「TENリターン」チュ・サンウク&キム・サンホ&チョ・アンに出会う:SPECIAL INTERVIEW

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※この記事にはドラマ「TENリターン」の結末に関する内容が含まれています。

良いドラマはキャラクターが劇中で生きて動き、進化する。OCNドラマ「TENリターン」では、それぞれ個性の違う4人のチームメンバーはもちろん、連続殺人事件の犯人であるFまで進化しており、良いドラマに違いない。そして、冷徹なカリスマ性を見せるヨ・ジフンチーム長、映画「殺人の追憶」から飛び出してきたようなペク・ドシク刑事、そしてよく笑うプロファイラーのナム・イェリ。彼らがもう一度Fと向き合う予定だという。ああ、怖くてしょうがない。撮影も大詰めを迎えて忙しい現場を訪れ、俳優たちに会った。

参加者:チュ・サンウク、キム・サンホ、チョ・アン、チョン・ソクヒコラムニスト

―私はこれまで推理小説も結構読みましたし、アメリカの推理ドラマもたくさん見ましたが、このドラマは理解できるときもありますし、できないときもあります。難しいです。皆さん、理解して撮影していますか?気になります。

キム・サンホ:理解できないときは、分かるまで話し合います。監督と俳優たちと。

チュ・サンウク:理解できなければ演じられないでしょう。

チョン・ソクヒ:本当ですか?

チョ・アン:私は正直、理解していない状態で来るときもあります。なのでキム・サンホ先輩に大変お世話になっています。私はずっと聞きながらやっています。

―この難しい作品、「TENリターン」を見ることができて幸せです。プライドもあるでしょう?

チョ・アン:そうですね。帰属意識もあるし、家族のような感じもします。撮影現場がこんなに楽しいなんて、嬉しいことです。他のところでは上手くしなければならないというプレッシャーが大きいですが、ここでは一緒に作っていくような感じがします。「私がちょっとできなくても先輩たちが埋めてくれるだろう。監督が直してくれるだろう」という信頼があります。

キム・サンホ:台本の読み合わせをしながら修正を繰り返し、また台本が出ますが、読み合わせが終わればいつも僕たちに聞いてくれます。無理な感じはないか、おかしいところはないかと。そして現場に来たらまた違っています。刑事ドラマは工学であり文学と言われますね。文学は穴があっても感性で埋められる部分がありますが、工学の部分に穴ができれば「やっぱり韓国の刑事ドラマはだめ」と思われるかもしれないので責任を感じます。後ろ指を指されることのないようにお互いに色々とたくさん話し合っています。

チュ・サンウク:最近ケーブルテレビのドラマが地上波放送のドラマを上回ったと言われますが、「TEN」がその出発点になったというプライドがあります。実は当時、俳優にもケーブルドラマへの先入観がありました。僕もちょっと悩みました。でも、台本を見てとてもいいと思いました。

キム・サンホ:悩んだんですか?僕は「OCNでもドラマを作るの?」と聞きましたが、台本を見てすぐに「早くやろう!」と言いました。

チュ・サンウク:そうおっしゃると僕の肩身が狭くなるでしょう(笑)

チョン・ソクヒ:おかしくなりましたね(笑)

―最終回まで残り2話となりましたが、心に残るシーンは?

チョ・アン:あ、あのシーンです。ヨ・ジフンがソン・ギョンテに銃を向けたとき、涙でいっぱいの目で見る瞬間、本当に素敵でした。

チュ・サンウク:それ一つだけ?(笑)

チョ・アン:それからキム・サンホさんがじっとして一ヶ所だけを見つめ、台詞を言ったじゃないですか。真似しようとしましたが、上手くできませんでした。私だけでなく、現場では皆“ペク毒蛇”が一番カッコいいと思うでしょう。それで私は「キム・サンホ先輩が一番カッコいいから恋愛関係にしてください」と言いましたが、チュ・サンウクさんから「うるさい、いい加減にしろ」と言われました(笑)

キム・サンホ:「TEN」が進むべき方向がありますので、恋愛が入れば揺れると思います。

チョ・アン:(ため息)

チョン・ソクヒ:チュ・サンウクさん、寂しそうな顔していますね。

チュ・サンウク:違います。もう気にしないことにしています(笑)

チョ・アン:チュ・サンウクさんは魅力的ですが、ヨ・ジフンというキャラクターは女性の胸を苦しくさせる恐れがあるでしょう。傷つけられそうな。

キム・サンホ:サンウク、君の公聴会みたいだ(笑)

チョ・アン:お互いとても仲がよくて現場でよく笑います。刑事ドラマなのに笑いながら撮影に入るときも多いです。

チュ・サンウク:ですが、終わる時間が遅くなることが短所です(笑) いつもしっかりと理解してから撮影に入りますので。その中心にはキム・サンホさんがいます(笑) そのままやってもよさそうなシーンも必ず話し合ってから始めます。討論をします。

―MBC「きらきら光る」のときのキム・サンホさんの演技が記憶に残っていますので、今回のイメージチェンジは意外でした。

キム・サンホ:監督に言われましたが、そのことで反対される方もいたそうです。監督に主張していただきやることになったわけです。

―チョ・アンさんもそうでした。私たちはよく刑事ドラマというとXファイルの“スカリー”を思い浮かべるでしょう。ところが、チョ・アンさんは優しくてか弱いイメージで、バラエティ番組でたまに変わった姿を見せていたのであまり合わないと思いました。

チョ・アン:私もあまり合わないと思いました(笑) キャスティング前、監督とたくさん話しましたが監督がそのままあなたらしくすればいいと言いました。ナム・イェリを見た瞬間、私しか思い浮かばなかったとおっしゃいました。刑事ドラマへの憧れはありましたが、私にできるのかな?という不安はありました。

チュ・サンウク:キム・サンホさんは見習いたい俳優です。小さなことひとつも見逃しません。そのおかげでこのドラマの作品性が高くなったと思います。

チョ・アン:キム・サンホさんが情熱的で、熱心なので私としては気楽です。私は臆病で、他のドラマではもう一度撮りたいと思っても申し訳ない気がして言い出せませんでした。

チュ・サンウク:僕も情熱的に、熱心にしているけど(笑)

―キム・サンホさんはドラマ「棚ぼたのあなた」で無能な夫だったでしょう。確かにちょっと情けないところのある中年男性でしたが、義理の母と向き合うシーンでびっくりしました。なんてカリスマ性溢れる堂々とした姿なんだろうと!

チュ・サンウク:(キム・サンホさんを見ながら)僕もその話をしました。印象深かったと。そして実際に家族のことしか考えていない方です。その瞬間本人の本当の姿が出てきたのでしょう。

キム・サンホ:「棚ぼたのあなた」のパク・ジウン脚本家の話をちょっとしてもいいでしょうか?カン・ブジャ先輩をはじめ、ベテラン役者たちも驚きます。果たして何歳で60歳を超えた人の言葉をそんなにもよく知っているのだろうかと。「TEN」も同じです。どういうふうに表現すべきか悩む必要がありません。そのような機会がまた来るだろうと思ったら、「TEN」に出会えましたね。

チュ・サンウク:演技が上手いから何をしてもよくなるわけです。僕は出演する作品ごとに色々と事情が多いですね(笑)

チョン・ソクヒ:よく知っています(笑) ところで、台本がよくなければ役者がいくら努力しても揺れるしかないです。集中しにくいので。これから作品を選ぶときは、キム・サンホさんと相談してください!

―今回のドラマへの不満や残念な部分はありませんか?

チュ・サンウク:あえて不満があるとするなら、ヨ・ジフンのプライベートについても知りたかったですが、制約がありましたのでそれが残念です。もちろん、他のことは考えず捜査ばかりするドラマが好きな方もいらっしゃいますが、僕はヨ・ジフンの気持ちや思いも少しお見せしたかったです。

―また機会があるでしょう。次のシーズンにつながるのでしょう?

キム・サンホ:まだそれは確実ではありません。「シーズン1」が終わったときは、監督と僕たちの間で暗黙的に「シーズン2」が始まれば、俳優は変わらないだろうという信頼がありました。

チュ・サンウク:シーズンものは、4人がまた集まらなければならないでしょう。他の作品に出演していればできないので、それが思ったより難しいです。僕は「TENリターン」のために待っていました。それで大ヒットした作品を逃したこともあるし。たぶんチェ・ウシクは僕が呼んだら来ると思います(笑)

キム・サンホ:チュ・サンウクさんは末っ子の面倒をよく見てくれます。

チュ・サンウク:チェ・ウシク君が今のように他のスケジュールに行ったり、僕の視野から外れていたりすると上手くやっているのだろうか、失言はしていないだろうかと不安です。本当の弟みたいになったんです。登場人物がちょうど4人でしょう。他のドラマのように家族が何人も登場するわけでもないし。それでもっと仲良くなったと思います。たぶん私たちのドラマが好きな視聴者の方も私たちが家族みたいな感じだろうと思います。

「エクストリームスポーツの試合が終わった感じです」

―そろそろ終わりかけていますが、すっきりしながらも寂しい気持ちもあると思います。

チュ・サンウク:それはそうですが、個人的には新しくスタートするKBS 2TV「グッド・ドクター」のことで気が気でないです。プレッシャーもあるし。すべての作品が終わるたびにすっきりしながらも寂しい気持ちもありますね。

チョ・アン:「シーズン1」が終わるときはとても悲しかったのですが、今は分かりません。終わりという感じがしないからでしょう?

キム・サンホ:昨日の夜、ふとこんな思いが頭をよぎりました。エクストリームスポーツの試合が終わった感じだと。体がぶつかってあざができても幸せな気分です。11話、12話は本当に最善を尽くして撮影しなければなりませんでした。10年、20年過ぎてもっと年をとって見ても面白いように。そんなふうになるには僕たちキャラクターの心にあまりにも潤いがないような気がしますが。

チュ・サンウク:その通りです。感情なさすぎです。これまでまったく見せなかったと思います。

チョン・ソクヒ:次のシーズンで4人の方皆に会えたらと思います。そのときはヨ・ジフンチーム長の話も聞けますように!

エピローグ
サインして日付を書いていたチュ・サンウクさんは「あ、今日は母の誕生日だった」と言い、お祝いの挨拶を残した。チュ・サンウクさん、見れば見るほど本当にいい男。そして、チョ・アンさん、これまでインタビューをたくさんしたけど、女優さんがずっと前から到着しているのは初めてだった。しかも明るくて控えめで気配りもできて。写真家も、私も心を奪われてしまった。そして私の心を根こそぎ奪ったもう一人、キム・サンホさん。表情や顔全体から感じられるオーラに本当にびっくりするしかなかった。さすが俳優。だけど、帰ってきて周りの人にとても素敵、最高と言っても誰も信じてくれない。あらら。

文:チョン・ソクヒコラムニスト

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記者 : チョン・ソクヒ