【バラエティレビュー 】「話神」チャン・ヒョク、映画プロモーションの欲を捨てた“本物の男”

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写真=SBS
チャン・ヒョク主演の映画「FLU 運命の36時間」が14日に韓国で封切りとなる。すでに、映画公開を控えた主演俳優がバラエティ番組に出演し、間接的ながらに映画を宣伝することは一つの手順のようなものになった。その一環として、チャン・ヒョクは13日にSBSトークショー「話神(ファシン)-心を支配する者」(以下「話神」)に出演した。映画の公開を1日前に控えた時点だったことを考えれば、まさに絶好のタイミングだった。

これまで「話神」は、映画の宣伝の場になってきた。「噂で聞いた」のコーナーで俳優たちに関する噂を解明しながら真実を明かし、「一行の力」のコーナーで一言の格言で視聴者の共感を得た後は、短い時間ではあるが映画の宣伝という多少恥ずかしい目的が待っていた。そして、ゲストたちは最終的にその目的を果たしてきた。

実は、チャン・ヒョクは5月にも「話神」に出演した。いくらトークショーが好きだとしても同じバラエティ番組に短期間で2回も出演するということは彼にとっても無理があったはずだが、チャン・ヒョクはこれを甘受し「話神」に再び登場した。それが自分の意志であろうと他人の意志であろうと、その理由は「FLU 運命の36時間」のプロモーションであると見られる。

ところが、ゲストのラインアップがおかしい。「FLU 運命の36時間」に出演した俳優はチャン・ヒョクだけで、彼の両側に座っているゲストは映画とは全く関係のないパク・ウネとホン・ウニだ。彼らは同じ所属事務所でもない。では、なぜパク・ウネ、ホン・ウニと一緒に出演をしたのだろうか。

「FLU 運命の36時間」の主演俳優は、チャン・ヒョク、スエ、イ・ヒジュン、マ・ドンソクだ。この4人は、「話神」に十分出演できる俳優だった。最近の映画俳優は、映画のプロモーションのためにバラエティ番組に出演することを渋ることはなく、むしろ歓迎するかもしれない。バラエティ番組で好感を得られれば、映画が大ヒットするよりも俳優としてずっと良いイメージを得ることができるためだ。しかし、なぜか「FLU 運命の36時間」のプロモーションのため出演した俳優はチャン・ヒョクだけだった。

1時間以上続いた彼らのトークの中に映画に関する話は登場せず、MCたちもわざわざ映画の話を持ち出さなかった。今週の「話神」の主人公はパク・ウネとホン・ウニで、彼女らのトークは出産、育児、結婚、夫、夫の実家に関するものだった。MCキム・ヒソンの言葉通り、3人のおばさんのおしゃべりだった。

チャン・ヒョクもカメラが回っている間、彼自身の妻や子供、家庭の話に集中した。後輩ポン・テギュと冗談を交わしたり、パク・ウネ、ホン・ウニのトークに相槌を打つ場面もあった。「話神」に出演した彼からは、「FLU 運命の36時間」を広報しようとする姿は全く見られなかった。

MCのシン・ドンヨプがチャン・ヒョクに映画に関する話がなさすぎるのではないかと逆に問いかけるほどだったが、チャン・ヒョクは「話を聞いていると今は映画の話ではなく、育児の方にもっと興味がある」と話した。実際に、彼は映画よりも彼らと話す世間話により興味を持っているように見え、人々が生きていく話により愛着があるような目をしていた。

シン・ドンヨプが「映画のタイトルは何でしたか?」と再び映画の話を持ち出そうとすると、チャン・ヒョクは「ああ、映画のタイトルは『FLU 運命の36時間』です。でも、映画の話はここまでにしましょう」と答えた。いったい映画について何を話して「ここまで」と言うのだろうか。映画についてはまだ一言も話していないのに。シン・ドンヨプは最後の部分だけでも映画の話をしなければならないと思ったようだが、チャン・ヒョクはこれさえ他の話に回してしまった。

彼もものすごく話したかっただろう。久しぶりに自身が主演を務めた映画だ。しかし、彼は映画の話を我慢し、意図的に避けようとした。一人で映画を宣伝することが恥ずかしかったのかもしれないが、それよりも短い間に2回も「話神」に出演した彼が自身の映画の宣伝をすることは、視聴者に対し礼儀ではないと思ったからだろう。

彼はMBC「僕らの日曜の夜-リアル入隊プロジェクト本物の男」に出演し、誰よりも熱心に撮影に望んでいる。彼の兵役をめぐるトラブルを忘れるほど、彼は本物の男になってきた。「話神」でも彼は本物の男の姿を見せてくれた。誰もがバラエティ番組をプロモーションのための道具として使おうとする中で、彼はその欲を捨て、視聴者たち会話することを選んだ。もしかすると、これが一番効果的な宣伝だったのかもしれない。

記者 : ウム・デソン