映画「ハナ~奇跡の46日間~」唯一の元気キャラ?チェ・ユニョンに任せた!

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写真=Tエンターテインメント

チェ・ユニョンの生活探求Ver.1.0…演技とバラエティ両方に興味を持つあなたは欲張り!

1991年の南北合同卓球代表の実話を描いた映画「ハナ~奇跡の46日間~」では、確かに出演者の様々な演技が披露されたが、その中でも北朝鮮代表を演じた役者たちが、より注目を集めた。

難しい北朝鮮の訛りやカリスマ性のある目の色で、演技が一段と上手くなったとの評価が次々と上がってきた。キム・ウンス、ハン・イェリ、ぺ・ドゥナ、イ・ジョンソクで構成される北朝鮮代表の顔ぶれは、新旧のハーモニーとともに演技力までも揃えたという評価を受けている。

このような状況の中、韓国代表チェ・ユニョンが現れた。実はチェ・ユニョンは映画で最も難しいミッションを上手くこなした。“元気キャラ担当”とでも言うべきだろうか。もし「ハナ~奇跡の46日間~」にチェ・ユニョンがいなかったとしよう。終始笑顔を絶やさない彼女がいなかったら、映画は一層シリアスで重々しい空気になったのではないだろうか。

チェ・ヒョンジョンの実際のモデルは、1991年当時、卓球代表を務めたホン・チャオク選手だという

チェ・ユニョン、実はハツラツではない…不治の人見知り?

「映画を見るとみんな、重く、控えめに演じているじゃないですか。監督から、私だけでも明るく、ハツラツに、トーンも高くして欲しいとの要望がありました。そのような雰囲気の中で演じるのは大変でした。私は私なりに悪くなかったと思ったんですが、レビューを見ると、一人だけ明るすぎなのでは、との指摘がありました。傷つきました!(笑)」

初めて挑戦したとする卓球ももちろん大変だったが、演技の面で難しかったこととしては“元気なキャラクター”を挙げた。新人女優に一人だけ別のトーンを要望するのが、難題であることは確かな事実。しかし、本人の性格どおりそのまま演じればいいのではと尋ねると、彼女はひどい人見知りだと答えた。性格に問題があるのではないか、と思うほどひどいレベルだと言う。

「本当に激しい人見知りです。役者をはじめたときは、誰かが声をかけてくるまでは、ひと言もしゃべりませんでした。そういう性格だったんですが、ドラマで明るい役を演じながら、少しずつ明るくなりました。もともとたくさん考え事をしたり、空想したりする方です」

こんな中、好きな男性には先に告白するという彼女の言葉を思い出し、すぐ反撃に入った。すると「男女関係では違うと思います」と彼女特有の明るい笑みを浮かべる。とにかくチェ・ユニョンに色々な姿があるということは、女優としては良いことだと思われる。これから様々なキャラクターで違う魅力をみせてくれることを期待しても良さそうだ。

それにしても、彼女がボーっとしているのを見て、人見知りしているのだと勘違いしないように気をつけよう。それは本当にただ、何も考えずにボーっとしているだけなのだから。昔からボーっとすることで自分を充電するそうだ。

4月に行われた映画「ハナ~奇跡の46日間~」制作発表会でのチェ・ユニョン

映画に出演したくて嘘を?…「実は私…」

映画公開前の会見で、チェ・ユニョンは、当時卓球を全然したことがなかったにも関わらず、自分は卓球がうまいと言って映画に参加することになったと語った。映画に出演したくて、嘘をついたことになるが、ヒョン・ジョンファ監督はこのようなチェ・ユニョンに会い、彼女を積極的にムン・ヒョンソン監督に推薦したとのことだ。ヒョン・ジョンファ監督がチェ・ユニョンを可愛がった理由は「彼女が良い目をしていたから」だった。それはそうとして、チェ・ユニョンは、なぜ映画「ハナ~奇跡の46日間~」にそこまでこだわっていたのだろうか?

「オーディションを受ける前に、シナリオを先に読みました。修正前のシナリオなんですが、映画を見ると、私が韓国でヒョン・ジョンファ選手とダブルスを組んでいて、南北合同チームでは外されます。しかし修正前のシナリオにはその過程が書いてありました。今の映画ではただ自分の利益だけ追求する人物として描かれていますが、実は卓球にも情熱を持つ人物だったんです。それが好きで、出演したいとマネージャーにねだりました。

オーディションを受けるとき、当然卓球はうまいかと質問されました。そのとき、私がKBSに入ったころ(チェ・ユニョンはKBS21期生公採タレント出身)先輩から聞いた言葉を思い出しました。オーディションの際、何かをできるかと聞かれたら、全部出来ると答えろということでした。馬に乗れるのかとの質問に『はい、すごく上手いです』というふうに(笑)」

結局映画に出演することには成功したものの、問題はオーディションの後だった。オーディションの次の日から撮影に入ったので、彼女は徹夜で卓球の練習をしたとか。しかし、結局実力はバレてしまい、チェ・ユニョンは涙を流しながら本気で練習に集中したそうだ。彼女の映画に対する情熱は認めよう!


辛いときは焼酎一杯?…「イェリさんと時々飲んだ」

40日余りを一緒に合宿で過ごしただけに、出演者同士で色々な話もたくさんしたはず。日ごろチェ・ユニョンは、つらくても余り感情を表に出さないほうだという。それにも関わらず、今回は泣かずにはいられなかったそうだ。なぜそれほど泣いたのかと聞くと、つらいからではなく、思い通りにいかないから泣いたのだと答えた。やはり厳しいスポーツの世界だった。

チェ・ユニョンは役者の中では、合宿のときに同じ部屋を使った女優ハン・イェリとたくさん話したという。地方ロケのときは、近所の食堂で取り寄せたキムチチゲで焼酎を飲むほど仲が良かったという話だ。

チェ・ユニョンは「普段女の子同士で汗をかきながら運動する機会はないけど、今回一緒に運動してみると心が通じ合うのを感じた」と不思議がっていた。この隙を狙って、軍隊の話を持ち出した。特に入隊してすぐ受ける新兵教育隊では、6週間をともにして別れる際、男同士で泣きあうという話に、チェ・ユニョンは「激しく」共感した。軍隊の話が必ずしも退屈なわけではない。


チェ・ユニョンまとめ…新人らしくない演技と情熱

チェ・ユニョンは実はまだ新人という言葉がふさわしい女優だ。「ハナ~奇跡の46日間~」が映画デビュー作であるので特にそうだ。インタビューも舞台挨拶もすべてが初めてだというチェ・ユニョンだが、「映画は撮ってからが、さらに忙しく楽しい」とポジティブに振る舞っていた。普通役者たちは映画のPR日程を仕事だと思って、負担に思いがちだが、「PRも映画を撮った後、大変重要だ。チャンスを活かすべき」だとし、「バラエティ番組にももっと出演したい」と積極的な意思を見せた。

インタビューが終わるころ、ぺ・ドゥナがサプライズで訪問をした。彼女もやはりカフェでのインタビューのために来ていたのだが、チェ・ユニョンの声を聞いて来てくれた。「頑張ってね~」と頭をなでるぺ・ドゥナに親しげに振る舞うときは、まさしく明るいチェ・ユニョンだった。

チェ・ユニョンは、したいことの多い女優だった。今後の抱負を聞くと、「具体的に全部言える」と、一つ一つ挙げていった。

「まずはアクション!」卓球をしながらアクションに挑戦したいと思うようになったそうだ。そして映画「モンスター」(2003)のシャーリーズ・セロンの様に、自分とは違う、ボロボロの役で自分を全部むき出しにした演技をしてみたいという。少しでも若いときに、とキャンディ(漫画キャンディ・キャンディの主人公、お転婆な少女の意味)をイメージしたラブコメディも挙げていた。

それでは結論は?チェ・ユニョンは「今は来るのを全部こなさなきゃ」と言い、笑った。彼女に、新人という肩書きよりは、女優という肩書きをつけ、今後のさらに成長した姿に期待してみよう。

音楽の好みは?「最近はダンス。特に90年代のダンス音楽を良く聴きます」

記者 : イ・ソンピル、写真:イ・ジョンミン