「女神様が見ている」シン・ソンミン“SUPER JUNIOR リョウクをはじめ、弟たちから学ぶものが多かった”

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写真=IS ENTERTAINMENT、ヨンウ舞台
ミュージカル俳優シン・ソンミンにとって、ミュージカル「女神様が見ている」はヒーリングそのものだ。変化して共感すると、やがて心が温まる。これによって慰められ、より自由になることもある。そのためシン・ソンミンは、このような気持ちをそのまま観客たちに伝えたいと思っている。

ミュージカル「女神様が見ている」は、朝鮮戦争という重いテーマを愉快で奇抜な想像力を加えて表現し、戦争の残酷さを一編の童話のようなストーリーで綴った作品で、誰もいない無人島に漂流した南と北の軍人たちが、100日間一緒に生活しながら人間味ある友情を培うという感動的な物語だ。

戦争の後遺症に苦しめられ毎日のように恐ろしい悪夢を見て、ヨンボムを通じ女神様を信じるようになるリュ・スンホ役のシン・ソンミンは最近、マイデイリーとのインタビューで「やはり期待した通り面白くて、もっと成長しなければならないという気がする。もっとしっかりと固めなければならない。初演の時に、公演しながらとても癒されただけに、観客たちにもそのような満足感を与えたい」と口を開いた。


「二度目のスンホ、さらに自由になった」

シン・ソンミンは「女神様が見ている」の初演に続き、再演のステージに立った。再演まで公演が続き、愛される作品であるために、シン・ソンミンにはさらに成長したい気持ちが大きい。さらに人気を得られるだろうという確信があるため、疑いはない。舞台に上がっているということ自体で信頼関係があり、自身を信じてくれる観客たちに感謝している。

シン・ソンミンは、「また作品に出演しよう提案したが、不安な部分は確かにある。うまくできるか、あの時ぐらいの感じを出せるだろうかという思いだ。実は当時は至らない点が多く、スンホが持っている部分で負担になることもあったが、俳優としてスンホがすごく面白かった。それでいい思い出として残っており、癒される過程をまた描きたかった」と告白した。

「初演のときは、スンホを作り上げることで本当に精一杯だった。こなすことに精一杯で、場面の目的、スンホがどのように変化していくのかに対して手に余る部分が確かにあった。しかし今回は取り組みながら、もっと自由になったみたいだ。スンホの心をもう少し理解できるようになり、その中で集中して入りこむことができる感じが面白い。また演じてよかったようだ」

男性俳優たちが大勢出演する作品であり、ほかの役の俳優たちはもちろん、一緒にスンホ役を演じた俳優たちとの交流も多かった。特にスンホ役を演じたSUPER JUNIORのリョウク、イ・ジェギュン、チョン・ソンウは、異なるスンホに会わせてくれた。スンホ役の中で一番年上のシン・ソンミンは、「ある瞬間、30という年齢がまったくピンと来ず、ただの数字のようで、気楽ではあるが若い年のスンホが羨ましくはある」と切り出した。

彼は「同じ役どころをする人々からたくさん学ぶが、それが弟たちだからもっと面白かった。学ぶ点が多くて、羨ましいこともあった。また、保護本能を引き起こす純粋さも学んだ。僕ができないことが明らかにあり、ほかのスンホたちの表現を見ながらとても感じた。リョウクはSUPER JUNIORとして成功する理由があった。何事にも熱心で心優しい。ジェギュンとソンウとはとても仲が良かったが、とりわけジェギュンが表現するスンホは本当に魅力的だった。僕が25歳でスンホを演じたら、あんな風にできただろうかと思うほど驚いた」と打ち明けた。


「シーン自体の目的により気を配っている」

それでは、シン・ソンミンならではのスンホはどうだろうか。スンホのドラマは、彼が変わる過程と彼によって周りの人たちが変わる過程が温かく感じられたと語るシン・ソンミンは、無人島という空間の中で南と北に分かれた人たちの物語がまさに自分たちの物語だと思ったということだ。

シン・ソンミンは、「大げさな話みたいだが、この世の中で生きてみてスンホのような仲裁者がいるとしたら、喧嘩やそんなものがたくさんなくなるのではと思う。スンホはいい人だ。僕も世の中で生きていて、そのようなメッセージを与えることができる人になれたら嬉しい。『女神様が見ている』は本当によい言葉、この社会に助けになることを語っている」と述べた。

「実際すべての役が難しいが、スンホとこの公演は体力的に大変だ。発散することよりも内的に消耗するほうが難しく、身をすくめて震えるほうがもっと大変だ。観客席がちょっと広くなって、僕の表現が後ろまで届かない空気を感じたこともある。少しずつ少しずつさらに取り組んでいる。今も実験している段階だが、僕が感じるからといってその感じが100%合っているわけではないため、難しいが少しずつ直している」

実際にスンホはトラウマがあって変化するキャラクターであるため、より難しさがある。キャラクターが一気に変わり、本当の気持ちも知ることができない。これについてシン・ソンミンは、「心理的に本当に動揺する。『女神様が見ている』を歌ってから、『あなたが見ているから』を歌うまで、スンホにとって一夜が過ぎる。でも、僕にはそれだけの時間が与えられないため、これを変化させることが最も大変だった」と告白した。

「心の中にあることを完全にぱっと捨てて、ぱっと手放さなければならない。そんなことで衝突することが多かった。とても大きく変わるから、ちょっと大変だった。でも今回は二度目だから、楽しみながらしている。シーンの目的を明確にして演技するほうだ。観客たちに僕の個人的な魅力を見せなければならないとは考えない。もちろん『あなたが見ているから』のシーンを特に気に入ってくださっていることは知っているが、そのシーンの目的が可愛さではないため、シーン自体の目的により気を配っている」


「僕自身が一番慰められた」

急速に性格が変わるキャラクターであるため、シン・ソンミンにとってスンホはさらに自身を成長させる。「悪夢に頼む」は、瞬間的な集中力が重要なため、全ての神経をシーンそのものに合わせる。しかし、本当に切実に願うシーンだからといって、過剰な感情を披露することはできない。負担にならないように調節することが重要であり、その中で感情が見えなければならない。

シン・ソンミンは、「穏やかにするよりは、感情の揺れが大きいほどカタルシス(解放感)がより感じられるようだ。でもちょっと過剰になった時は、錯覚することになる。それは完全に自己満足のためのカタルシスだから」と述べ、「細かい部分に重点を置いていないのもこのためだ。場面の目的が重要であるため、その場面が何を伝えようとするかが重要で、僕個人の細かさを生かすことが重要ではないようだ。生きて動けばそれが細かくなり、とくにこれといった行動で細かさを加えなければということはない」と説明した。

「スンホと僕は似ているようで違うようだ。実は作品に出演しながら感じるが、僕も時々僕がどんな人なのか気になって、ややこしい。いつも人には誰でも多重性があると思っている。例えば、怒らない人はいないし、泣かない人もいない。方法の違いだ。感情は誰でも持っている。だからスンホだけでなく、どんな役でも僕の中に必ず一つぐらいはいるようだ、痛みも同じだ。『女神様が見ている』の人物たちのように、誰もが一つくらいは胸に痛みを持って生きている。そういう面で、『女神様が見ている』は僕自身が一番慰められた公演だ。終わった後、涙が落ちる時がある」

最後にシン・ソンミンは、「女神様が見ている」を温かさと定義した。彼は「誰もが持っている情緒を描く。エピソードは様々だが、誰もが持っている共感できる物語を描くという点で、ヒーリングミュージカルだといえる。軽い気持ちで見たらがっかりせず、本当に心いっぱいの温かさを持ち帰ることができる。練習しながら僕もとても慰められたが、観客たちに対してもこの感情をそのまま伝えることができたら嬉しい」と述べた。

ミュージカル「女神様が見ている」は、7月27日までソウル鍾路(チョンノ)区にある斗山(トゥサン)アートセンターガヨンホールで公演される。

記者 : ホ・ソルヒ