韓国の観客を掴む鍵は…物語の“ドラマ性”

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写真=20世紀フォックス

韓国でヒットした映画、みんなコレを持っていた!

韓国でヒットした映画は、大半がその中に新しいドラマを盛り込んでいた。「友へ チング」での男同士の感情に満ちあふれた友情、「TSUNAMI-ツナミ-」での人と人との関係から発生するドラマ(津波が押し寄せるシーンばかりであったら、この映画はヒットしなかっただろう)、「グエムル-漢江の怪物-」でも「王の男」でも、最近のヒット作「僕の妻のすべて」でも、映画の中の登場人物の人生の物語が観られたのが、韓国の観客には好評のようだ。

韓国映画に限った話ではない。ハリウッド映画の中でも、ヒットした映画の場合、キャラクターたちの人生が見る者の共感を呼んでいた。一般的な人の人生ではなかったが、「アバター」には人間に迫害される宇宙人の話があった。「アベンジャーズ」はスーパーヒーローたちの人生を物語り、「トランスフォーマー」では変身ロボットの物語がまるで人の人生のように物語の基軸をしっかり支えていた。

ヒット映画に根付く、このような人の物語的な性質、これを“ドラマ性”と命名してみる。その名の通り、ドラマ、つまり観客に共感される、人の匂いがする話を面白く感動的に繰り広げることができたという意味だ。

韓国映画は、“ハリウッド映画”風のスケールだけ追いかけては困る

写真=ジュモニフィルム
韓国映画の中にはハリウッドの大型映画やスーパーヒーロー物を追随する、“韓国版ハリウッド映画”を作ろうとする雰囲気がある。新しい作品が出る度に、ハリウッドのヒット作との類似性を取り上げたりもする。

今夏公開予定の「リターン・トゥ・ベース」と「10人の泥棒たち」を見てみよう。「リターン・トゥ・ベース」の場合、“韓国版ブロックバスター”と広報しており、「10人の泥棒たち」は“韓国版オーシャンズ11”と噂されている。

しかし、これは正しい方向性ではない。いくら“韓国版”という修飾語を付けるとしても、観客に共感される物語が形成されていない状態では、ただハリウッド映画の亜流にしか見えず、“韓国版オーシャンズ11”という話が出るのも、ハリウッド映画を基準に韓国映画を期待しているという解釈にしかならないためだ。

写真=ショーボックス
韓国映画は、韓国の観客が見る世界を描くべきだ。どれだけ派手な見どころと膨大なスケールを誇り、スター俳優たちが出演するとしても、その中に本当の人間の物語、つまりドラマ性がない限り、韓国では無視されがちになる。

韓国の観客がドラマ性を持つ映画を好むのは、海外の映画が韓国に輸入される時も考慮されているように見える。韓国に公開され、必ずしも数百万の観客が入ってはいなくても、良い評価を受けた海外の映画は、一つ残らずドラマ性を備え持っていた。

韓国の観客はドラマ性を求める

今年韓国で公開された海外映画を見てみよう。「Barney's Version」は紆余曲折の末に結婚にゴールインしたある男の物語を観客にアピールした。反面、アクションはよかったが特にドラマ性らしきところがなかった「バトルシップ」と「スノーホワイト」は、観客動員数はさて置き、内容への批判は免れなかった。

写真=マウンテンピクチャーズ
韓国の観客は、新しいドラマ性を感じ取れる映画、ドラマ性に満ちた映画を求めている。「メン・イン・ブラック3」が俳優たちの歳が感じられ悲しかったと言われながらもヒットした理由は、感動的なヒューマンストーリーが結末の部分に存在していたからである。
「後宮の秘密」や「ウンギョ」は、露出と濡れ場シーンのみが注目されヒットし、好評価を博したのだろうか。とんでもない話だ。二つの映画に盛り込まれた人物たちの物語と心境を、観客がよく理解できるように仕上げていたので、「後宮の秘密」と「ウンギョ」は好まれたのだ。どの国の映画であれ、今後韓国で映画を公開する場合は、この点を念頭におくといいと思われる。

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記者 : ソ・サンフン