「太陽を抱く月」子役たちと別れられない視聴者

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写真=マイデイリー DB
本格的な成人俳優たちの登場でMBC水木ミニシリーズ「太陽を抱く月」(脚本チン・スワン、演出キム・ドフン、制作ファンエンターテイメント)の第2幕が開かれた。しかし視聴者たちはまだ幼いフォン(ヨ・ジング)をはじめ、子役のキム・ユジョン、イ・ミノ、シワン(ZE:A)と別れを告げることができない。

それどころか、成人俳優たちの登場に子役たちとの関連性を探して、子役たちの感情を連想させる成人俳優たちの演技に没頭しようと必死である。

19日の放送中盤から子役たちのバトンを受け、成人俳優であるキム・スヒョン、チョン・イル、キム・ミンソらが新しくストーリーを進めていった。しかし、ハン・ガインは6話のエンディングで台詞が一言もなく、服に隠された顔を見せ、大人になったユヌの存在だけを知らせただけだった。

また、25日夜に放送された「太陽を抱く月」はフォン(キム・スヒョン)、陽明(チョン・イル)と出会ったヨヌの記憶を忘れてしまう巫女ウォル(ハン・ガイン)の姿が描かれ、期待と不安を同時に感じたハン・ガインの演技についてある程度把握することができた。

成人俳優たちの登場を残念だと感じる頃には、彼らから子役たちの感情を共に読み取る楽しさが加わった。

1話から6話まで子役俳優たちの演技が上手く予想以上の存在感を見せ、ドラマの成功の土台をしっかりと作った。彼らは子役俳優と成人俳優の隙間を曖昧にさせるほどの初々しさと真剣さが上手く溶け込んだラブストーリーを繰り広げ、予想以上の人気を得た。

子役たちの好演で爆発的な人気が出たことが、このバトンを受けることになった成人俳優たちに大きなプレッシャーを与えたが、それ以上に心配なのは子役たちの演技に没頭している視聴者たちであった。

写真=MBCキャプチャー
ほとんどの視聴者が「子役たちがいなくなるのは嫌だ」と、死んだヨヌを簡単に手放すことができない王世子イ・フォンのように嘆いた。

しかし成人俳優であるハン・ガイン、キム・スヒョン、チョン・イルなどの登場は納得のいくラブストーリとして戻ってきた。幼い子供たちの微笑ましい愛に涙した感情は、時が過ぎても死んだヨヌへの懐かしさに涙する、純粋なイ・ファンと陽明が変わらない姿で蘇り、いっそう切なくなった。

また5年という歳月が流れたにも関わらず、ずっとフォンと陽明の心の奥底にいるヨヌが、全ての記憶を失くし巫女ウォルとして生きているという劇的な展開は、ドラマの緊張感をさらに高めた。

心配されていたハン・ガインも冷静に巫女ウォルになったヨヌを演じ、華麗な美貌に悲しい眼差しで注目を集めた。残念ながら演技力を疑問視する声も挙がるほど、時代劇特有の話し方に違和感を覚えるところもあるが、かごに乗せられた行列の中を通っていくイ・フォン(キム・スヒョン)を少し離れた場所から見つめながら、なぜか悲しくなり涙を流すハン・ガインの演技は、一瞬にして幼いヨヌとの違和感を取り払い、一人の人物となった。

キム・スヒョンもやはり安定感のある演技とオーラが溢れる王の役を、しっかりした個性で表現し好評を得ている。彼は劇中ヨヌに思い焦がれるとてもか弱い男だったが、チュンゼンに対してはとても冷たい男に変わる。自分を担ごうとする勢力に堂々と立ち向かい、国政を治める真剣な王の姿も見せている。

陽明役のチョン・イルも死んだヨヌを忘れられず、募る思いを簡単に消せない姿が視聴者の心まで切なくさせた。

このように幼い子役たちから成人俳優たちへバトンタッチし、それを見る視聴者の感情の起伏も激しくなった。大人になった彼らの幼いころを隅から隅まで知っているという錯覚に陥り、今後繰り広げられる彼らの再会とラブストーリーに期待し、注目している。

子役たちの好演、助演俳優たちの演技の完成度、演出の力と原作の完璧さなど、「太陽を抱く月」にハマる要素が「太陽を抱く月」の視聴率と比例し、その人気に反映している。

写真=MBCキャプチャー
自分の役を200%演じ、去っていった子役たちとあえて別れなくても良い。最終回まで胸の中に抱かれた子役たちは、今後も視聴者に昔の感情を思い起こさせ、成人俳優たちと共に「太陽を抱く月」を完成させていくだろう。

記者 : ソ・ヒョンジン、翻訳:橋本真由美