M.I.B、ジャンルの境界線でヒップホップを叫ぶ!

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M.I.Bは醜いアヒルの子のような存在だった。彼らは2011年に“ヒップホップの大衆化”という野心に満ちた目標を掲げてデビューしたが、人々は彼らにヒップホップグループなのか、それともアイドルグループなのかという明確なアイデンティティを求めた。さらに、新人という重要な時期に予想もしなかった出来事により、10ヶ月間の空白期間を持った。しかし、その空白期間はグループにとっても、音楽的にも、より強固な基盤を確立する機会になった。空白を破って今年4月に「頷いてくれ!」で活動を再開したM.I.Bは、依然としてアンダーグラウンドとオーバーグラウンドの境界線に立っている。そして、その境界線を少しずつ壊していくために彼らならではのカラーを作り出している。韓国と日本を行き来しながら“K-HIPHOP”を披露し、日本でも良い反応を得ている。そのため、M.I.Bは「頷いてくれ!」が自分たちの本当のスタートラインだと話す。ラップの作詞はもちろん、「頷いてくれ!」では作曲と編曲でも頭角を現した。リーダーの5Zicは「以前はどの世界にも入っていないようで、寂しかった。でも、最近は『わあ、M.I.Bだ!』のような視線を感じるようになった」とグループの変化について語った。これからM.I.Bには自分たちの話を人々にしっかりと聞かせることだけが残っている。「Men In Black」の活動を終えて、着実に自分たちならではの強みを作っているM.I.Bと会った。

―7日に開催された「ONE HIPHOP FESTIVAL」のステージはどうだったのか?ヒップホップが好きな人々が集まるフェスティバルなので、音楽番組や単独コンサートとは雰囲気がまた違うと思うが。

5Zic:そうだ。単独コンサートは僕たちが好きなファンが集まる公演だし、音楽番組はカメラに視線をちゃんと向けなければならない。でも、「ONE HIPHOP FESTIVAL」は僕たちをよく知らない観客も多かったはずなのに、ただヒップホップが好きだという理由だけで僕たちと観客が全員一つになれた公演だった。アンダーグラウンドやオーバーグラウンドを問わず、言葉通りに“ONE HIPHOP(ヒップホップで一つになる)”になった。

―みんな芸名が独特だが、芸名を作った特別な理由があるのか?

5Zic:僕の本名はキム・ハンギルだ。“一筋の道”という名前の意味から“ただ一筋の道”が思い浮かび、“ただ”という意味の韓国語を芸名にした。実際の性格も100%僕が確信することがあるならば、その一筋の道だけを歩くタイプだ。

KangNam:僕は日本人だが、母が韓国人なので韓国に親近感を持っている。日本の名前が滑川康男で、康男は強い男という意味だ。それで、社長がそれを略して韓国語で“KangNam(強男)”とつけてくれた。

SIMS:僕は名字がシムだ。

Young Cream:“Cream”という単語はスラングでお金という意味がある。それで、お金をたくさん稼ぎたいという意味を込めて“Cream”という名前を付けた。でも、ただ“Cream”にしたら、生クリームを思い浮かべる人が多いので、前にYoungをつけた。Young Creamの発音がきれいだと、周りの仲良しの兄さんたちが勧めてくれた。

―5Zicは“ただ一筋の道”から“ただ”だけを取って芸名にしたと話したが、プロフィールには“5zic”と表記されている。特別な意味があるのか?

5Zic:ハングルで“5Zic”と書くのはダサいと思った(笑) “5Zic”は本当に良い意味を持っているのに、ハングルで表記するとダサい感じが出てしまうと思った。それから、M.I.Bのグローバル化に備えるためかな?(笑)

―6日に放送されたKBS 2TV「ユ・ヒヨルのスケッチブック」に出演していたのを見て楽しませてもらった。番組で5Zicが緊張した姿を見せたが、その時本当にどんな状態だったのか?

5Zic:話が下手な方でもないのに、静かな雰囲気の中で人々が僕に集中しているのが感じられた。それに、笑いながらおしゃべりするトークショーではなく、音楽的にレベルの高い番組であるためか、さらに真面目な雰囲気が感じられた。そして、遥かなるユ・ヒヨル先輩がそばにいたので、本当に緊張した。

SIMS:幼い頃に「ユン・ドヒョンのラブレター」を見ながら、将来必ずあんな音楽番組に出演したいという夢があった。だから、「ユ・ヒヨルのスケッチブック」に出演したことが本当に嬉しかったし、緊張もした。

―「ユ・ヒヨルのスケッチブック」の出演を最後に「Men In Black」の活動が終わった。満足した部分と心残りのある部分についてそれぞれ話してほしい。

SIMS:良かったと思うのははっきりしたコンセプトがあったことだ。女性ファンがスーツ姿を気に入ってくれて嬉しかった。音楽ももちろん良かったし。心残りは特にない。

5Zic:僕は常に僕ならではの基準を作っておく。例えば、今回はMelOnで星の点数を1500点以上、“いいね”を5000以上もらうことだった!残念ながら今回は目標に達することができなかったが(9月10日基準、MelOnでの星の点数が1213点、“いいね”が1018)、「Men In Black」が掛け橋の役割をしてくれたようで満足している。

―掛け橋の役割とは?

5Zic:僕たちは2011年に「G.D.M」でデビューし、その後、活動を続けていくべきだった。だが、予想もしなかった出来事により、音楽的に彷徨い、空白期間が生じた。新人にとって10ヶ月以上の空白期間は本当に大きな悪影響を及ぼした。今年4月に「頷いてくれ!」で活動を再開しながら、再びスタートするという心構えを持った。それで、僕たちはM.I.Bのスタートラインは「G.D.M」ではなく、「頷いてくれ!」だと思っている。再びデビューを果たしたと言えるだろう。そういう意味で「Men In Black」はこれからのM.I.Bの活動のための掛け橋となった。

―長い沈黙を破って「頷いてくれ!」で再び“デビュー”したが、変わった点があるのか?

5Zic:人々に音楽的に成熟した姿を見せたかった。それで、曲を聞いた人々が僕たちのことを覚えられるように、ラップや歌、メンバーそれぞれの魅力が際立つように曲を作った。

SIMS:グループを結成した初期と違い、メンバーたちの相性が良くなったような気がした。絆がさらに深まった感じがする。

―メンバー全員が作詞作曲に参加しているが、主にどこからインスピレーションを得ているのか?

SIMS:僕は経験を重視する。それで、わざと外に出て苦労するタイプだ。何の予定もなくてもとりあえず外に出る(5Zic:予定がないなんて!約束があって外出するじゃん~)(笑) 違う。わざと約束を作って外に出るのだ!例えば、酒を飲みながら人々と話をしてみると、人々はそれぞれ違う悩みを持っており、考え方も違う。その色んな話を聞いて、それを少しずつ受け入れたり、会話をしながらまた色んなことを考えたりする。もし、その人の考えが理解できなくても、それを歌詞で書いてみながら理解しようと努力する。また、日付や時間、天気に関しても人々は違うことを感じるが、それをわざと経験しながらその気持ちを感じてみようとする。

Young Cream:外に出てインスピレーションを受ける時もあるが、1人で何も考えずにただ音楽を聞いているとインスピレーションが浮かんでくる。歌詞を書く時も特別なことを考えずにただ文章を書きながら次から次へと考えてみる。そうすると、特別なインスピレーションがなくても自然に何かが浮かんでくる場合がある。

5Zic:僕は些細で人々がよく通り過ぎてしまうようなものに関心を持つ。例えば、街を歩いていた時にお店の看板に“生まれたばかりの子犬”という単語が書かれていたとしよう。それを見て、僕は「あれは人々が会話ではよく使うのに歌詞ではあまり使わない単語だ!」と思う。そして、「生まれたばかりの子犬は虎の恐ろしさを知らない」(「盲蛇に怖じず」と同じ意味の韓国のことわざ)が思い浮かぶ。このように、人々がよく使う単語や表現だが、歌詞としてはあまり使っていないものに関心が非常に高い方だ。お決まりの愛に関する曲のタイトルとかはあまり好きじゃない。お決まりのものは面白くないから。

KangNam:日本で活動したことがあり、アメリカに住んだこともある。そして、今は韓国で活動しているが、国と関係なく先輩たちはみんな同じアドバイスをする。「ロックもヒップホップも、色んな女性と付き合ってみないと良い音楽は作れない」(笑)

―それぞれヒップホップにはまるようになったきっかけとなる音楽があると思うが、その音楽を初めて聞いた時、どんなことを感じたのか?

5Zic:Drunken Tigerの1枚目のアルバムを聞いた時、一晩中その音楽を聞いた。「こんな音楽ができるなんて凄い」と思った。実は、Drunken Tigerの前にもチョPDやCLONなど色んな音楽を聞いたが、Drunken Tigerを通じて本物のヒップホップを感じたような気がした。Drunken Tigerの1枚目のアルバムを僕にプレゼントしてくれたのは父親で、父親は普段から音楽をよく聞く方だった。僕は父親の影響を多く受けたと思う。

SIMS:EPIK HIGHの「Lesson3」を初めて聞いた時、歌詞が本当に生々しいというのはこういうことなんだと思った。ヒップホップの歌詞をこんなに生々しく書けるなんて凄いと思い、衝撃を受けた。当時、ラップをしていた友達がEPIK HIGHの「Lesson」シリーズをお勧めしてくれて、その中の「Lesson3」にはまったのである。それと同時に、ヒップホップ文化に対する衝撃も受けた。実は、その前まではヒップホップをあまり聞いておらず、それをきっかけにMCという文化に目覚めた!

Young Cream:幼い頃は曲の中に入っているラップが好きな程度だった。でも、Leessang(リッサン)の「Rush」を聞いてヒップホップにはまった。当時は今と違い、ヒップホップをただ純粋に楽しんだ。今は他のラッパーのラップを真似したり練習したりする時、仕事だからやるという感じが自分の中に少しあるとしたら、その時はただ純粋にヒップホップが好きでラップをした。僕も知らないうちにヒップホップに惹かれていた。当時は一日中ラップをしても、ただ楽しかった。

KangNam:実は日本でスカウトされてM.I.Bのボーカルとして合流することになったので、僕は今、本格的にヒップホップの魅力に少しずつはまっている。以前、本当に鳥肌が立つほどぐっと来たステージは、ハワイにいた時に「開かれた音楽会」の収録に行って見たパク・ジニョンの「僕には彼女がいるのに」のステージだった。夜空に鳴り響くサウンドと彼のステージに本当に鳥肌が立った。

―ヒップホップにはまるようになった当時に抱いたヒップホップに関する夢をそれぞれ聞かせて欲しい。

5Zic:僕はタイガーJK兄さんの隣に立ってラップすることが夢だった。実は、芸能人になることが僕の夢ではなかった。当時はただ「第2のタイガーJKになろう」という夢を抱いた。個人的に、オーバーグラウンドのヒップホップシーンで「Do You Know Hip-Hop」を歌うタイガーJKのカリスマ性を越えるミュージシャンはいないと思う。それほど、タイガーJKは僕の憧れのミュージシャンであり、ロールモデルである。

Young Cream:ヒップホップシーンで上位1%に入りたいと思った。ラップが本当に上手くなりたかった。アメリカの有名ラッパーである2パック(2Pac)、ビギー(ノトーリアス・B.I.G.(The Notorious B.I.G.)の愛称)、ナズ(Nas)のように成長したかった。だが、現実の壁は高い。それで、今抱いている現実的な夢はヒップホップが上手いグループとして僕たちの認知度を高め、マニアックなアーティストたちから実力を認められることだ。

SIMS:黒人アーティストのアルバムにフィーチャリングとして参加し、アルバムにSIMSという名前をハングルで表記したかった。今もその夢を胸に抱いている。夢に向かって少しずつ階段を上がっている段階だと思う。もし、夢が実現できるチャンスが来たら、ラップも韓国語で披露するつもりだ。実は不可能な夢だと思ったが、PSY(サイ)先輩を通じて可能性を感じた。また、数日前にイギリスのガールズグループリトルミックス(LTTLE MIX)が自分たちの歌「Wings」を韓国語で歌ったことも印象深かった。夢を叶える可能性があると思う!

―ヒップホップとは何だと思うのか?

Young Cream:ヒップホップはソウル、魂である。お決まりの表現ではあるが、ヒップホップには自由さがある。自由さの中で自分自身を表現し、自身の魂を込める。歌詞やビートと関係なく、とりあえず魂をラップに込めなければならないと思う。僕はラップに感情を込めようと努力するタイプだ。そのためか、レコーディングに時間がかなりかかる。感情を豊かにするために彼女を作ったほうがいいとも言われるが、僕は1人で色々考える方が役立つと思う。またこの間、アメリカの黒人たちがヒップホップについてどう思っているのかを描いた「アート・オブ・ラップ」というドキュメンタリーを見た。それを見ながら色々考えたし、たくさん学んだ。そのドキュメンタリーで「ヒップホップはこれまであるものを再解釈すること」という表現が一番印象深かった。

SIMS:ヒップホップは一つの文化だ。プライドが感じられる文化だ。ラップだけがヒップホップではない。ラップをしなくてもDJやB-BOY、MCなどがヒップホップを媒介にしてコミュニケーションしている。バラードは感情を整えて演技するように歌わなければならない。でも、ヒップホップは素直な自分自身を見せなければならない。それが他の音楽との違いだと思う。

5Zic:ヒップホップは自由だと思っていた。それなのに、所属事務所と契約した瞬間、その契約が足かせになった。ハハハ。冗談だ。お決まりの表現がヒップホップでは正解だ。難しい言葉も多いが、ヒップホップはただコミュニケーションだと思う。自分のラップを自分で書くから。僕1人の個人と音楽を聞く人々とのコミュニケーションだ。

―日本から来たKangNamは自分がヒップホップ音楽をするようになるだろうと思ったことがあるのか?

KangNam:本来はスティービー・ワンダーやR&Bが好きだった。日本ではロックをやったが、ロックもヒップホップもタフな音楽であるため、その共通点のおかげでヒップホップがさらに好きになった。

―日本でも人気が高いと聞いた。その秘訣は?

5Zic:僕たちはK-POPではなく、K-Hiphopとして活動している。韓国で日本のファンは静かに座って拍手を送る人が多いと思われているが、まったく違った。日本でコンサートを行った時、むしろ日本のファンたちがより情熱的な姿を見せてくれてビックリした。本当に楽しく遊ぶ日本のファンたちもすごく多いことが分かった。だから、活動をどんどん広げていきたいと思う。日本もロックがヒップホップより大衆化されており、そういう意味で韓国と日本での僕たちの目標は同じだ。ヒップホップの大衆化!

SIMS:もしKangNam兄さんがいなかったら日本での活動を簡単に決められなかったと思う。KangNam兄さんを除いて、3人とも日本語が本当に下手だ。KangNam兄さんがいるから、より自信がつく。

―最近の音楽配信チャートを見ると、ヒップホップが本当に人々と近くなったと感じられる。これについてどう思うのか?

5Zic:ヒップホップというジャンルを掲げてチャートの上位にランクインするのは本当に嬉しいことだ。でも、主にソフトヒップホップが人気を集めるケースが多いため、それがメジャーヒップホップの基準になるのではないのかという心配もある。韓国においてヒップホップで成功するためには、ソフトなヒップホップをしなければならないという固定観念が形成されたらどうしようという心配だ。また、人々がヒップホップといえばラップだけを思い浮かべるのも残念に思える。それでも、ヒップホップが大衆に近づいたという点は本当に嬉しい。

―最近の“批判曲戦争”についてはどう思うのか?

5Zic:僕たちも本当に参加したかったけど、名分がなかった(笑) 理由もなく“戦争”に参加したら、「あの子たちは何?」と言われるだろうと思って。ラッパーたちの力量を見られたし、多くの刺激も受けたので、僕はその“戦争”について200%肯定的に考えている。

―大衆的な人気も重要だが、それと関係なく自分ならではのヒップホップができる機会が与えられるとしたら、どんな音楽をしたいのか?

Young Cream:僕が言いたいことをラップにしたい。ただ様々なテーマについてたくさん話をしたい。それが必ずハードコアな内容である必要なく、今まで話すことができなかった話を歌詞にしたい。

SIMS:僕はハードコアな題材か、感性をベースとする曲に自信がある。ソフトな曲は難しい。

5Zic:起承転結が必要だと思う。曲ごとに好きなものを無条件に詰め込むのではなく、ジャズヒップホップとハードコアなヒップホップなど、二つの面を見せながら内容がぎっしり詰まったアルバムを作りたい。

KangNam:僕はよく分からない。昔は多くの楽器を演奏できたが、最近は作曲もあまりしておらず、どんな音楽が好きなのかを探している過程にある。

5Zic:兄さんはトロット(韓国の演歌)を歌う時が一番かっこいい。「愛は遊びじゃないよ~」

KangNam:そうかもしれない。叔母さんも叔父さんも僕がトロットを歌うと、みんな僕に魅了される(笑)

―KangNamは他の3人のメンバーを初めて見た時、どんな印象を受けたのか?

KangNam:「しまった!」と思った。社長が本当にかっこいいラッパーが3人いると言っていたのに……裏切られたと思った。航空券ももったいないと思ったし(笑) だが、レコーディングを始めた時、本当に驚いた。3人とも本当に素晴らしい実力を持っていたし、それぞれ自分ならではのカラーがあって、最初とまったく違うように見えた。

―それでは、他の3人はKangNamを初めて見た時、どう思ったのか?

SIMS:「しまった!」(一同爆笑) 冗談だ。KangNam兄さんは声自体が独特だ。ある意味、M.I.Bの紅一点のような感じがする。それに、ラップも上手くて万能エンターテイナーとして育てたい。

―今までM.I.Bのアルバムにフィーチャリングとして参加した女性歌手はT(ユン・ミレ)だけだ。どんな女性歌手とコラボレーションをしたいのか?

5Zic:僕は個人的にAileeやSISTARのヒョリンのようにヒップホップによく似合う歌声を持つ歌手がいると思う。彼女たちは独特な声を持ち、グルーブとリズムを自由自在に持って遊べるような歌手だ。そんな能力を持っている歌手と一緒に作業してみたい。本当に面白いと思う。

SIMS:まだ作業したことがない歌手が大半なので、誰でもいいので一緒に作業してみたい。中でも、本当にコラボレーションをしてみたい歌手はリアーナだ!

Young Cream:僕も有能なアーティストたちとコラボレーションをしてみたいと思うけど、誰とコラボするのかより一緒に歌おうとする曲が重要だと思う。僕たちが作った曲によく似合う人と作業しなければならないから。リアーナ、ビヨンセ、シアラなど皆が違う雰囲気の歌声を持っているので、双方に役立つ曲を作りたい。

―尊敬しているアーティストは?

KangNam:タイガーJK兄さんは会話をする時は平凡な兄さんだと感じたのに、ステージでの姿を見てまったく違う人だと思った。兄さんを通じてステージで人が変わるということを初めて知った。兄さんはステージで数千人をリードしながら楽しく遊ぶ。本当にかっこいい。

5Zic:何回も言ったが、タイガーJK兄さんだ。でも、人々はタイガーJK兄さんが“レジェンド”であることをよく忘れる。数ヶ月前にタイガーJK兄さんの一代記を描いたドキュメンタリーを見て、彼は依然として僕の憧れのミュージシャンということを改めて感じた。タイガーJK兄さんはタオル一つだけを持ってステージに上がり、観客を掌握する。その姿は僕にとって夢のようなことだ。

SIMS:もちろん、タイガーJK兄さん。それから、外国のアーティストではウィズ・カリファ(Wiz Khalifa)、ビッグ・ショーン(Big Sean)、エイサップ・ロッキー(ASAP Rocky)など、本当に多い。

M.I.B(左からSIMS、Young Cream、5Zic、KangNam)
―お互いの長所を順番に褒め称えてみよう。

KangNam:最近、ポータルサイトでYoung Creamの名前を検索すると、関連検索語に「Young Cream虚勢」が出る。でも、Young Creamは虚勢を張らない人だ!

Young Cream:そうだ。それについて話したかった。僕は写真を撮る時、正面で撮るとかっこよく写らないので、いつも自信のあるポーズを取る。でも、それが虚勢を張っているように見えたようだ。そして、それがどんどん誇張され、性格まで虚勢を張るタイプだと思われたようだ。僕は虚勢を張る人ではない。「ユ・ヒヨルのスケッチブック」でお金をあまり持っていないと素直に話したように、僕の本当の姿を知ってほしい。

Young Cream:SIMSは見た目を褒めると、背が高い。そして、性格については社会生活が上手ということだ。社会では腹が立つことがあっても笑わなければならない時があるが、SIMSはそういう時の対処が上手い。飾り気も時には必要だ。(記者:あら、もしかしたら今日の笑顔はすべて飾り気だった?5Zic:今日、僕がSIMSをよく見ていたが、今日は飾り気がなかった!)

SIMS:5Zicはリーダーとして責任感が強い。自分がすべてを背負おうとして、それがむしろ重過ぎるのではないかと心配だ。リーダーとしてグループのために戦うこともある。

5Zic:KangNam兄さんは音楽以外でも熱心に頑張る。長所が本当に多いので1つだけを話すのが難しい。本当に多いから……(KangNam:どうして話せないの?) あ、社交性がある。僕は人見知りが激しいが、兄さんは初めて会う人ともうまく話せる。また、それとなくメンバーたちの面倒を見てくれる。僕が年下なのにもかかわらず、リーダーの意見を尊重してくれる。短所はそれ以外のすべてだ(笑) ちなみに、Young Creamは人の意見に振り回されず、客観的な視点を上手く維持する。自分ならではの考え、信念を守るメンバーだ。一人でいる時間が好きな部分もそうだし、物事を巨視的に見る。

―先日、トゥーニバース「雷に打たれた文房具」に出演し、演技を見せてくれた。恥ずかしくはなかったのか?

5Zic:僕たちの黒歴史として永遠に残ると思う。最初はこの番組に出演してはいけないと思ったが、撮影する時は本当に一生懸命にやった。

SIMS:前向きに考えると、全国の小学生たちに僕たちを紹介できたことになる(笑)

Young Cream:僕たちのジャンルではないが、良い経験だった!

―それでは、演技は後から正式に……

Young Cream:(質問が終わる前に)しない(一同爆笑)

5Zic:演技はKangNam兄さんだけ!兄さんはSBS「君の声が聞こえる」にひったくり犯役として出演し、称賛も受けた。

―最後の質問だ。50代の自分はどんな姿でありたいのか?

KangNam:やりたいことをやっている人!バーに行くと、髪の長い白髪のおじさんが1人ぐらいいるじゃないか。そのようなイメージの人になりたい。その歳になってもやりたいことができるおじさん。そして、幸せな人になりたい。

SIMS:韓国でヒップホップをしながら、影響力のある世界的なアーティストになりたい。その時はM.I.Bのメンバーみんながそれぞれ家庭を持っているはずだが、その時も一緒に集まって楽しく遊びたい。

Young Cream:ドクター・ドレー(Dr.Dre)のように歳を取っても音楽を続けたい。音楽の前で年齢は数字に過ぎない。韓国でもラッパーの寿命が徐々に伸びている。いつまでも音楽を続けていたい。

5Zic:目標は会社のCEOだ!会社を経営しながら僕のアーティストを育てたい。僕が出せない音を他の人が出せるように手伝いながらそばで作業し、その人の声を通じてリリースするのも面白いと感じた。つまり、第2のタイガーJKになるのが僕の最終目標である。タイガーJK兄さんの仕事を受け継ぎたい。

記者 : パク・スジョン、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン