ジウ、偶然が運命になった瞬間

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国楽(韓国の民族音楽) 人になることを夢見ていた少女は、偶然をきっかけに女優になった。そして、少女はいつのまにかデビュー8年目の女優に成長した。先日、MBC「宇宙の星が」と、映画「降りしきる降りしきる雪」で、それぞれビョリ、イェジュ役を担って存在感を現わした女優ジウの事だ。偶然をきっかけに演技者になったが、今、演技者として生きていくこの瞬間が一番幸せだと語るジウ。彼女が女優になったのは、もしかしたら偶然ではなく、運命だったのかもしれない。

――「宇宙の星が」で死神ビョリ役を引き受けた。実際に存在するキャラクターじゃないので、想像力をたくさん働かせなければならなかったと思うが?

ジウ:あの世という世界で実際に生きてみたことはないので、演技は負担を感じていた。しかし、死神という殻に閉じ込めるというより、ビョリの感情表現に集中しようと努力した。

――キャラクターのために髪も切ったの?

ジウ:そうだ。「降りしきる雪」の撮影が終わって「宇宙の星が」の監督と一緒にミーティングをしたら、暗い印象が残っているようで心配された。だから、私もまだ演技力が優れた女優ではないので、髪を切ったらビョリを演じる上で一つのアイテムになるような気がして切った。切ったらかなり楽で、頭を洗う時間も短縮でき良かった(笑)

――「宇宙の星が」は“死”についても考えさせられる作品だった。

ジウ:そうだ。まだ私も若いので“死”について深く考えてみる機会はなかったが、作品をしながら“死”というものについて、深く考えてみることができた。いつ、どこで、どのよう別れが訪れるか分からないので、一日一日、最善を尽くして愛して生きていかなければと感じた。

写真=10asia
――相手役の俳優がEXOのスホだと聞いて、最初どう思ったか?

ジウ:アイドル出身の女優として、特別に何かを考えたり感じたことはない。ただ私は、頑張って息をしっかり合わせていかなくちゃと思った。そして撮影に入ってからは、とても気を配ってく下さり、私よりも経験が多くてアドバイスもたくさん頂き、ありがたかった。

――ビョリのように、誰かを熱烈に好きになった経験は?

ジウ:恋愛経験はないけど、片思いの経験はある。そのせいか、自分を犠牲にしてまで、ウジュ(スホ) を盲目的に愛するビョリの姿が美しく見えた。そう熱情的に愛することができるという事は本当に凄いことだと思った。そして今回の作品をしながら、演技のためには恋愛経験も必要だと感じた。

――「降りしきる雪」は、180度変わって、暗い性格のイェジュというキャラクターを演じた。演技的にも挑戦だったと思う。

ジウ:まず「降りしきる雪」のシナリオを読みながら、たくさん泣いた。残酷な状況に置かれて苦しむイェジュの姿が、とても可哀相だった。そして、こんなに暗い役柄は初めてなので恐れもあったが、私とは異なる面が多くて、挑戦してみたいと思った。

――一緒に呼吸を合わせたGOT7のジニョンがインタビューで、ぎっしりとメモされた台本を見てたくさん刺激を受けたと言っていたが、主にどのような内容を書いたの?

ジウ:イェジュというキャラクターは、最初は誰にも心の扉を開けなかったが、ミンシク(ジニョン) に会って、少しずつ心を開いていく人物だ。だから、その感情を上手く表現していないと流れがぎこちなくなると思った。だから、どうすれば自然に表現できるかを考えて、台本に筆記した。ジニョンさんも私に劣らず、台本にびっしりとメモしていた(笑)

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――15歳の若さでデビューした。特別なきっかけになった事は?

ジウ:もともと、国楽を専攻しようとしていた。それで国楽大会に出た際に、賞品の中にあった演技スクールの無料講習券をもらった。そうして演技スクールに通うようになって、遊びながら演技することを学んで、ますます興味が感じられ面白かった。そして初めて、映画「二階の悪党」というオーディションを受けたら、幸いにも合格してデビューをすることができた。

――女優になって良かった、と感じる瞬間はある?

ジウ:演技する時が一番没頭していると思う。その配役にハマって演技する時、私自身からとても大きなエネルギーが出てきて最も大きな幸せを感じる。私が好きな仕事ができて、本当に感謝している。

――長い間、演技生活をしてきたが、スランプを経験したことは?

ジウ:数年前、大学入試を準備しながら、1年間活動を休んだことがある。その1年がちょっと空しくもあり怖くもあった。「私大学に行けるかな? また演技できるかな?」と悩むことが多かった。そして、大学の随時募集(AO入試のようなもの) でもあちこち落ちて、入試を準備しながら色々と大変だったが、今考えてみるとそれも成長できる1つの経験だったと思う。

――今後どんな女優になりたい?

ジウ:女優としても人としても、見るだけでも会うだけでも、幸せなエネルギーを与えられる人になりたい。

記者 : イ・ウンジン、翻訳:前田康代、写真:イ・スンヒョン