キム・スンウ「不倫は非難を浴びるべきこと…残された家族を考えなければならない」

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「僕がすればロマンス、他人がすれば不倫? 僕がしても不倫です」

俳優キム・スンウは4年前、映画「2度目の二十歳」(監督:パク・フンシク)のシナリオを読んだ直後に監督に戻した。既婚男性が二十歳の頃に出会った初恋の人に再び心を揺らすストーリー。見知らぬ旅先での恋であれ、熱かった初恋の思い出であれ、不倫を素材にした点がキム・スンウは気に入らなかった。

そうやって断ったシナリオは、再びキム・スンウの手に戻ってきた。「これはいけない」という気持ちは「これはいけないけど、そうなるかもしれない」という気持ちに変わり、結局監督に説得されてやっと出演を決めた。美しいイタリアで初恋の人に心を揺らすストーリー、そうなるかもしれないという気持ちで。

「見知らぬ旅先が与えるときめきを理解しようと努力しました。徹底的に主人公としての義務感で共感したというか。道徳的、倫理的にはいけないことじゃないですか。僕がすればロマンス、他人がすれば不倫? 僕がしても不倫です」

大衆には気さくな隣のおじさんのような、時には男らしいイメージで知られている彼だが、振り返ってみるとキム・スンウはメロ映画に強い俳優だった。本格的に彼の名を知らせた映画「花を持つ男」(97)から「男の香り」(98)、「浜辺の女」(06)から「恋愛の耐えられない軽さ」(06)に至るまで。自分で書いているシナリオも小説の中のヒロインと恋に落ちる男の物語を描いたメロ映画だという。

「いつもメロが好きだったし、どの映画にもメロが加わるべきだと思います。一番好きなジャンルがメロでもありますし。年を取ったら成熟した感じのメロをしてみたかったけど、『2度目の二十歳』はそんな感じとは程遠いでしょう?(笑) 監督から僕を念頭に置いてシナリオを書いたと聞きましたが、つまらないキャラクターじゃないですか。でも楽しくやりました。20代の時は今の僕の年齢、つまり40代の先輩たちは考えも行動も違うだろうと漠然な幻想を持っていました。でもいざその年になってみたら、自制をするだけであって、物心が付いてないのは同じでした(笑)」

彼は「2度目の二十歳」はすべての人が共感できそうな映画ではないと言った。純粋な愛、変わらない愛に対する幻想を持っている観客ならなおさら。

「僕はマクチャン(日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ) と呼ばれるドラマを見ないし、好きでもありません。基本的に不倫を扱ったドラマも好きじゃないです。だから『2度目の二十歳』を選ぶことは容易ではありませんでした。明確に整理されていない状況で新しい恋を始めることは非難を受けるべきことです。でもうちの映画の結末はそんな結末ではないじゃないですか。ミング(キム・スンウ)はミンハ(イ・テラン)に感謝すべきだと思います。もしミンハとの新しい恋が始まったら、残された家族はどうなりますか。無責任じゃないですか」

記者 : キム・スジョン、写真 : ムン・スジ