「最高の愛」パク・ホンギュンプロデューサー「ユン・ゲサンがダメオーラの俳優じゃなくなって嬉しい」

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―ユン・ゲサンの起用は成功でした

パク・ホンギュン:キャスティングをした時から、彼は2人の主人公を支える役割であることを認識して参加してくれました。制作者の間では“ダメダメオーラを放つ俳優”と呼ばれるほど、ヒットに恵まれなかった俳優でしたが、前作「ロードナンバーワン」で受けた傷が、思ったより大きかったですね。どんなに頑張っても、見る人の評価は冷酷ですから。

―“ダメダメオーラ”とは

パク・ホンギュン:キャスティングしたら、作品がダメになりそうなタレントのことを指す、放送界の隠語です。一発で売れる俳優がいる一方で、どうしても売れない俳優もいます。ユン・ゲサンが、今回のドラマでその恨みを晴らすことが出来たようで、何よりです。放送が終わってからすぐ、映画「豊山犬」を有料で観覧しました(笑)

―撮影しながら、最も喜びを感じた瞬間は?

パク・ホンギュン:正直、ありませんでした。放送事故に対するプレッシャーのため、仕事を楽しめないのが現状です。この前、クォン・ソクチャン、キム・ジンミンプロデューサーと一緒にお酒を飲みましたが、「何でもいいから、これからは楽しめる作品をやってみて」とアドバイスしてくれました。今回の「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」は、ただ頑張っただけの作品でしたね。

―マネージャーとして出演したチョン・ジュナ、イム・ジギュはどうやってキャスティングしたのでしょうか?

パク・ホンギュン:チョン・ジュナさんの場合、コン・ヒョジンさんと話しているうちに思いつきました。バラエティ作家出身のホン姉妹(脚本家)ととても仲がいいですし、シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)の出演経験があるため、カメラアングルや撮影の順番も良く知っています。そして、チャ・スンウォンさんはマネージャー役でオ・ジョンセという俳優を推薦しましたが、スケジュールとキャラクターが合わず、イム・ジキュが出演することになりました。

―トッコ・ジンのラグジュアリーな邸宅も見どころでしたが

パク・ホンギュン:いわゆる韓流スターなので、「シークレット・ガーデン」のヒョンビンよりは豪華に見せたかったですね(笑) 車のロータスは自動車博物館を運営している同好会の会長から借りました。水槽の管理では、FDがかなり苦労しましたね。蛍光灯のストレスなどで、熱帯行が数十匹も死んでしまって。

―見ているだけで恥ずかしくなる台詞やシーンはありませんでしたか?

パク・ホンギュン:正直、初めてのラブコメディなので、使ったことのない筋肉を使うことになります。その分、若いスタッフとよく話し合い、学ぼうと頑張りました。チャ・スンウォンさんも不安だったのか、ある日編集室まで来て、女性スタッフに「このシーンおかしくないか」とモニタリングしていました。家でク・エジョンにパンツを投げつけるシーンで足の指を使おうとアイデアを出したのもチャ・スンウォンさんでした。

“ティントン”は5年間「ポポポ」に出演した子

―“ティントン”ことヤン・ハニョルくんの話をせざるをえません。どこで、こんな原石をキャスティングしましたか?

パク・ホンギュン:「ポポポ(子ども番組)」に5年間出演していた子でした。一瞬で集中することが出来て、これから大物になる素質が十分あります。叔母ク・エジョンのスニーカーを見て、泣くシーンがありましたが、「監督、ここで悲しい叔母を思えばいいですか?」と聞き、すぐポロポロと涙を流しました。スンウォンさんが小学生の娘の登下校を引率していたら、他の子から「おじさん、なんでひげが소(ソ)の字ですか?」と聞かれたという話を聞き、脚本家がそれを逃さず、台詞に入れました。

―ハニョルくんの最高の演技は、スーパーマンの服装でドーナツを食べるシーンだったと思いますが

パク・ホンギュン:早朝5時に撮影したシーンですが、寝ていたハニョルくんを起こして、まだ目覚めきっていない状態で撮ったシーンでした。眠気に襲われているから、悲しい感情が上手く出たのではないでしょうか(笑) 隣でチャ・スンウォンさんが上手くガイドしてくれました。

―最近、水・木曜日の夜は何をして過ごしていますか?

パク・ホンギュン:知り合いに会ってビールを飲むか、家にいるときはドラマを見ます。「ニューハート」を書いた脚本家が執筆した「シティーハンター in Seoul」が好きで見ています。

―96年に入社したので、経歴15年目のMBCプロデューサーです。本人が思う、自分は?

パク・ホンギュン:才能にあふれているとか、クリエイティブな監督ではありません。世間の評価もそうですし(笑) 運良く早めにドラマの演出ができ、よい脚本家、よい俳優に恵まれここまで来れたと思います。ですが、やればやるほど、ドラマを作ることが難しく、限界に来ているとも思います。

―放送システムや制作費のプレッシャーなどですか?

パク・ホンギュン:週2回の放送システムはダメだと思います。60分から70分に放送時間が長くなり、チームを2つに分けて運用するのも当然視されています。ドラマを解釈する人が2人いれば、当然、対立が起こります。エネルギーを注ぎ、構成な評価をもらうためなら、週1回放送がいいと思います。もちろん、現実的に制作費と広告の問題がありますが、世界で週2回ドラマを編成する国は韓国と中国だけです。それに、中国は事前制作ですし。

―間接広告、PPL(Product Placement、ドラマや映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)が多かったという指摘もあります。

パク・ホンギュン:おそらく、外注制作だったら、より保守的に判断したと思います。しかし、本社で制作しましたし、全部合わせても6億ウォンぐらいです。1回当たりの制作費が少なくても3億ウォンぐらいなので、計算してみるとそんなに大きな額でもありませんでした。最近、テレビ局がミニシリーズのドラマで稼ぐ時代は終わったという話も出ています。このままでは、週末、毎日ドラマ(月~金に放送されるドラマ)しか残らないのではないかという危機すら感じます。対案は良質の単発ドラマです。僕たちがひたすらベスト劇場(単発ドラマのみを放送する編成枠)の復活を主張しているのもそのためです。

■「最高の愛」DVD-SET 1 15,960円(税込) 4月6日発売
第1話~第8話収録/4枚組 本編520分+特典映像約60分予定
初回限定:アウターケース仕様 封入特典初回限定:ブックレット(8P)

■「最高の愛」DVD-SET 2 15,960円(税込) 5月9日発売
第9話~第16話収録/4枚組 本編520分+特典映像約60分予定
初回限定:アウターケース仕様 封入特典初回限定:ブックレット(8P)

■関連サイト
・「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」DVD公式サイト
・「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」特集ページ

記者 : キム・ボムソク、写真 : キム・ジェチャン