Vol.2 ― 放送終了「ラブリー・アラン」キム・ヒソン、シンドロームは終わったが役者になった

OSEN |

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
ドラマ「ラブリー・アラン」はトップスターキム・ヒソンにとって格別な意味がある。彼女が役者の道を黙々と歩んでいることを人々に知らせるきっかけになった。校内暴力の問題を全面に出したこのドラマで、キム・ヒソンは病んだ社会で泣き叫ぶ母だった。これ以上彼女の動き一つに韓国社会が注目するようなシンドロームは存在しない。しかし、女優としての香りはさらに深くなっているのは喜ばしい。

7日に放送が終了したMBC水木ドラマ「ラブリー・アラン」は、キム・ヒソンの不義を許さない強気なおばさんへの変身が印象的なドラマだった。彼女が演じたチョ・ガンジャは校内暴力を心配し、戦々恐々とする韓国の母たちの悩みを代弁した。

1990年に全盛期を過ごしたキム・ヒソン。彼女の一挙手一投足が話題になり、彼女の頭からつま先までのファッションが流行になる時代のキム・ヒソンは、まだ熟していない役者だった。物足りない演技が批評の対象になったが、彼女が出演したドラマは大きな人気を得たため、まさに”キム・ヒソンの時代”だった。

30代になって結婚した後も、未婚のシンデレラ役を演じた。変わらない美貌を持つだけに、いつも可愛い役ばかりを演じているような誤解を招いた。少しずつ劇中の人物の性格に変化を与えたが、人々はキム・ヒソンの美貌に視線を集中させた。そんな彼らがキム・ヒソンの演技を再評価し始めたのが、昨年放送された「本当に良い時代」からだった。

強い方言演技や地味な服装のキム・ヒソンが変化したように見えた。ごつい口調で真心を伝える演技でキム・ヒソンは変わった。「演技が上手」という褒め言葉が聞こえ始め、作品を選択する幅も広くなった。初の母親演技である今回の「ラブリー・アラン」に出演できたのは「本当に良い時代」があったためだ。足蹴りをして沸き立つ母性愛に涙を流して拳を打ち込む母チョ・ガンジャがキム・ヒソンという服を着た時、全く違和感がなかった。

もちろん、キム・ヒソンは相変わらず綺麗だった。しかし、彼女は娘のために身を投じて、ひいては高校生になりすます切々たる母そのものだった。キム・ヒソンは大事な娘のためには何でもできる母の気持ちを演じ、共感を呼んだ。キム・ヒソンが演じる母にハマってしまうとは思ってもみなかった。キム・ヒソンはこのドラマに出演する前に意味深なことを言った。以前は涙の演技をする時に人形のように涙だけ流したが、最近は鼻水まで流すというのだ。その分、作品にへの集中度が上がり、役柄に感情移入しているという意味だろう。

時が経ち、女優キム・ヒソンは成長した。驚くほど美しい容姿は保ったまま、成熟した演技を披露している。だから、「ラブリー・アラン」のチョ・ガンジャのハキハキした行動に視聴者たちも痛快な満足感を覚えた。チョ・ガンジャが切ない思いをする時、一緒にハラハラしながら泣いた。視聴者に綺麗なキム・ヒソンではなく、母キム・ヒソンの姿を見せられるようになった、吸引力の高い演技を見せたのだ。

「ラブリー・アラン」は多少重いテーマを取り扱い、視聴率自体は高くなかった。ドラマが伝える社会的なアプローチや優れた完成度、俳優たちの優れた演技が毎回話題になった。特にキム・ヒソンの演技に対する好評が続き、我々が知らなかった女優キム・ヒソンの演技力を感じさせる瞬間が何度もあった。爆発的な人気を得る時代は過ぎたが、演技をするキム・ヒソンの姿を楽しく見ることができる時代が新たにやってきた。

「ラブリー・アラン」最終回では、カンジャがホン・サンボク(パク・ヨンギュ)一味に法の裁きを下したが、正義の実現にはならなかった。いずれも低い量刑が与えられ、シンボクは大統領特赦で釈放された。その代わり、権力の手先だったサンボクが誰かに殺され、勧善懲悪は実現した。

「ラブリー・アラン」の後番組である「幸せのレシピ」は火病にかかったアリと愛情不足のキリギリスの愛という発想から始まるラブコメドラマだ。5月13日午後10時から韓国で第1話が放送される。

記者 : ピョ・ジェミン