チョン・ジュニョン、飾り気のない純度100%の男

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チョン・ジュニョンは思ったよりもっと素直で、大胆で、物事をはっきり言う人だった。顔に微笑みを浮かべて「何を話せばいいだろう」と言いながら斜めに座る瞬間から、彼がどんな人なのかが垣間見えた。飾り気は全くない、自分の顔の上に様々な姿を被せる芸能界ではなかなか見られない、純度100%の男だった。そのおかげで話は極めてリアルで、テキストに表せる部分が限られるしかなかったことを先に言っておく。だが、ここに綴った話だけでも歌手、MC、バラエティ、そして映画「今日の恋愛」で俳優にまで領域を広げた彼の多様な魅力は十分伝わると確信する。彼は常に本当の顔だけ見せてくれるからだ。

―10月10日は正式に歌手デビューしてから1年目になる日だ。チョン・ジュニョンの1年はどうだったのか?

チョン・ジュニョン:楽しかった。本来その日はKBS 2TV「ハッピーサンデー-1泊2日」(「1泊2日」)を撮影する日だったが、会食することになった。「第17回アジア競技大会」のせいで放送が1週間延期になり、「わ~嬉しい。会食しよう!」となった。KBSを愛している。ウハハ。

―昨日、「1泊2日」の「親友特集2」が放送されたが見たのか?

チョン・ジュニョン:途中まで見た。面白い部分が多かったのもあるが、(チョ)インソン兄さんが出演したから編集分量を少し増やしたみたい(笑)

―7月からMBCラジオ「チョン・ジュニョンの退屈打破」(以下「退屈打破」)のDJも務めている。午前0時から2時まで毎日放送するということは決して簡単ではないと思うが。

チョン・ジュニョン:たまに月曜日の放送を録音することもあるが、木曜日まではほとんど生放送だ。ラジオが終わったらすぐに寝る。その時間は友達もみんな遊んだ後、家に帰る時間だから何もできない。でも、必ず12時や1時頃に友達から連絡が来る。「何してる?」と聞かれて「もう聞かないで、うんざりだから」と答える。ハハ。それでも、休む時は休む。「1泊2日」の撮影がある週にすべてのスケジュールをまとめて消化するから、一週おきに忙しい。

―友達と会う時間があまりないと思う。

チョン・ジュニョン:ラジオが終わる時間に寝ていない友達がいたら、一緒にご飯でも食べようと話かける。もしくは、お昼にちょっとだけ会う。(いたずらっぽい口調で)でも、あえて会わなくても大丈夫だ。最近新しいゲームを始めたからだ。クハハ。

―やっぱり!

チョン・ジュニョン:「Blade&Soul」というゲームだ。知り合いから莫大な量のアイテムをくれると誘われて始めたが、まだもらっていない。えいっ!勝負欲があるほうなので、最高レベルまで達成しなければならない。最高レベルは全てのゲームの基本だから!ハハハ。(最高レベルに達するまで)あと10レベルぐらい。

―ハハハ。ところで、曲の作業は上手くいっている?

チョン・ジュニョン:ずっと準備している。作曲は親しい兄さんの弘大(ホンデ)の作業室でやっている。以前バンドをやっていた兄さんだが、今はただの失業者だ。ハハ。無職の兄さんと一緒に“失業者ごっこ”をしている。作詞の場合は、メッセージは自分で考えているが、それを歌詞に書くのはまだ上手くできないので任せるつもりだ。そして、ユンナと一緒に歌った「Just The Way You Are」のようにコラボレーションアルバムの話は常にあるが、フルアルバムを出すことが先だから、その後に再び発表すると話している。コラボレーション曲の場合は僕が書かないつもりだ。会社もお金を稼がなければならないからだ(笑)

―周りで音楽的な資料もたくさん共有してくれると思う。

チョン・ジュニョン:いや、一人で探す。YouTubeは本当に最高だ。見ている動画と関連した動画がすべて出てくる。ライブステージを見るためにネットに繋いで、他のものがあったらそれも見る。そんな風に色んな動画を見る。または、以前から知っているバンドから(資料を)得ることもある。最近はSlipknotのアルバムが出て、それを聞いている。(小さな声で大声を出すように)「ウオオオオオ!」ハハ。エモコアジャンルの音楽が好きでたくさん聞く。

―手に描かれている可愛い絵(太陽、傘、月などが小さく描かれている)は何?

チョン・ジュニョン:昨日、映画の撮影の時に描いたものだが、面倒臭くてまだ消していない。

―イ・スンギやムン・チェウォンと一緒に「今日の恋愛」を撮影しているが、映画の撮影はどうなのか?

チョン・ジュニョン:(やんちゃっぽい笑顔を見せて)半端じゃなく面白い。(遠くに座っているマネージャーを見ながら) 僕の演技力について話してくれ。ハハ。撮影現場での待遇はほぼウォンビンレベルだ。(マネージャー:ウハハハハ) 僕は上手い、上手いと褒めてくれると本当に上手くやるタイプなので、みんながそうしてくれていると思う。現在、僕のアイデンティティが揺らいでいるぐらいだ。ウヘヘ。(ムン)チェウォン姉さんと主に演技をするが、姉さんはとても優しい。そして、僕たち2人とも(あごを45度にあげた後、手をアゴの下に当てて茶目っ気のある口調で)ある程度のレベルがあるから呼吸がよく合うしかない。ハハハ。

―tvN「SNL KOREA」に出演したのを見たが、図々しい表情で上手く演じると思った。

チョン・ジュニョン:そのおかげで映画にキャスティングされた。「SNL KOREA」が放送された次の日かな、連絡が来て絶対に一緒にやろうと言われた。パク・ジンピョ監督が「一緒に映画をやろう」と求愛してきた。

―本当に?

チョン・ジュニョン:そうだ。(正確に発音しながら)求愛(笑) もし僕が出演してこの映画が上手くいかなかったらどうしようというプレッシャーがあって出演しないと思ったが、監督の情熱に惚れてオッケーした(笑いながら) 今は監督がとても後悔している。ハハ。僕が演じるキャラクターはフォトグラファー“ヒョボン(英語の名前はアンドリュー)”という人物だが、この人物を演じたいと思った人が60人ぐらいもいるほど本当に多かったと聞いた。公開された時、完成された映画を見たら、僕は後ろ姿だけ出るかもしれない。後ろ姿だけ編集してアフレコで声だけ流れるかも……。10月末に撮影がすべて終わるから、どうなるかまだ分からない。

―SBS「ファッション王コリア」に出演中だ。同じチームのハン・サンヒョクデザイナーとの特別なケミストリー(共演者同士の相性)が目立つ。

チョン・ジュニョン:(ハン・サンヒョクデザイナーと)親しい。僕は週に1回、1時間ほどENGだけ撮ればいいので特別にやることはない。アイデアは提供するが服はデザイナーが作るから、デザイナーがすごく大変だ。他のチームは遊びに行ったり、ウェイクボードしに行ったりもするが、僕は映画の撮影もあって長い間一緒にいられない。それで、とりあえずスパでも行こうとなる(笑) それはまだ放送されていないが、その回で僕が落ちる。ハハ。ちなみに、この番組を見る視聴者は3つに分けられると思う。一つ目は芸能部の記者さん、二つ目はファン、三つ目は家族だ。ハハ(笑)

―Mnet「M COUNTDOWN」で一緒に進行を務めているアン・ジェヒョンとはどうなのか?

チョン・ジュニョン:ジェヒョン兄さんとも呼吸がよく合う。最近ジェヒョン兄さんと「あ、もうできるだけやった」と話している(笑) 今じゃないとできないと思ってやった番組だが……。正直、進行のコメントが僕とあまり似合わないと思う。少し飾り気があるような気もするし。それでも、いい経験であることは間違いない。進行を務めながら受けるストレスはすべてラジオで発散する。

―たまに「退屈打破」を聞いているが、ラジオはチョン・ジュニョンとよく合う媒体だという気がした。

チョン・ジュニョン:ラジオは好きだ。スケジュールを合わせるのが少し大変であること以外は面白い。一人で進行するよりもゲストの出演が好きなのは、時間が早く過ぎるからだ(笑) ゲストは誰が出ても呼吸が上手く合う。

―人々とすぐに仲良くなるタイプに見える。

チョン・ジュニョン:親近感があるほうだ。でも、空気を読むのが上手で、僕と合うか合わないかをすぐに把握して人見知りする。何となく、ぴんと来る。例えば、インタビューを行うとなった時、たまに冷たい(記者の)女性がいる。「それで、どうなりましたか?」と言いながら僕の顔も見ないと、ただ「今回のアルバムはですね……」と同じことだけ話すようになる。それは僕も人だから仕方がない。もちろん楽しくインタビューした場合は誹謗する話が多くて記事にできない(笑) 結局は終わってから記者に「他のメディアと同じように書けばいいですか?」と言われる。ハハ。

―思っていたよりもっと素直だ。

チョン・ジュニョン:素直だ。だからといって、やりたいことだけやりながら生きてはいない。ただ、僕が何かをした時、憂鬱になるとすれば、多分それをやらないようになると思う。この仕事をしながら幸せを感じない瞬間が来たら、すべてを辞めるつもりだ。他の人が僕をどう見るのかは気にしない。

―「独特だ」「4次元だ」と言われることに対してもあまり気にしないと思う。

チョン・ジュニョン:そう考えるかもしれないが、僕は4次元(個性が強く、ユニークな考え方を持つ人)ではない。だから、そんな話にあまり関心を持たない。でも、たまに僕が他の人と違うと思って度を越える人がいるが、それは腹が立つ。

―度を越えるというのは?

チョン・ジュニョン:とりあえずこれだけはっきり言っておくと、僕はファンの皆さんに心から感謝している。でも、そうじゃない人も少しいる。例えば以前、僕の子犬を動物病院カフェに預けたが、そこをどうやって知って訪れたのか、僕の子犬に触ってキスをしながら写真を撮った人がいた。本当にとても不愉快だった。そして、ロイ(キム)と一緒に暮らしていた時、エレベーターに乗ってドアが閉まる瞬間、家の前で僕を待っていた人が突然カメラを僕に向けた。腹が立ったが、一方ではかわいそうという気持ちもあった。あの人はどうしてここでこうしているのだろうと思ったからだ。そんなことまで僕が何も思っていない訳ではない。

―そんなこともあったんだ。

チョン・ジュニョン:そして、これは少し違う話だが、以前はファンの反応を全部モニタリングしていたが、今は見ない。

―きっかけがあったのか?

チョン・ジュニョン:最初はファンも大衆も、僕の率直な姿がいいと言ってくれた。それで、僕は率直な人間だから僕がやりたいようにやって、考えていることをすべて話した。でも、ある瞬間僕が幸せじゃない姿を少しでも見せたら、「あの人は見る目もあるのにどうして自分が幸せじゃないことを見せるのか」と言う。僕は率直な人間だから素直に話しただけなのに、相手はいくらそうでも見る人がいるから幸せなふりをしてはいけないのかと言う。それじゃ、これから僕は演技をした方がいいの?飾ればいいの?それは僕ではない。だからといって、僕がファンにああだこうだと言うことはできない。ファンのおかげで今の僕がいるから、そんなことはできない。それで、今はラジオに送られてくる話だけを見る。

―それで今、幸せなのか?

チョン・ジュニョン:いや、でも、曲の作業をする時は幸せになる。

―話を聞いているうちに、思ったよりもっと繊細な男だと思った。自分で運営しているブログでの姿と番組での姿が上手くマッチできないと思ったが、今見たらよく合うような気もする。

チョン・ジュニョン:(ブログは)遊びでやっている。最近は料理を作っていないから(ブログも)あまり書かない。料理する時は本を見てやる。インターネットには証明されていないレシピが多いから限界がある。でも、本の料理は証明されているじゃない。今まで料理本を約8万ウォン(約8261円)ぐらい買ったかな?(笑)

―そんな話を聞いたら少し特別に思える。

チョン・ジュニョン:僕はとても賢い!クハハ。

―それでは、今回取った運転免許も1回で合格したの?

チョン・ジュニョン:筆記試験も実技試験も2回ずつ落ちた。走行試験だけは1回で受かった。それも7点差で合格した。試験監督にごまをすろうかなと思ったが、最近はセンサーで計算されると言われた。ハハ。

―ハハ。今年1歳上のお兄さんが結婚して子供も生んだ。一人の女性に定着したいと思ったことがあるのか?

チョン・ジュニョン:今日が甥っ子が生まれて100日になる日で、お兄さんの家に行ってきた。僕の兄は早く結婚した方だ。(子供を)“形成”させたから、結婚するしかなかった(笑) 結婚は僕も“形成”させたらするかな? ハハ。早く結婚したいとは思うが、それでも34歳頃にしようと思っている。もしくは、32歳?その前に“形成”させたら結婚しなければならないだろうが、人のことは分からないからね。そういえば、今日お兄さんの赤ちゃんを抱っこしていない。

―人生で最も重要だと思うのは?

チョン・ジュニョン:お金、名誉、愛。

―その3つの中で現在得たものは?

チョン・ジュニョン:ない。

―愛は?

チョン・ジュニョン:愛は結婚した時に愛といえると思う。

―それでは、最高の愛は結婚なのか?

チョン・ジュニョン:いや、“形成”された時。あ、こう書いてほしい。「愛は何だと思いますか?愛はいつからが始まりだと思いますか?」と質問したら、僕が「愛は“形成”された時が始まりです」と答えたと。ハハ。

―本当に変わり者だ(笑)

チョン・ジュニョン:どうして~このぐらいはいいじゃない?そして、その下に「“形成”って何ですか?」と聞いて、僕が「知っているくせに」と答えて終わり。へへ。

記者 : イ・ジョンファ、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン