イ・ジェフン ― 「Bleak Night」から「ファッションキング」まで様々な姿を見せる意味

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イ・ジェフン。この俳優を表現する特定の言葉は無い。例えば、“恋愛の王子”や、“カリスマ俳優”あるいは“悪役の達人”など。

だが、それが逆にこの俳優の強みとなっている。昨年二本の映画で彗星のように登場し、今年は映画とドラマで活躍している。

映画「Bleak Night(原題:番人)」は、イ・ジェフンという俳優の存在を人々にはっきりと印象づけた作品だ。彼は、学校の内外で形成される権力に悩む若者の姿を、リアルに演じた。

同映画でのイ・ジェフンは、舵の壊れた船のように混乱に陥ったギテを、派手ではなく、説得力を以て表現した。舌にそっと広がる苦味のように、ギテは私たちの脳裏に刻みこまれた。

「高地戦」は、イ・ジェフンにとっては新たな挑戦となった。商業映画への初めての挑戦だったためだ。スタッフの指示と先輩役者との共演を通して彼はチームワークを学び、互いにやりとりする演技を通してリアクションの意味に気づいたという。

実際にoh!my starとのインタビューで彼は「出演者の中では若いほうだったし大規模な撮影だったので、緊張の連続だった」と語った。それだけこの映画はイ・ジェフンにとって多量の汗を流すこととなった作品である。乾く余裕のなかった彼の軍服のように、映画「高地戦」は、“塩辛い味”として記憶されることだろう。

写真=ミョンフィルム
写真=SBS

甘味と苦味が共存する、それぞれ違うイ・ジェフンを味わう機会

「挑戦を楽しむ。休まず作品に出演して、他のことは考えない」

これはイ・ジェフンの所属事務所関係者が語った彼の長所だ。この言葉のとおり、今年に入ってイ・ジェフンは映画「建築学概論」とSBSドラマ「ファッションキング」に出演し、映画とドラマで絶えず自分の姿を人々に印象づけている。

「建築学概論」では過去のスンミンを演じ、心ときめく初恋の感動をそのまま伝えた。ここでのイ・ジェフンの魅力は、その初々しさにあった。相手役のmiss Aのスジと息を合わせ、彼は未熟ながらも恋をすることで成長していくスンミンの姿を立派に演じた。映画は現在、観客動員数402万895人を記録し、韓国の恋愛映画での観客動員数第1位を記録した。

そのイ・ジェフンがSBS月火ドラマ「ファッションキング」では、気難しい人物を演じている。自身の成功を強く望むチョン・ジェヒョクに扮したイ・ジェフンは、同ドラマでは鋭い性格のチャドナム(クールな都会の男)だ。チョン・ジェヒョクには、他の人には理解できない痛みと傷があり、そのため“成功”に対しての執着も人一倍強い。

イ・ジェフンにとって今は、映画とは違うドラマでを通して、俳優として一段階成長するための転換期なのだ。忙しくハードなスケジュールになるだろうが、多くのファンと視聴者にとっては、俳優イ・ジェフンの多様な姿を見ることができる絶好のチャンスにもなる。今こそ、俳優イ・ジェフンの本当の姿を知る大事な時期だ。

記者 : イ・ソンピル、写真:イ・ジョンミン