「蒼のピアニスト」刺激的な設定は“非現実”ではない

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緊迫した展開と刺激的設定とともに“真の感動”も期待したい

一部の視聴者は「蒼のピアニスト」に登場する話が「あまりにも現実感がない」と批判する。自身が産んでいない子供を利用して会長に就任する母、腹違いの兄が家に来た瞬間から不幸な毎日を送った息子、そして偶然に変わった楽譜など「蒼のピアニスト」の展開は多少刺激的で、偶然に偶然を重ねたかのように見えたりもする。

写真=SBS

終わらないトラウマに苦しむキャラクター

9月1日に韓国で放送された「蒼のピアニスト」第5話では、インハ(チ・チャンウク)が母のヨンラン(チェ・シラ)に「僕はまだ抗うつ薬を飲んでいる。地下鉄にも乗れず、建物に入ると非常口から探す。捨てられた事実から誰の愛も受け入れられないようだ」と自身の苦しみを吐露する。このようなインハにヨンランは「火災の日にあなたを助けなかったのは、ジホが着ていたウサギのパジャマで間違えたためだった」との事実を告白する。

事故当日の記憶に苦しみ続け、腹違いの兄の存在を消したがる弟。更に、母さえも自身を捨てたとの思いから、誰にも心を開くことができず、毎日をうつ病に苦しむキャラクターは、現実にはあまりいなそうな存在のように思えたりもする。しかし実際の生活であまり見当たらない人物や事件だからといって、まったく蓋然性がないとは言えない。「蓋然性」というのは、「現実で起こり得る可能性」を指す言葉で、実際このようなトラウマに苦しみながら生きている人もいるからだ。


「蒼のピアニスト」は“無惨な現実”を集約して見せてくれるドラマ

韓国人が最近になって頻繁に接する事件がある。それは“児童への性的虐待”だ。犯人は被害者の近くに住んでいた面識犯の場合が多く、最悪の場合、犯罪を犯した後、被害者を殺す場合もある。そして被害者が経験したであろう苦痛にまったく罪の意識を感じず、本人が犯した犯罪がどれだけ残酷なことなのかも認識せずに生きていくサイコパスも増えている傾向にある。このような極悪な犯罪が頻繁に起こる現実が、ドラマより「ありえないこと」がはびこる世の中ではないだろうか。

不倫、腹違いの兄弟、家の火災などは、我々が実際の生活でいくらでも接することのできる、十分な蓋然性のある素材だ。そして多くのことは「偶然」発生したりする。偶然、道端で数年ぶりに知り合いに出会ったりもするし、多くの場合の交通事故は偶然発生する。すべての状況を予測できるのであれば、事故は起こらないだろう。

「蒼のピアニスト」の刺激的な素材の活用と、偶然が重なる設定は、ドラマを多少“マクチャンドラマ(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)”のように見せたりもする。しかし、一時間半くらい放送されるドラマでは“ありえそうな無惨な出来事”がたくさん起こり、これにより視聴者は少なからず刺激を受ける。頻繁に発生する事件ではないとしても、十分な蓋然性を確保している「蒼のピアニスト」が、緊迫した展開と刺激的な設定だけでなく“真の感動”も伝えるドラマになることを期待したい。

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2012/12/31 (月) 21:30~26:00

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記者 : ユ・スヨン