シム・ジホさん、また会えてうれしいです ― コラムニスト チョン・ソクヒからの手紙

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私だけでしょうか?ときどき、愛情を注いだドラマのキャラクターが今頃どこで何をしているのか、気になる時があります。例えば江原道(カンウォンド)牧場付近を通り過ぎながら、ふと「いくらならいい?いくらだったらいいんだ?」と叫んだKBS「秋の童話」のテソク(ウォンビン)のことを思い出したり、MBC「太陽を抱く月」のヤンミョン役(チョン・イル)を見ていると、突然MBC「思いっきりハイキック!」のユノとソ先生がその後どうなったのか気になる、こんな感じの疑問です。昨日はなぜか、突然tvN「応答せよ1997」のユン・テウン(ソン・ジョンホ)を思い出したりもしました。思いやりのある真のリーダー、ユン候補は果たして大統領選挙運動を続けていたのでしょうか。このような視聴者の心理をあらかじめ配慮したのか、ときどき“数年後”という字幕と共に結婚式の写真や子供たちの写真を映しながら締めくくるドラマもあります。SBS「シークレット・ガーデン」やMBC「私の名前はキム・サムスン」がそうでした。

心の奥に自分だけのキャラクターが一人くらいはいますよね

そういう意味ではKBS青少年ドラマ「学校」シリーズは、思い出す人物が結構多いドラマです。いちいち数えきれないほどたくさんいます。そういう訳で、再び始まった「ゆれながら咲く花」もスタートからすでに大きな反響を得ています。見ていたら「学校1」でのペ・ドゥナ、チェ・ガンヒや「学校2」でのハ・ジウォン、キム・ミニが演じたキャラクターのように、ちょっと変わった魅力のあるキャラクターが記憶に残ります。中でも特に「学校2」で反抗的だったハン・テフン(シム・ジホ)のことを思い出しました。もしかして、思い出せない方がいるかもしれませんね。「不道徳なことは我慢できるけど、不利益なことは我慢できない」という台詞は、今でも私の胸に深く刻まれているハン・テフンの一言です。その少年の性格を露骨に表した台詞でした。不道徳なことを見て見ない振りをするだけでも魅力が半減するのに、それだけではなく、自己中心的で小心者であり、潔癖症のような症状も少しありました。一言でいうと最悪なタイプでしたが、なぜか妙に惹かれるタイプでもありました。

そして時が経ち、KBS「ファミリー」でカフェのオーナーであるチャ・ジホ(シム・ジホ)を初めて見た日、しばらくの間一人でへらへら笑いました。大家さんの娘であるヨル・ヒボン(パク・ヒボン)に「ゴミみたいなものは早く片付けて下さい」と文句を言っていたシーンがありました。私たちのハン・テフン、その若者が十年以上も経った今、突如現われたのです。背も伸び、肩幅も広くなったようで、清楚な服装をしていたからか、さらにかっこいいハン・テフンがそこにいました。黒いエプロンがこんなにかっこいいファッションアイテムになるとは思ってもみませんでした。だがら、格別な愛情を持って彼を見守るしかないのです。ですが、ドラマの序盤ではあれこれ文句を言っていて、言葉遣いが悪い若者として描かれていたので、そのことが少し残念でした。一途に彼の味方にはなれないし、正直言ってチャ・ジホは不道徳なことを見ても、見ていない振りをしますが、不利益なことだと絶対に見逃さない人物ですから。本来の性格は何年経っても変らないと思いながら、また笑いました。

進化したシム・ジホさん、歓迎します

しかし、チャ・ジホは少しずつ人々の心の奥に入り込んでいきました。自信のないヒボンを「ヘラボンネス」だとか「おばさん」だとか、からかう振りをしながら助けてあげたり、世話をしたり、また誰かがブスだと中傷すると、直ちに懲らしめます。絶対にぐずぐずしないのです。ヒボンの巻き上がった前髪と露出したおでこを見て、いつもからかっていましたが、先週の放送でストレートパーマをかけたヒボンに以前の前髪に戻せと、文句を言っていました。今までこんなに似合わないようで似合うカップルは見たことがありません。不調和でありながら調和していると言えば良いのでしょうか。一寸の誤差も許さないチャ・ジホが、大雑把なことこの上ない、ざっくばらんなヒボンのことが好きだということは理解できませんが、おそらくチャ・ジホは彼女の真っ直ぐな内面に惹かれたのでしょう。考えてみたら、ハン・テフンではなく、演技者シム・ジホさんの安否が気になります。ときどきドラマを通じて彼に会えましたが、ハン・テフン特有の魅力が見れなくて残念に思っていました。もう一度彼の魅力を感じることができて、いや何段階も進化して戻ってきたシム・ジホさん、両手を広げて歓迎します。

チョン・ソクヒ(コラムニスト)より

記者 : チョン・ソクヒ、翻訳 : チェ・ジョンファ