Vol.1 ― 「太陽を抱く月」ペ・ヌリ“ハン・ガインさんの目を見て悲しくなった”

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MBC水木ドラマ「太陽を抱く月」(脚本:チン・スワン、演出:キム・ドフン)のチャムシル(ペ・ヌリ)は口が軽いため、時に憎らしく、巫女チャン氏(チョン・ミソン)から「口を裂いちゃうぞ」と脅されたりするが、なぜか憎めない素直な役だ。恋心を抱いているヤンミョン(チョン・イル)がウォル(ハン・ガイン)だけを想っているのも分かっていて、どうにかその愛を助けようと思う心優しい役だ。

―ペ・ヌリはチャムシルが好きだと言った。そういえば、ペ・ヌリはチャムシルに似ている。いや、チャムシルがペ・ヌリに似ているのだろう。

ペ・ヌリ:実際の性格もチャムシルみたいに活発なんです。そそっかしい性格で、食べるのが好きで。チャムシルは憎いけど憎めないキャラクターです。そして重要な役を担っている女の子。なので存在感がはっきりしているチャムシルが好きです。視聴者からの書き込みを見ると「チャムシルの口を裂いておかないと」と言う方もいれば、「チャムシルが早く全部明かしてフォンとウォルを会わせて欲しいと言う方もいます。両極端な書き込みを見ても分かるように、チャムシルはまったく予想がつかないキャラクターです。

―ペ・ヌリは「太陽を抱く月」で一番最後にキャスティングされた。チャムシルという役に数人の役者が最終候補に上がったが、プロデューサーのキム・ドフンはペ・ヌリを選んだ。

ペ・ヌリ:監督からチャムシルはいつも霊気があるのではなく、普段はぼけていて、突然霊気が漂うキャラクターだから、目つきが重要だと言われました。最後のオーディションの時、セリフを読み上げながら監督の目をじっと、馬鹿みたいに見つめて演じてたら、それを見てた監督が「憑かれたような演技ができそうだ」と思ったと言ってくれました。

―キム・ドフンプロデューサーの選択は間違ってはいなかった。尚善内官(宮廷の役職の一つで、皇帝や皇太子に仕えて事務を担当する専門職)のヒョンソン役のチョン・ウンピョ、巫女チャン氏役のチョン・ミソンなどベテラン俳優らに負けず、新人であるペ・ヌリも「太陽を抱く月」で自分の役割をしっかりと果たしている。また、最近はけっこう顔が知られているのではないかと思ったが、彼女はそうではないと言い、今も気楽に公共の交通である電車やバスを利用しているという。

ペ・ヌリ:仕事で移動する時は会社の車で連れて行ってもらいますが、学校や個人的なことは電車やバスを利用しています。歩き回るのが大好きで、電車やバスの交通の方が楽です。お店に行く時、韓服を着て行ったら気づかれるかもしれませんが、普段着だとあまりにラフなせいか気づかれません。

―ペ・ヌリは自身を「太陽を抱く月」の出演俳優であり、もう一方で熱心な視聴者でもあると語った。しかし、この視聴者自身は俳優ペ・ヌリの演技を冷静に見ることができないと言う。

ペ・ヌリ:水曜日や木曜日ぐらいなら、私の撮影分が全部終わるので、家で母や父と真剣にチェックします。ところが、自分の演技は恥ずかしくて見られません。どうしても主観的にしか見れないので、周りの反応で聞いていますが、私の演技を見ているといつも物足りない感じがします。

―ペ・ヌリにとっては物足りない演技でも、「太陽を抱く月」がこのように驚くべき人気を得ているのは、ペ・ヌリと他の俳優がうまく交わり、一つの作品を作り上げたためだ。ペ・ヌリが近くで見たキム・スヒョンとチョン・イルについて聞いてみた。

ペ・ヌリ:キム・スヒョンさんはドラマ「ドリームハイ」の時もご一緒したんですが、実際の性格はとても活発でおもしろいです。「ドリームハイ」のサムドンのキャラクターと性格が似ています。でも、今回は王の役だからか、カメラが回ると180度キャラが変わります。チョン・イルさんは元々楽しい性格で、とても礼儀正しい人です。

―ハン・ガイン、ユン・スンアという美人の女優たちと一緒に演技をするのは多少難しかったのではないかと思う。

ペ・ヌリ:私が不躾だからか分からないですが、実際初日から気楽でした。もちろん“ハン・ガイン”“ユン・スンア”という名前のため、最初から気楽に話しかけることは容易ではなかったです。でも、2人が先に私に話しかけてくれて、何歳か聞いてくれました。特にチョン・ミソン先輩の場合、「太陽を抱く月」の序盤から登場したので、画面で見た時は怖いと思いました。しかし、実際に会ってみると本当に優しくしてもらっています。

―ウォル(月)でありヨヌ(煙雨)でもあるハン・ガインは、子役を演じたキム・ユジョンの見事な感情表現のため、自身がキャスティングされた後、演技力に対する論議もあった。しかし、ペ・ヌリの考えは違った。

ペ・ヌリ:皆、先入観を持っていると思います。近くで演技を見ていたら、ぎこちないと思ったことは全くありません。このような議論が起こるとも思っていませんでした。

―ペ・ヌリはその理由として、ハン・ガインの優れた集中力を挙げた。

ペ・ヌリ:チャムシルがウォルを心配して泣くシーンがありました。感情を捉えるため、ガインさんを見たら、ガインさんの目がとても悲しそうでした。まるで本当にウォルになったようにガインさんが集中していて、目を見ると常に悲しくなります。つられて私までうまく集中することができました。

―ペ・ヌリにとってハン・ガインはだいぶ先輩かも知れないが、先輩の演技を評価する後輩ペ・ヌリの目には、ハン・ガインに対する信頼が十分にじみ出ていた。

ペ・ヌリに「太陽を抱く月」のスター ヨ・ジングの印象も聞いてみた。


ペ・ヌリ:第1回目の撮影の時、製作スタッフに会いに現場へ行ったら、そこでジング君に会いました。その時はジング君がそんなにも感性豊かで素晴らしい子役とは知りませんでした。

―ヨ・ジングを思い浮かべる時のペ・ヌリは、最近の「太陽を抱く月」のファンたちとまったく同じだった。視聴者の立場ではヨ・ジングはどうかという質問に、「もちろん、最高でしょう!」と叫びながら微笑んだ。それでも内心、俳優としてヨ・ジングがうらやましいと言う。

ペ・ヌリ:今でも、現場ではジング君の話をたくさんしてます。忘れられないみたいです。とても演技がうまくて存在感が大きいでしょうね。別の見方をすれば、彼のようになりたいと思って、嫉妬も感じます。あの年齢であのような感性を持つってすごいと思います。私は前は何事も経験、経験と言ってましたが、実際にジング君の年齢で経験できることは多くないでしょう。だからジング君の演技は本当に天性の才能だと思います。やはり経験も経験だけれど、私ももっと勉強しなければと思いました。

―まだ荒削りで、ただ演技をするのが楽しいという女優ペ・ヌリのインタビューはVol.2に続く。

記者 : イ・スンロク、翻訳:パク・ジニ