Vol.2 ― 「監視者たち」ハン・ヒョジュ“監視と関心は紙一重、私は関心を受けたいです”

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女優ハン・ヒョジュ(26歳)は愛嬌があったり、社交性のあるタイプではない。代わりに、お茶目で大胆で、飾り気がなく爽やかだ。

最初は困惑するかもしれないが、2度、3度会う度にハン・ヒョジュだけの率直な姿にはまるようになる。数ヶ月前、某バラエティ番組で披露した「う・つ・く・し・い!」は、もしかしたら彼女の内面を100%反映したものなのかもしれない。

初々しかった10代がまるで昨日のことのようだが、すでに20代後半となった。その間、女性として成熟し、女優としても成長した。デビュー10年目だからなのか?ハン・ヒョジュは、昨年から本格的に演技の幅を広げていった。

そのような意味で、前作「ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士」(2012年、監督:チョン・ギフン)と新作「監視者たち」(監督:チョ・ウィソク、キム・ビョンソ、制作:映画社ZIP)は、ハン・ヒョジュを女優から本物の役者へと成長させてくれた。特に、大胆に飛び込んだ「監視者たち」は、確実にターニングポイントとなった。

「監視者たち」でハ・ユンジュ役を務めたハン・ヒョジュは、言葉通りオーダーメイドの洋服を着たかのように劇に溶け込んでいた。一度見たことは絶対に忘れないという生まれ持った記憶力と、些細なことも逃さない観察力、抜群の集中力など、優れた才能を持っているキャラクターだが、監視チームの新人らしく最初はミスもあり、自分の能力を発揮することはできなかった。そんな中でファン班長(ソル・ギョング)と出会い、彼女はどんどん仕事に馴染み、自分の才能を十分に発揮しながら、監視チームのリベロ(サッカーにおけるディフェンダーのポジションの一つ。ディフェンスラインを統率し、攻撃にも参加するプレーヤーを表す)として成長していく。

「監視者たち」について、“ハ・ユンジュの成長ドラマ”だと表現したりもするが、ある意味では“ハン・ヒョジュの成長ドラマ”であると言っても過言ではないだろう。それほどハ・ユンジュはハン・ヒョジュであり、ハン・ヒョジュもハ・ユンジュにとても似ていた。これも頷ける評価だ。ハ・ユンジュほどのリベロではなかったが、ハン・ヒョジュも色々なものぶつかり、傷付きながら大きく成長した。

「とても成長しました(笑) 昔は一喜一憂することが多かったのですが、最近は自分をコントロールするために努力もしています。ハ・ユンジュも、ファン班長がいるからこそ成長することができたように、私も先輩たちがいたからこそ、ここまで来ることができました。私一人の力では絶対に不可能なことでした。『監視者たち』では、特に私が目立つと言われていますが、男性俳優が多く、私一人だけが紅一点ですからね…(笑) 実は私、共演俳優に恵まれるのが得意な女優なんです。『王になった男』(2012年、監督:チュ・チャンミン)ではイ・ビョンホン兄さんに、『ファイヤー・ブラスト 恋に落ちた消防士』ではコ・ス兄さんに恵まれて、今回はソル・ギョング、チョン・ウソン先輩に恵まれました(笑)」

ハン・ヒョジュは、恥ずかしくなるとお茶目になる。お茶目な言葉で自然に対応する彼女の姿からは、謙虚さが感じられた。「監視者たち」では、思う存分拍手を浴びてもいい彼女だが、ハン・ヒョジュは一歩下がり、ソル・ギョングとチョン・ウソンに拍手を送った。お茶目な言葉の中に隠されている彼女の真心が心に響いた。

では、ハ・ユンジュのようなハン・ヒョジュにとって、監視とはどのようなものなのかを尋ねてみた。少し大げさな言い方をすれば、デビュー10年目の彼女はある意味人々に監視されているのも同然だからだ。監視カメラよりも怖いのは、人の目ではないだろうか。しかし、ハン・ヒョジュの答えは意外なものだった。彼女は全て自分の考え方次第だと答えた。

「『私は監視されている』と思うと、その時点で息が詰るでしょう?私は監視ではなく、関心だと思います。それだけ人々が私のことに興味があるということですし、女優としては良いことです。関心を受けられなくて苦しんでいる俳優もたくさんいますから(笑) 演技とは、一人で歩くようなもので、とても孤独です。人々からの関心がなかったら、もっと辛くなりますよね。紙一重の差ですよ、監視と関心は。私は関心を受けたいです。ハハハ」

記者 : チョ・ジヨン、写真 : チョ・ソンジン