています。―編集者コメント

記者 : ソ・ソクウォン、写真 : イ・ジョンミン