1年に2～3グループがデビューしていたアイドルが、最近はブームのように急増し今やグループ名を覚えることすら難しい時代となった。3～4人が主流だったメンバーの人数も、最近は多いと11人に上り、メンバーの名前を覚えることも簡単ではない。このような状況の中、デビューを果たしてはすぐに消えていくグループも多い。しかし、この厳しい環境で生き残る者こそ本当の強者であるに違いないだろう。

韓国歌謡界のここ10年は、アイドルが支配していたと言っても過言ではない。アイドル歌手の養成には、“ビッグ3”と呼ばれるSMエンターテインメント(以下SM)、YGエンターテインメント(以下YG)、JYPエンターテインメント(以下JYP)の貢献が大きかった。彼らはスターシステムを導入し、練習生たちを体系的に管理し着実にスターを育ててきた。そして今この瞬間にも多くの練習生がデビューを目指しトレーニングに励んでいる。

◆SM-YG-JYPの出馬表をチェックしよう

SMからは先月、12人組のボーイズグループ「EXO」がデビューした。EXOは太陽系の外惑星を意味する「EXOPLANET」をモチーフに、未知の世界から来た新しいスターという意味を含んでいる。EXOは韓国で活動する「EXO-K」と中国で活動する「EXO-M」に分けられ、両国で活動している。彼らは通称“少年時代”とも言われている。

YGはガールズグループのデビューを予告している。4人組以上と知られ、期待が高まっている。これに先立ち、YG LIFE BLOGを通じて練習の映像が公開され、話題となったケーブルTV Mnet「スーパースターK2」のキム・ウンビや「SUPER STAR K3」のユナ・キムが同ガールズグループに合流する可能性が高まっている中、顔だけが公開された“ミステリー・ガール”への関心も熱い。

対抗するJYPはボーイズグループの誕生を予告した。まだ確定されてはいないが、デビューの時期とメンバーの構成を議論中であるという。第2の2PMとなるボーイズグループはどのような形であるだろうかと関心が集まっている。

DSPエンターテインメントでは7人組ボーイズグループ「A-JAX」がデビューを準備している。A-JAXは先月27日にスタートしたケーブルTV MBC MUSICの「メイキング・ザ・スター DSP Boyz」でその名を知らしめ、今月末にデビューを果たす予定だ。他にも先月にCUBEエンターテインメントから満を持してデビューした7人組ボーイズグループBTOBも大きな反響を得た。

他にもPLEDISエンターテインメントでは3月に5人組ボーイズグループNU'ESTがデビューした。また、9日にはAFTERSCHOOLの妹分である6人組のガールズグループHELLOVENUSがデビューする。

◆なぜアイドルが求められるのか

アイドルが初めて登場した頃、人々はカルチャーショックを経験した。歌は一人で歌うものだと思っていた。パワフルなダンスは想像も出来なかった人々は歌やダンス、ルックスまでもが完璧なアイドルに一瞬でハマってしまった。

一部では“アイドルの音楽は音楽ではない”と見下したりもした。しかし世界がK-POPに熱狂し、いつの間にかアイドルは韓流の主役として浮上した。最近放送されているオーディション番組のタイトルが「K-POPスター」であるほどだ。

SUPER JUNIORや少女時代、東方神起、SHINee、BIGBANG、2NE1、2PM、2AM、Wonder Girls、miss A、JYJ、KARA、BEAST、4Minute、T-ARA、AFTERSCHOOLなど10を遥かに超えるアイドルグループが世界の関心の中で活動している。人々はどのようなところに魅了されているのだろうか。

彼らはデビュー前から様々な教育を受けている。JYPの場合、授業内容は70種類以上で、発声やダンスのトレーニングはもちろん外国語、性教育にまで至る。SMの場合は余った時間には無制限で授業を受けることができる。自ら学びたいと思っているものには惜しまず支援をしているのだ。デビュー前から自身の力量を成長させ、自身にピッタリなものを探しているので、当然完璧に近づくわけだ。

この完璧なアイドルたちは、もはや歌やパフォーマンスだけでなく演技にまで活動の場を広げ、エンターテイナーとして成長した。ドラマでも映画でも、ミュージカルでも自身の魅力を十分に見せ付け、優しい心と親切な笑顔をも兼ね備えている彼ら。世界が惚れるのも分かるような気がする。

最近の韓国歌謡界は昔に回帰しようとする傾向も見えているが、アイドルの沼からは抜け出すことは出来ないようだ。永遠に続くアイドルの時代。その“罠”はどんどん進化している。