イム・スジョン、30代を代表する“女優の条件”

OSEN |

韓国の映画界で起きた上半期の女優ブームには、イム・スジョンの役割も大きい。

イム・スジョンは、映画「僕の妻のすべて」(監督:ミン・ギュドン)でラブコメディの歴史を塗り替えた。映画振興委員会の映画館入場券統合コンピュータ・ネットワークによると、「僕の妻のすべて」は5日までに累積観客292万4822人を動員した。ハリウッドの大作映画「メン・イン・ブラック3」を抜いて興行成績1位になり、6日には、300万人突破が確実と見られている。

イム・スジョンは、2009年に500万人を超える観客を動員した映画「チョン・ウチ 時空道士」では、“紅一点”としての役割に満足するしかなかったが、300万人を越える興行作品「僕の妻のすべて」では、独歩的な役割を担当する。イ・ソンギュン、リュ・スンリョンという優れた俳優の中でカリスマ性を発揮するイム・スジョンは、今回の映画で韓国を代表する30代の女優が持たなければならない条件を見せている。

ブームを巻き起こしたドラマ「ごめん、愛してる」のヒロインで、少女漫画の中の少女のようなイメージの強いイム・スジョンは、20代前半の役を演じ、制服を着ても似合いそうな代表的な童顔美女。人形のような顔立ちに白い肌は典型的なベビーフェイスで、丸い目からは好奇心の強い少女の姿も見える。他の30代の女優らと比較しても特に幼く見える顔だ。

だが、この“童顔”が新たな美しさのトレンドになったとしても、女優としてはひたすら幼く見えることが長所になるわけではない。多様な役をこなすには、童顔のせいでこなせる役に限界があるためだ。実は、イム・スジョンも「ハピネス」「サイボーグでも大丈夫」「愛してる、愛してない」等、これまでの作品を通じて色々な変身をしてきたが、「ごめん、愛してる」以後、人々に強い印象を与える刺激がなかったのも事実だ。

しかし「僕の妻のすべて」では、30代の女優だけが見せられる、20代の女優は決して演じられないような豊かな感情と内面を思う存分広げながら、本人のトーレードマークの“童顔の美貌”を隠した。清楚な赤ちゃんのような容貌は、朝起きてから新聞配達員に毒舌を言う“髪がボサボサ姿”に変身したし、保護本能をくすぐる少女の身体は、大ざっぱにパンツをはじく大胆な行動に変貌した。

さらに、アクションやスリラーでなく、ラブコメディで新たな変身を試みたことは、さらに意味がある。ここ数年間大きく振るわなかったこのジャンルで新しいキャラクターを作り出し、新鮮な風を吹き込んだことは、大きな成果だと言えるためだ。

変身したくない俳優はいないだろうが、どれほどその変身を上手くするのかはまた別の問題だ。特に、韓国の映画界を背負っている30代の女優には、そのような30代の女優だけに可能な深さと姿勢が要求される。最近の観客は、新たな発見からくる楽しみを与えてくれる俳優を見るときに熱狂するのだから。

記者 : チェ・ナヨン