SM&YG&JYP、事業多角化により進化する3大芸能事務所

OSEN |

音楽業界の事務所が素早い変身を続けている。

強力なファンダム(特定のファンの集い)と韓流インフラをベースに事業拡張に乗り出しているのは昨日今日に始まった事ではないが、その方法が次第に進化している。

事業の拡張は、単なるアイドルスター関連グッズの販売ということからすでに進化している。SMエンターテインメント(以下、SM)は、2008年ソウル狎鴎亭(アックジョン)ロデオ通りにeVERYSING(エブリシング)カラオケを開き、独自的なオーディションまで行っている状態だ。昨年はハワイ専門旅行会社「ハッピーハワイ」を有償増資の方式で買収し、旅行や観光関連ビジネスも行っている。

世界へ展開しているK-POPに伴い、アメリカに複合エンターテインメントスペースも構築される。SMはコリアタウンに建物を立て、ミュージアム型としての活用はもちろん、新概念の韓国料理レストラン、エンターテインメントスペース、ホログラムなど様々なコンテンツ事業を展開する。

YGエンターテインメント(以下、YG)も攻撃的に乗り出している。グローバルカルチャーコンテンツの先頭に立ちたい覚悟だ。これまでSMとJYPエンターテインメントが外部への拡張へ乗り出してきた間、アルバムのプロデュースに集中してきたYGは、昨年5月に第一毛織と合作法人「Natural 9」を立ち上げファッション事業に進出し、事業多角化に乗り出した。

その後の歩みは驚くべきものだった。5月にKT、4Dソリューション専門業者のd'strictカンパニーと3Dホログラムを活用した4Dコンテンツ投資配給専門会社であるNIK(Next Interactive K, Limited)を設立し、コスメメーカーのcosonにも投資して20代女性向けのコスメプロダクトを発売する予定だ。また、3Dアニメーション会社のレッドローバーに50億ウォンを投資した。

さらにセンセーショナルなのは、その次からだ。SMはSMP(SM Music Performance:SM特有の音楽パフォーマンスを称する言葉)やアイドルに代表されるSM独特のカラーから脱皮し、他の事務所を抱え込み規模的かつ質的な成長を図っている。SM C&Cがチャン・ドンゴン、カン・ホドン、シン・ドンヨプなどと契約を結び俳優とバラエティ界への拡張を図ったのとはまた違う拡張と言える。「SMアーティスト」という枠の中に、SMとまったく関係なく成長してきたWoollimエンターテインメント(以下、Woollim)を抱え込み、レーベル化に乗り出した。WoollimはSMから音楽的な差別化を維持した独立レーベルになる見込みだ。しかし、“SMファミリー”としての地位も持つようになる。業界ではWoollimの次の打者も出てくるのではないかと見込んでいる。

「SMアイドル」というブランドがあまりにも強固なだけに、これは非常に熱い反応を得ている状況だ。ファンダムはもちろんのこと、音楽業界も非常に関心を持って注視している。音楽業界では放送局に立ち向かえるパワーが誕生した点で歓迎し、また主導権は大型事務所だけを中心に再編されるのではないかという懸念もある。

YGはエンターテインメントの“極大化”を狙っている。YGはMnet「WIN」を通し次の新人グループを選定している。まず2チームを結成し、事務所代表の権限だった新人グループのデビューの有無を視聴者のSMS投票に任せ、冷酷なサバイバルゲームに突入した。芸能事務所が徹底的に大衆により動くという事実を前提にし、デビュー後でなくデビューそのものからエンターテインメントの領域に引き入れたのだ。

オーディション番組は一般人がスターを夢見ながら挑戦するものだが、「WIN」は事務所の練習生がデビューをかけて戦う戦争だ。職業を得るか失業者になるかの分かれ道に立つだけに、オーディションというよりはサバイバルに近い。音楽業界が次第に先進化し、しのぎを削る競争が繰り広げられるだけに、弱肉強食のシステムを楽しむことができる要素として昇華させたのだ。これもやはり熱い反応を得ている。事務所が提供するエンターテインメントの領域を拡張した点で興味深く、また10代の幼いメンバーたちを対象にオーディションよりも残酷なゲームが行われるという点で慎重な姿勢も求められている。

記者 : イ・ヘリン