なぜ、初恋は美しく切ない話でなければならないのか?

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写真=映画「建築学概論」スチール写真
ストレートの長い髪に白い顔、ひらひらワンピースが良く似合う華奢な彼女。我々の記憶の中で初恋といえば思い浮かべるイメージだ。

2012年、何もかもが早く変化する時代にあるが、初恋に対するイメージはそう簡単に変らない。最近、スクリーンとブラウン管の中で、初恋のイメージとぴったり重なる幼い俳優たちもこうしたイメージをアピール、新たな初恋のアイコンとして浮び上がっている。

90年代の郷愁を呼び起こし、興行面でも大ヒットを収めた恋愛映画「建築学概論」のスジ(miss A)と、KBS 2TVドラマ「ラブレイン」で70年代と現在を行き来しながら、時代を越え、人々が想像している初恋のイメージと99%のシンクロ率を見せているユナ(少女時代)らだ。

まるで数式のように、彼らは皆、ストレートの長い髪に白くて小さい顔、つぶらな瞳、それに女の子らしいワンピースをマッチするなど、似たようなコンセプトで登場し、男性の胸をときめかせた。それぞれ、ガールズグループmiss Aと少女時代のメンバーである彼女たちは、グループ内でビジュアルを担当するほどの完璧な美貌を誇っており、初恋のイメージにぴったりだった。

だが、なぜ初恋の人は、美しくなければならないのか?歳月がたっても変わらない定型化された初恋のイメージ、今やありふれた話ではないか。

最近放送しているKBS 2TVドラマ「ラブレイン」は、こうした初恋の数式を忠実に描いている。キム・ユニ(ユナ)にわずか3秒で恋に落ちたソ・イナ(チャン・グンソク)は、年をとっても彼女を忘れることができなかった。記憶の中の彼女は純粋で清純だった。そして恋が叶わなかったので、今でも切ない記憶として残っている。

ドラマ「ラブレイン」ポスター、ユナ&チャン・グンソク(上)、チャン・ジンヨン&イ・ミスク(下)
時間が経って、運命的に再会したキム・ユニ(イ・ミスク)は、中年女性になった今も美しかった。記憶の中の初恋を一目で見分けることができたソ・イナ(チョン・ジニョン)は、再び彼女に落ちた。二人の愛は刹那的な愛ではないというように、美しく描かれているけど、初恋だからといってすべての状況が正当化されるのは、どこか苦々しい気分になる。

なぜ初恋を思い浮かべると切なくなるのか?実際、初恋の思い出はそれほど切なくないかもしれない。いや、そうでない思い出がもっと多い。だが、記憶というのは、時間が経てば経つと美化される場合もある。誰もが初恋の思い出を抱いているとしたら、自分の初恋の相手は誰が見ても美しいと思うような女性だったら、誰よりも自分の思い出が特別視されたら、というロマンがあるかもしれない。

しかし、放送メディアなどによってイメージ化されてしまった初恋の女に対する幻想と、初恋は切ない話でなければならないという数式にあまりにもこだわっているのではないか。初恋の女性は必ずユナのように美しくて、必ずイ・ミスクのようにきれいな中年女性でなければならないのか。

映画「建築学概論」が大ヒットした理由はいくつかあるが、初恋に対する切ない記憶が、実は「クソアマ」という悪口に記憶されているからかもしれない。映画の中でイ・ジェフンの思い出の中のスジは、典型的な初恋のイメージとして残るはずだったが、彼の誤解で、彼女は一人暮らしの部屋に男を連れ込む女で記憶され、初恋=クソアマとなったのだ。

今後ブラウン管とスクリーンを通じて描かれる初恋の女性たちは、その典型的なイメージを打ち破ってほしい。

記者 : コ・ギョンミン、翻訳:キム・ミソン