“T-ARA騒動”個別活動にも影響…“ふんばる”だけではいけない

OhmyStar |


T-ARAの“ふんばり戦略”…失敗する可能性が高い

T-ARAの元メンバーファヨンがコアコンテンツメディアを脱退して以来、T-ARAへの逆風が強い。“ファン”は“アンチ”に変わり、ファンの気持ちを変えるのは難しいように見える。

芸能人には2つの次元がある。一つが“人々がT-ARAに求める姿”だ。これは“何があっても、たとえメンバー同士で揉め事があったとしても、この姿を決して人々に見せてはいけない”。

それはなぜだろうか。人々はメンバー同士の不仲が直接表に出るよりは、メンバー同士の友情と団結を強調する“ドラマのようなファンタジー”を願っているためだ。たとえ、それが嘘であっても、宿舎に帰れば大喧嘩をしていても、メンバー同士の不仲を人々に見せてはいけないのだ。

ところが、この“人々が求める姿”は完全に崩壊し、もう一つの次元である“想像の裏に隠されていたT-ARAの姿”が表れた。何人かのメンバーがファヨンを無視するようなコメントをSNSに掲載したのだ。これはファンに不仲を見せてはいけないメンバーが、自ら自分たちの不仲を認めた格好となった。

あるメンバーはSNS上でファヨンのフォローをやめるところまで人々に見せてしまった。“隠すべき姿”が赤裸々に表れたのだ。人々が願うファンタジーとは正反対の姿が彼らの現実として表れた。これで“人々がT-ARAに求める姿”と“想像の裏に隠されていた姿”という2つの次元は、正反対の位置に置かれることになる。


“2つの次元”が同時に…ファンはアンチへと

2つの次元を仲介する役割がコアコンテンツメディアのキム・グァンス代表にかかっていた。しかし、彼は最悪の選択をする。T-ARAを構成している2つの次元を1つにまとめるのではなく、メンバーファヨンを捨てる戦略を取ったのだ。

人々のファンタジーとガールズグループメンバーの不仲という現実を収めなければいけないキム代表は、メンバー1人を脱退させることが最善の選択だと判断を間違い、ファヨンを捨てる。これはT-ARAが人々からバッシングされる大きな理由となる。泣く子をなだめず、孤児院に捨てたようなものだからだ。

人々が怒るのは当然である。自分たちがイメージしていたT-ARAのファンタジーが終わってしまうのは、人々の想像を崩す仕打ちだ。さらに仲介役になることを諦め、メンバーを捨てることになると、T-ARAをめぐる2つの次元を同時に見た人々をファンからアンチに変えてしまう。

それでもまだ判断を誤っているように見える。耐え忍んでいれば、人々はすぐ態度を変えることになると信じているようだ。芸能人が不祥事を起こすと、ほとんどは自粛する。一切の活動を中止し、人々の怒りが収まるまで謹慎するのだ。

しかし、T-ARAはこれとは反対の選択をする。11日に予定されていたコンサートを中止にしたり、音楽番組への出演などのグループでの活動は一時的に中断したものの、メンバー個人の活動は止めていない。これは意地を張っているようにしか見えない。


無理な“ふんばり戦略”…今はそれどころじゃない

それでは、この作戦が功を奏して人々の怒りが収まってきたのかというと、それは違うようだ。ソヨンが出演しているKBS 2TV「海雲台(ヘウンデ)の恋人たち」は、月火ドラマの中で視聴率が最下位となっている。毎回指摘される演出上の問題もあるが、ソヨンが出演するという理由一つだけでも好感が持てないドラマになってしまったためだ。

MBC金曜ドラマ「千番目の男」も同じだ。新鮮な題材や演出で好評を受けたが、成績はあまり良くない。様々な理由があるだろうが、そのうちの一つは人々がヒョミンの出演を受け入れられず、他のチャンネルに回しているためだ。

このように、突っ張り作戦は、成功よりは失敗の可能性のほうが高い。所属事務所は、人々の憤りのレベルをまだ理解できていないようだ。または“小雨に服が濡れるとは思わない”という韓国のことわざのように、持続的にテレビで顔を見せれば、人々の怒りもいつかは好感に変わるだろうという判断ミスをしているのかもしれない。

これからは、怒っているファンたちをなだめなければならない時だ。“ふんばり”戦略はルビコン川を渡る(後戻りのできないような重大な決断と行動をすること)ような逆効果をもたらす可能性がある。忍耐が必要な状況もあるが、今はそのような時ではない。古今東西を問わず、人々の心をつかめない指導者は100%失敗してきた。ましてや、人々の人気を食べていくガールズグループは言うまでもない。

記者 : パク・ジョンファン、写真 : イ・ジョンミン