「ドラマの帝王」オ・ジウン、キム・ミョンミンとのラブシーン“夢を叶えた”

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人間は変わる。作品ごとに異なるキャラクターを演じる俳優は、その変化がさらに激しい。明るくて可愛らしい妹のようなイメージだった女優オ・ジウンも変わった。セクシーで堂々としたイメージで演技の幅を広げたのだ。実際に出会った彼女は、とても落ち着いていた。

「ドラマの帝王」の放送終了から2週目。ソウル江南(カンナム)区新沙洞(シンサドン)のあるカフェでオ・ジウンと向かい合って座った。放送終了直後、ひどい風邪で苦労したせいか、多少やつれた様子だ。彼女は「作品が終わって、緊張が解けて調子を崩したみたい。声が枯れてるけどご了承いただきたい」と申し訳ない気持ちを伝えた。

ソン・ミナというキャラクターが上手に表現できた

オ・ジウンは「ドラマの帝王」を通して、最高のスターソン・ミナに変身、エレガントで堂々としたキャラクターを演じた。前作とはかなり違う。明るくて爽やかだった彼女が大変身し、視聴者に会った。

「おそらく、ソン・ミナがしっかりして堂々としたキャラクターだから、強い眼差しで、落ち着いている中にも強さがあることを表現したかった。だから、話し方もラフにした。外見的な変化も大きかった。これまで、ナチュラルなメイクをしてきたが、今回はグラビアを撮るときにするようなカラーなどを使って印象を強くした。結果的に上手く表現できたと思う」

本当に絶え間ない努力でソン・ミナが完成された。そのためだろうか、オ・ジウンは周りからたくさんほめられた。もちろん、自身では残念だった部分があったと謙遜して言う。また、ソン・ミナを演じながら、俳優が持つ意味を改めて考えるきっかけになったと伝えた。

「これまで演技することだけでも、幸運であり、満足しながら過ごした。作品だけで認められたいと思ったし、街で人に気づかれたくないと思った。正直、“干物女”なので、どう対応すればいいかわからなかった。作品ではなく、実際顔を合わせたとき、ファンの期待が大きいと思う。それに応えることができず、ガッカリさせるかもしれないと思って、避けたのもある。最近はただ、気づいてくれれば嬉しいし、ありがたい。これから50%だけでも演技が上手な女優として見てもらえると成功だと思う」


あまりにも違ったキム・ミョンミンとSUPER JUNIORのシウォン

キム・ミョンミン、SUPER JUNIOR シウォンなどと「ドラマの帝王」で共演した。オ・ジウンは彼らと見事な共演を果たし、まったく異なる雰囲気を演出して、興味深い展開をリードした。ドラマで元恋人のアンソニー・キム(キム・ミョンミン)の前では魅力的な女性として、カン・ヒョンミン(シウォン)とはプライドの対決を繰り広げ、結局は恋人関係に発展した。

「二人はあまりにも違った。キム・ミョンミン先輩は正道を行く感じだった。台詞も変えることなく、完璧かつ正確にした。シウォンは台本を覚えたものの、台本通りにやったことがない。現場でアドリブで行われた。脚本家の要求がコミカルなキャラクターだから、自由に色々なことをオープンにしたみたい。私は守らなければならないキャラクターであるため、知らずと振り回されることもあったが、そこから外れない範囲内でやった」

オ・ジウンはキム・ミョンミンを尊敬する先輩だと明かした。さらに、新人のときキム・ミョンミンとのラブシーンを夢見ていたそうだ。今回の「ドラマの帝王」を通して夢が叶ったのだ。

「先輩との演技は本当にドキドキだった。キスシーンもそうだった。前作では女優なのかが疑わしいほど淡々とやった。ご飯を食べるシーンと同じぐらいだった。今回はかなり心配もしたし、ドキドキしてワクワクした。重要なシーンだと思ってインパクトのある表現をしたかった。だけど、心配して悩んだ時間に比べて短かったので残念だった」


新人のときに経験した試練のおかげで免疫力がついた

週末ドラマ「怪しい三兄弟」、毎日ドラマ(月~金に放送されるドラマ)「笑ってトンへ」、時代劇「広開土太王」、シットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「清潭洞(チョンダムドン)に住んでいます」など、様々なジャンルを経験した。デビュー後、成長し続けてきたように見えるが、オ・ジウンにも試練はあった。それにより女優として一歩成長したと思うと微笑んだ。

「2008年、ドラマ『憎くてももう一度』の主人公に抜擢され、8話分を撮影したが、その時間帯のドラマが廃止となったため、すべてが不発に終わったことがある。新人だったため、傷が大きくとても辛かった。しかし、むしろよかったとも思った。もちろん、私を主人公として見てくれた監督には感謝しているが、正直、自分で資格があるのかなとかなり思った。今も弱いところがあるが、最初からそんなことを経験したため、免疫力がついた」

様々な作品に出演したため、一緒に仕事したプロデューサーも多い。その中でも「怪しい三兄弟」のチン・ヒョンウクプロデューサーを恩人として挙げた。チンプロデューサーはその作品を通して新人だったオ・ジウンの才能を発見し、比重の大きいチュ・オヨン役を任せた。

「主人公として選んでくれたその心と恩が忘れられない。多くの俳優がオーディションを受けたが、私の手を上げてくれた。恩師のように感謝している。今も連絡を取っている。当時、『私を選んでくれたら、生命力のある大きな女優となって、将来、私たちが発掘した女優だと嬉しそうに話せる日が来るようにする』と話した。そのときのことを時々思い出す。今回の『ドラマの帝王』のときも相談した」

どんなキャラクターに挑戦してみたいかと聞くと「本当にやりたいものが多い」とし、「やりたいキャラクターを見てみると、シム・ウナ先輩が演じたものが多かった。『青春の罠』『美術館の隣の動物園』『八月のクリスマス』『M』など、先輩が出演した作品は落ち着いていながらも、リアルで品がある。クオリティも高い」と話した。

今は、「ドラマの帝王」のソン・ミナを脱ぎ、新しいキャラクターを着るために準備するときだ。休憩することを先に考えるはずであるが、次の作品の青写真を描いていた。

「新人として一通り終わったと思う。これからは集中力のある女優としての存在感を知らせることができる作品に出会いたい。映画に挑戦して、一般的ではない独特な感性を演じてみたい」

記者 : パク・グィイム、写真 : キム・ジェチャン