「蒼のピアニスト」チュ・ジフン“君が演じているのは人間だと言うなら、人間らしく生きろ”

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写真=イ・ジョンミン

SBS「蒼のピアニスト」ユ・ジホ役“極端に走った感情、行く場所がなかった”

死ぬ程いがみ合って互いを苦しめた敵をどうしようもない母子関係に設定した「蒼のピアニスト」は、幸せな結末に至らなかった。チェ・ヨンラン(チェ・シラ)は、ユ・ジホ(チュ・ジフン)に母として認められたが、結局絶壁で足を踏みはずし、死を迎えた。これを知らないまま笑いながら離れていったユ・ジホに、このドラマは最初から最後まで残酷だった。

“ひどい”母性愛を描いたドラマ「蒼のピアニスト」が終わった後に会ったチュ・ジフンは、握り締めていた手から力を抜いた感じだった。彼は「逆にもっと悲しい結末を望んだ」と語った。母子が互いに刃物を突きつけるほど極端に走った人物の感情が、もうそれ以上走っていく場所がなかったためだ。

起承転結が“危機”と“解消”の繰り返しだったと言える同ドラマで演技をすることは、予想したよりも簡単ではなかったようだ。劇中でチェ・ヨンランのせいで毎回濡れ衣を着せられたチュ・ジフンは「僕が新聞の1面に何回出てきたのかお分かりですか?」という反問でユ・ジホの苦労を語った。

「劇的な緊張感を与えるための危機がずっとありましたが、本当に細かく分けないと同じ話が繰り返されるように見えます。僕も同じ演技をしないため、シークエンス(物語上の繋がりがある一連の断片)に集中しました」


母と喧嘩していたユ・ジホ、実際は“優しい息子”チュ・ジフン

ドラマ「宮~Love in Palace」(2006)で名を馳せ、「魔王」(2007)にキャスティングされた時、チュ・ジフンはキム・ジウ脚本家にとって“半信半疑”な俳優であった。だが「蒼のピアニスト」のチェ・ヨンフン監督は、善と悪が共存するキャラクターとしてチュ・ジフンが一番適した俳優だと指名した。評価が逆転するまで5年、人生の勉強まできちんとしてきたチュ・ジフンは、特有の重量感は変わらなかったが、感情演技はもう少し繊細になった。

母に怒鳴りながら涙を見せるユ・ジホからは、憎悪と憐憫を同時に感じた。最初から最後まで愛情との戦いだったドラマの中のユ・ジホとは違い、実際のチュ・ジフンは“優しい息子”だ。

「僕はもう31歳なのですが、父は早く結婚したのでまだ53歳なんです。家自体が独立的です。幼い時からあの人たちが僕の両親だと考える前に一人の男性、女性という考えが大きかったです。今僕が一人暮らしなので、母が週1回来ますが、その時は二人でデートします。また、父の友達と僕の友達は一緒にお酒もよく飲みます。幼い頃は祖父母と一緒に暮らしていて、中学校に入る前までは祖父の布団で一緒に寝ました」


特権階級ではなく、役者という職業を持つ平凡な男

ドラマが終わったので、今は好きなだけ本が読める。読書を楽しむチュ・ジフンは、自身が出演したドラマ以外にはテレビもあまり見ない。必要のない情報で頭が痛くなることを遮断するためだ。コミュニケーションのために始めたSNSも、(恋人でもない)異性の友人がいるという事実が明らかになった時、誰かが「今女と会っている場合か!」とコメントされ、SNSから手を引いた。コミュニケーションの場ではなく、とても便利な「クレームの掲示板」になったためだ。彼は「これからは、ここで僕を見ることはない」というコメントを残し、SNSから消えた。

代わりに週末のゴールデンタイムには変装しないまま明洞(ミョンドン)を歩き回ったり、遅いスピードでバイクに乗ったりして、自分の方法で楽しみながら世界から情報を得る。チュ・ジフンはある先輩のアドバイスを思い出した。「君が演じているのは人間なのか?それならただ人間のように生きろ」

「僕は悪口もよく言うし、まだ中学校の時の友達に会って一緒に遊ぶ普通の男です。役者という職業を選んだ人で、芸能人だからといって特権階級ではないですね。それで僕は、『国民の知る権利』という言葉が別に好きではありません。権利があるなら、僕にはプライベートをオープンにしなければならないという義務もあるわけですから。芸能人が『公開された人』という意味で、ある程度社会的な責任を持つということには同意しますが、公務員と同じ公人ではないと思います」

計算するのは好きでないと言うチュ・ジフンが一番明確に答えられない質問は、これからの計画だ。「面白いことをし、これだと思わせる作品をする」と言う彼は、今は映画やドラマより旅行に行きたいと話した。運が良ければ閑静な田舎の道路を、バイクに乗って遅いスピードで走るチュ・ジフンに出会えるかもしれない。

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2012/12/31 (月) 21:30~26:00

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記者 : イ・ジョンミン、イ・ヒョンジン