「ネコのお葬式」カンイン“映画公開、SUPER JUNIORのデビュー当時ぐらいドキドキする”

OSEN |

アーティストであるSUPER JUNIOR カンインでない、俳優のカンインは、より落ち着いており、謙虚な姿だった。知人たちは応援と賞賛の言葉を送っているが、自分ではぎこちなく恥ずかしいと照れ笑いした。映画「ネコのお葬式」でスクリーンにカムバックした俳優カンインの話を聞いた。

カンインは、最近ソウル漢南洞(ハンナムドン)のあるカフェでOSENとの取材に応じた。「ネコのお葬式」は甘酸っぱいロマンス映画。別れた恋人の再会の物語を非常に淡白に描いた。カンインは、女優のパク・セヨンと共演したが、男性らしいカリスマ性よりは感情演技に重点をおいたドンフンという役を演じた彼の姿は、映画と共に一層繊細になっていた。映画の公開を控えた彼は「実感が沸かない」と感想を語った。

「まだよくわかりません。実感が沸かないですし、公開するだけでも本当に嬉しいです。SUPER JUNIORのデビュー当時ほどドキドキすると話したことがありますが、そのような感じです。僕にSUPER JUNIORは世の中の何とも比べられないものです。なのに、それほどドキドキするというのは……どうしても今度は一人でやっているので、ドキドキ感もさらに大きくなるみたいです」

7日には、「ネコのお葬式」試写会があった。SUPER JUNIORメンバーたちを始め、多くの芸能界のスターたちが出席した。その中で映画を観ていたカンインは、「冷や汗をかいた」と恥ずかしがった。本人の心配よりは、周りの反応の方が良かった。

「面と向かっては、悪いことはあまり言わないんです(笑) 良い話を主にしてくれます。『よくやった』『下手だった』という評価よりは、『可愛い映画だね』と。実は、本当に招待したかったのが、映画『純情漫画』の監督と助監督でした。撮影の時、本当に色々とアドバイスを頂いたんです。監督には、『言われることをよく聞いて、撮影監督をたくさん手伝ってあげな。演技は、ゆっくり学ぶものだ』と気楽なアドバイスを頂きましたが、映画をご覧になって、『本当に可愛い』と言われました」

褒められるのが少しは照れるようだったが、良い反応に感謝している様子だった。カンインが特に今回の映画に感慨深さを感じる理由は、彼がこの映画をそれだけ求めていたからだという説明だ。シナリオを先に見たカンインは、監督に直接ラブコールを送ったそうだ。

「シナリオを先に見て、積極的にやってみたいとお話しました。『本当にやってみたいのですが、もしかしてできるでしょうか。難しいでしょうね。本当によいシナリオなので、他の俳優たちがほしがるでしょうね』と話しましたが、本当にありがたいことに、僕に機会が与えられました」

別れと再会。あるいは少しはありふれた、単純な素材だが、「ネコのお葬式」はこのシーンを穏やかで美しく表現する点で注目できる。特にカンインが演じたドンフン役は、内面的な感情線が重要なので、それを表現するのが簡単ではなかったことと予想された。

「僕はここでドンフンとしてお見せしたかったのは、首尾一貫『ハマり』でした。専門の役者ではないので、感情のコントロールも演技であって、難しかったです。そこでひとつ考えたのが、『ハマろう』『僕がこの人になろう』でした。僕も恋の経験がありますし別れてもみたので色々と考えがあったのですが、監督が求めるものは明確でした。あまり感情を大きく見せず、かえってちっぽけで、優しく、穏やかでなくてはならず、控え目に見える必要もあって。満足ですか?僕が満足するわけが……本当に難しかったです。もっとうまくやらなければならなかったのですが。でも、後悔はしないつもりです」

パク・セヨンとの共演については、試写会で話したように「休憩時間にひとつの布団を覆って寝るほど」だった。もちろんスタッフたちも一緒だったが。カンインはパク・セヨンについて「兄妹になった」と愛情を示した。またそれだけでなく、現場のスタッフたちとも撮影中ずっと和やかな雰囲気で心を分かち合う仲になったという。

「背景が秋なのですが、冬に撮ったので初雪に降られました。現場で雪が降ると、『これは皆監督のせいだ。監督がミスキャストなんだ!』と俳優たちが叫びました(笑) すると監督は『照明監督のせいだ』、照明監督は『カメラ監督だよ』という具合で(笑) 大変なシーンでも面白おかしくやり過ごせました。誰か一人でも愚痴をいいそうなのに、そんなときは皆で励まし合ってファイトしながら、そしてお互いに頼り合いました。スタッフの皆さんのお名前は全部覚えました。映画を見てからクレジットが上がる時、一人ひとりの名前が目に入りました。打ち上げの時、一人ひとりに挨拶しました。出席できなかった方たちには電話もしました。皆本当にありがたい方たちです」

「セヨンとは兄妹同然になりました。どれほどかといえば、監督にだんだん似ていくと言われました。他人の目には、あまり親しくなると男女関係として誤解されがちですが、うちの撮影現場の人たちには兄妹みたいだと言われました。本当に嬉しいことです。男女として誤解されたらぎこちなくなることもあるので。僕は一人っ子なので、本当にセヨンが妹みたいです。僕は異性にはそれほど巧みに接することができない方ですが、年下の子たちの世話は好きです」

カンインは今回の映画のOST(挿入歌)も歌い、関心を集めている。映画に相応しい優しいメロディーと感情豊かな歌。作曲はピアニストのイルマが担当した。映画も映画だが、俳優である前にアーティストであるカンインがOSTを録音したことが知られ、彼の歌唱力への好評も多かった。カンインは「機械がうまくタッチしてくれた」といたずらっぽく答えたが、すぐ「イルマさんが良い曲を書いてくれた」と感謝の意を示した。

「イルマさんが、本当に良い曲をくれました。イルマさんとは結構やり取りをする方なんですが、少しずつ話し合いながら作ってくれました。録音は本当に心血を注いでやりました。録音室を数ヶ所使いましたが、事務所でまた別に録音して、作業に入らなければならないのにもう一度録音して。役がインディーズミュージシャンなので、ボーカルを少し変えるべきかな、とも思いました。難しかったです。でも、仕上がってから聞いてみると、想定していた通りに良くできたようです」

カンインは、まだ俳優よりはアーティストとして話す時に落ち着く。演技生活においては、まだ学ぶ部分が多いと思うからか、特に自分の演技についての話になると謙虚になった。ロールモデルがいるかという質問に対しても、「素晴らしい役者の方が本当に多すぎるので、到底一人を選ぶことはできない」と恐縮した。彼は、これからも度々演技を続ける予定だ。

「演技への欲があるというよりは、機会があれば全部やりたいです。たくさん経験したいのです。やるほどぐっと伸びるのではないかと思うので。ハハハ」

記者 : キム・サラ、写真 : パク・チュニョン