「ベルリンファイル」壁を崩し、強固に積み上げたアクション

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(C)CJエンターテインメント
21日、映画「ベルリンファイル」が姿を現した。ハ・ジョンウ、ハン・ソッキュ、チョン・ジヒョン、リュ・スンボムまで、誰一人として欠かせないキャスティングで注目を浴びていただけに、いつにも増して取材の熱気は熱かった。

「ベルリンファイル」で大きな軸を担当したハン・ソッキュは、過去に「シュリ」の主人公も務めたことがある。まだ彼が熱演した「シュリ」のユ・ジュンウォンを忘れずにいる人も多い。「韓国の大作映画の歴史は『シュリ』以前と以降に分けられる」という言葉が生まれるほど、「シュリ」は韓国映画の名作として挙げられて来た。しかし、これからは次のように言っても良さそうだ。これから韓国の大作映画の歴史は「ベルリンファイル」以前と以降に分けられる、と。

なぜベルリンなのか?

リュ・スンワン監督は何故映画の舞台をベルリンにしたのかという質問に対し、「冷戦時代のベルリンの街は、10人に6人がスパイだったと言う。冷戦時代が終わってもなお、その気運がそのまま伝わる、時代の悲劇が残っているベルリンで、自身を隠して生きて行く、それだけ謎めいて危険な人物たちの話をしたかった」と明かした。

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「ベルリンファイル」は混乱と混沌の都市だ。ベルリンの壁が崩壊したように、映画の韓国と北朝鮮、敵と味方の境界線もまた崩れてしまう。味方だと信じていたトン・ミョンス(リュ・スンボム)は、ベルリンを手に入れるために一瞬にして敵になり、事あるごとにピョ・ジョンソン(ハ・ジョンウ)を妨害した国家情報院の要員チョン・ジンス(ハン・ソッキュ)は、トン・ミョンスの陰謀により危機に晒されたピョ・ジョンソクの側に立つ。

彼はピョ・ジョンソンの妻リョン・ジョンヒ(チョン・ジヒョン)が自身を見て驚くと、味方だと言いながら彼女を安心させる。誰が敵で誰が味方なのか見分けられず、昨日の味方が今日の敵となるのが「ベルリンファイル」であるわけだ。

大作映画、その中に照らされた南北関係

「ベルリンファイル」は北朝鮮の秘密要員ピョ・ジョンソンに代弁される北朝鮮と、国家情報院の要員チョン・ジンスで韓国を登場させる。「ベルリンファイル」は「シュリ」「JSA」に次ぐもう一つの南北関係をテーマにした映画だ。しかし映画の舞台は韓国でも北朝鮮でも、その境界でもない「ベルリンファイル」だ。

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ベルリンは理念と利害において韓国にも北朝鮮にも属さない空間だ。今までの映画が韓国と北朝鮮の縮まらない間隙により発生した悲劇を描いてきたとすれば、「ベルリンファイル」はその境目を徐々に崩す。第3の国であるベルリンで、南北、そしてそれなりの利害関係で集まった各国による惨劇は、国土と民族の区分がどれだけ虚しいことなのかを悟らせる。

「ベルリンファイル」は韓国映画のアクションを一段階引き上げ、韓国映画が一歩前進したことを見せると同時に、南北関係は依然として危うく、お互いに堂々巡りをしているということを悟らせてくれる。また冷戦時代を経てベルリンの壁が崩れたように、南北の見えない壁もいつかは崩れることを夢見る。派手なアクションの中に南北関係を溶け込ませた「ベルリンファイル」にとって、観客動員数1000万人突破の壁はそう高くなさそうだ。

記者 : イム・ジュヒョン