EXOの「Growl」を作詞したソ・ジウム“これはヒットするだろうなと思った”

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(C)ソ・ジウム
少女時代 テティソの「Twinkle」、f(x)の「Electric Shock」、EXOの「Growl」「月光(Moonlight)」、東方神起の「Off-Road」、SHINee テミンの「怪盗(Danger)」。

昨年、韓国を熱くした「Growl」に息を吹き込んだ張本人であり、曲の韓国語タイトルである「電気衝撃」に合わせて4行詩(4文字の単語の各文字から始まる4行の詩)を歌詞に盛り込んだこの人。デビューから約3年になる作詞家ソ・ジウムだ。スタートラインを飛び出し、勢い良く走りだしたばかりのスーパールーキーとして、コンセプトに基づいた歌詞で注目を浴びているソ・ジウムに話を聞いてみた。

「ガイドラインを提示する曲もある…努力、また努力」

運命的な導きだったのだろうか。作詞家ソ・ジウムも音楽や文を書くことが好きで、歌詞を書くことになった。しかし、多くの人がぶつかる現実を避けることはできなかった。読書や執筆が好きで「作詞をしよう」と心がけたが、想像とは違い、時間が必要だった。

ソ・ジウムは「正確な期間は分からないけれど、ずっと歌詞を書く練習をしていた」とし「私が勉強していた時も、作詞を教える学校が少数ながら合った。実際、目立つことで作詞家になることは現実的に難しい。実力も重要で、人脈も必要だ」と説明した。

ソ・ジウムはミュージックパブリッシング会社であるJAM FACTORYに所属する作詞家だ。この会社に入ってから本格的な作詞家の道を歩むことになった。彼女は現在、作詞学校のL-Diaryで未来の作詞家たちを教えている。

ソ・ジウムは「講義をする時『歌がすでに話していると思いなさい』とよく言う」とし、「作詞家とは、メロディが語ることをつかみ出す人」と定義した。勘も必要だが「練習だけが生きる道」と強調する彼女は「学生たちに教える時、書いてきた歌詞を冷静に評価する」と説明した。

「普通、歌詞の題材などにこれといった制限を設けずに(依頼が)入ってくる。しかし、コンセプトがはっきりしている曲はガイドラインがある。『Electric Shock』のような曲は変わったケースだったけれど、歌詞に4行詩を入れて欲しいとの要請を受けた。すごく悩んだし、修正もした。実はガイドラインがあればあるほど難しい。制約になるからだ。そのため、それだけはっきりした形式がある場合は、他のことは考えず、要求事項の通りで考えようと最大限努力する方だ。そのため、衝突することはほとんどない」

パフォーマンス・イメージまで考える…「ダンス曲の方がもっと面白い」

(C)SMエンターテインメント
始まりは叙情的なOST(ユ・スンチャンの「蜃気楼」)だったが、ソ・ジウムは主にダンス曲で、それもSMエンターテインメント所属の歌手の曲を通じて知名度を高めた。「たくさんの歌手と仕事をしたわけではないけれど、それぞれの魅力があって良かった」と語った彼女は、「レコーディングする前にガイドを聴き、歌詞を書きながら結果を想像する」とし、「レコーディングの過程を経てできた曲を聴くと、想像した通り、もしくはそれ以上に良いものになっている」と喜んだ。

「『Growl』には少年のようなEXOのイメージに、強く男らしい姿、少しのセクシーさと可愛らしさなど、全てを入れてみたいと思った。EXOが本当に上手く表現してくれた。曲がヒットするには、歌詞やコンセプト、ダンスまで、複数の要因が絡んでくるが、とにかく『Growl』はメロディから良かった。ダンスを見て『これはヒットするだろうな』と思った。普通、ダンス曲の作詞は難しいと言われるけれど、私はバラードよりダンス曲の作詞を書くほうが面白い。歌の言葉がもう少しよく聞こえてくる気がする」

初期の頃は6時間も動くこともなく歌詞だけに集中していたというソ・ジウム。トイレにも行かずに座っていたが、たった1文字も書けなかったという。彼女は「今は歌詞が書けない時はとりあえず他のことをする。散歩など気分転換をしようと努力する」とし、「“インスピレーション”様がいついらっしゃるか分からないので、ストレスを受けながら無理してやろうとはしない。その代わり、一度にまとめてやるのではなく、何度も挑戦してみる」と説明した。ソ・ジウムは歌詞を書く過程でできるだけハングルの歌詞を見つけ出そうと努力すると話した。

「歌が愛される限り、作詞も続く」

(C)ソ・ジウム
ソ・ジウムは歌詞を書く時、映像を頭に思い浮かべる。まるでミュージックビデオを見ているかのような歌詞が好きだという自身の好みを反映し、何かをたくさん思い浮かばせる歌詞を書こうと心がけている。アイドルの曲の歌詞をたくさん書いてきたが、実際はジャンルを問わず様々な音楽を聴くという。

音楽配信ランキングの上位にランクインした曲から、ヒップホップ、ジャズまで、幅広く聴く彼女は「最近はアイドルも本当に作詞が上手い」としながら「SHINeeのジョンヒョン、Block Bのジコの歌詞が好きだ。WINNERの『I'm Him』も新鮮だった」としながら親指を立てた。

ソ・ジウムは今、文芸創作を勉強している。純文学にも興味があり、いつかはこの分野にも挑戦してみたいという。「純文学は歌詞よりはるかに自由だと思う」としながら「歌詞はメロディや音楽の中で自分ができることを表現するが、純文学はしたいことを自由にできる」と説明した。今は歌詞の魅力にどっぷりはまっている彼女は「デビューしてから3年しか経っていないので、26曲ほどしか書いていない。まだまだだ」と謙遜した。

「歌が消費され続ける限り、作詞家という職業も安泰だと思う。音源の流通構造や著作者の権利に関する話もたくさん出ているが、その部分さえ改善されれば良いのではないかと思う。昔、歌詞を書きたいからといって、一人でノートに書いていた歌詞があるけれど、今それを見ると本当に面白いし可愛い。何かを成し遂げたというよりは、まだその過程だろう。これからも今のように楽しんでやれたら良いと思う」

記者 : イ・オンヒョク