ソン・スンホン「男が愛する時」インタビュー“命をかけた愛と言えるぐらい愛したい”

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TBS韓流セレクトで11月21日(木)より放送されている「男が愛する時」。待望のソン・スンホン主演最新作は、女は愛に迷い、男は愛にひざまずく……心に傷を抱えた男女の愛と葛藤を描く本格ラブストーリー。本作で元ヤクザで成り上がったビジネスマンとしての冷たく暗い顔と、愛する女性への一途に純粋に愛を表現するピュアな両面を見せたソン・スンホンが、ドラマについて、そしてドラマを通じて感じた愛について語ったインタビュー。

―台本を初めて読んだときの印象は?

ソン・スンホン:あぁ本当に激しい愛なのだな、と。ハン・テサンという人物に対しても、これまで自分が演じてきたキャラクターとはまったく違ったタイプで、とても新鮮に感じました。なので、新しいことにチャレンジしたい、この役を演じたいという欲が沸き起こりました。それに、シノプシスには、“愛は人によってどれだけ花を咲かせることができるのだろうか。また、どれだけ萎ませてしまうのだろうか”ということを表現したいという脚本家のキム作家の言葉がありました。愛の両面性を見せたいということ。誰かを愛するとその人のことを想ってドキドキしたり、限りなく幸せで、どんなこともよく見えるじゃないですか。その反面、人間が持っている暗い部分も出てきて、その人を所有したいという欲が出てきたり、時には疑ったり、誤解や喧嘩もあるでしょう。それは本当に愛するがゆえに出てくるものじゃないですよね。そういった人間の姿を1から10まで表現したいという脚本家の言葉に、心が動いたんです。自分は今までそのようなキャラクターは演じたことがなかったなと。

―キム・イニョン作家は、これまで「赤道の男」や「太陽の女」などヒット作を多く生み出してきた脚本家ですが、演じてみてどうでしたか?

ソン・スンホン:なぜ今までキム作家の作品に出なかったのだろう? と思うほどでした。キム作家との作業は、僕に多くのことを学ばせてくれる機会になりました。キャラクターの繊細な感情描写や、状況ごとにどんな感情を引き出せばいいのか、様々なところで多くを学ぶことができた良い契機になったと思います。

―テサンを演じるうえで、脚本家や監督とはどんな話をされたのですか?

ソン・スンホン:撮影の前に、監督と脚本家からこう言われたんです。“今回の作品では、ソン・スンホンを捨ててみよう。つらく苦しい人生を生きてきて、ミドに出会い、愛に狂っていくハン・テサンという男になって生きてみてくれ”と。

―テサンの魅力は、どういうところにあると思いましたか?

ソン・スンホン:誰かを愛する時、純粋に1人だけを愛するという点ですね。他の人には目もくれず、彼女だけを見つめる純粋な心。彼は荒れた人生を送ってきましたが、初めて人を愛したことによって変わっていく姿が、時には幼い子供のようでもあったし……そのような部分をよく表現できたと思います。このドラマを演じながら感じたことの1つは、“愛は本当に難しい”ということでした。自分ではどうにもならないのだなと。それでも、テサンのように誰かを愛するときは純粋な気持ちで愛したいし、命をかけた愛と言えるぐらい愛したいとも思いました。

―男性は、恋愛するときは、何歳になっても変わらないものなのでしょうか?

ソン・スンホン:人によって違うかもしれませんが、歳の差はあまりないのではないかと思います。幼かった頃、思春期、そして今……。自分自身を考えてみると、愛という感情は歳に関係なく同じだと思います。男が愛する時……、僕個人としては、誰かを一度愛せば、命をかけて愛することができると思います」

―スンホンさんが恋に堕ちたら、どうなってしまうタイプですか?

ソン・スンホン:心で思ったことは、真っ直ぐに表現するタイプだと思います。気持ちを表せず、スタートもできないという状況はすごく後悔すると思うので、ちゃんと伝えますね。それを受けとめてくれた方もいたし、拒否されて傷ついたことももちろんありました。誰かを愛したときは、いつも気持ちを表現し最善をつくしてきたと思います。

―ミドのように、2人の愛を天秤にかけてしまう女性をどう思いますか?

ソン・スンホン:ミドは現実的な人だと思います。良い悪いではなくて、“私のことを好きで助けてくれる男がいるけど、私は他の男を好き”そういった葛藤はどこにでもある現実的なキャラクターなので、ミドのことを悪く言うのは違うのではないかと思います。誰にでも心の中には実は他の人が好きなんてことはあると思うのですが、ドラマのキャラクターということで悪口を言われたことは事実です。まぁ、僕自身がテサンだったら、傷つくとは思います。テサンのような状況には正直なりたくないけれど、ミドについては理解できると思います。

―ご自分は、女心を理解できるほうだと思いますか?

ソン・スンホン:僕は……女心はよく理解できません。理解できないのではなく、理解しようとせず自分のやりたいように行動してしまうほうです。ドラマの中に、テサンを愛するあまり憎らしいこともするペク・ソンジュ(チョ・ジョンアン扮) というキャラクターが出てきます。ミドに嘘をついたり、良くないこともするけれど、テサンを愛するためにそのような行動をとるのを見て、自分はソンジュのような若干利己的な恋愛をしてきたのではないかと思いましたね。

―ミドのキャラクターには非難もあったようですが……。

ソン・スンホン:多くの視聴者の方が、序盤からテサンに感情移入してくださいました。テサンは若い頃から大変な環境に置かれ、心に傷を負っている人物だったので、ミドとの恋がうまくいけばいいなと応援してくれていたんです。でも、ミドは他の人を好きになってしまうので、男を弄んでいるなどという良くない批判を受けてしまったようです。テサンへの支持が大きかったから、余計にそう思われたようですね。そんな非難を浴びても、セギョンさんは“みなさんが共感してくれるのなら、私は悪口を言われても大丈夫です”と言ってくれました。それがとてもありがたかったし、若いのにすごいなと思いました。

―ヨン・ウジンさんとの共演はどうでしたか?

ソン・スンホン:テサンと共に、ミドが愛の葛藤を感じるジェヒという役をうまく演技してくれたと思います。このドラマでヨン・ウジンさんや部下役のキム・ソンオさんに会いましたが、最近出会った後輩の中でも、特にまた一緒にやってみたいなと思える後輩たちで嬉しかったです。キム・ソンオさんもそうですが、次にもっと良い作品で、もっとかっこいいキャラクターで演技をしたいねという話をたくさんしました。それほど良い後輩たちでしたね。

―チョ・ジョンアンさんとの共演の感想を教えてください。

ソン・スンホン:実は僕のデビュー作「男女6人恋物語」というシチュエーションコメディで、彼女とは共演しているんです。役柄は同じ大学のカップルという設定でしたが、内容がシットコムなので軽い感じでした。でも、今回10年以上ぶりに正統派メロドラマでロマンスを演じたので、当時とは違って、女性の色気を感じられました。当時は若くて初々しい感じしかしなかったのですが、それがとても新鮮な驚きでしたね。どんなときもテサンのことを好きでい続けてくれるのに、テサンはどうしてソンジュを好きにならないんだろう、テサンは正常じゃないな、などと撮影しながら冗談を言ったりしていました(笑)

―シン・セギョンさんは現場でスンホンさんから楽しく愉快なエネルギーをもらったと言っていましたが、現場をリードするために心がけていることはあるのですか?

ソン・スンホン:以前なら自分が一番年下で、撮影現場でまわりは先輩たちでしたが、いつの間にか自分が一番先輩の立場になり、後輩たちがついてきてくれるようになったので責任感が強くなりました。それに、主役という立場にあると、その作品の結果に対する責任も生まれます。事実、主演俳優は多くの部分で背負わなくてはいけない責任があります。この作品ではそのことを更に感じました。後輩たちが撮影で辛いとき僕に助けを求めている視線を感じたりして、自分が現場で中心とならなくては、自分がぶれたらダメだと考えました。相手役のセギョンさんやウジンさんとは歳の差もありましたし。それに、メロドラマでの演技なので、年下のセギョンさんが緊張しないように、楽に演技ができるように、深刻なシーン撮影でも、ふざけたり、冗談を言ったりしていましたね。シリアスなシーンが多かったので、現場の雰囲気をリラックスさせようと常に考えていました。

―このドラマの見所を教えてください。

ソン・スンホン:男と女があそこまで愛して、あそこまで憎しみ合うのだなと感情移入しながら見られると思います。愛というものの大きな幅、愛とは何かを感じることができるのではないかなと。そういった男女の愛の深い部分を“感じながら”見ていただけたらと思います。

「男が愛する時」
2013年12月4日(水) 発売 DVD-BOX1
2013年12月27日(水) 発売 DVD-BOX2
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記者 : Kstyle編集部