演技と音楽間を行き来するアイドル達…演技ドル全盛期

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もはや演技ドル(演技するアイドル)の全盛期だと言ってもよいだろう

演技するアイドルを縮めた略語の「演技ドル」は、以前はアイドルグループの演技挑戦として、たまに話題になっていたが、最近はこれも頻繁になり、もう一つの「活動領域」として位置づけられた。そしてボリュームが増えたことで、自然にクオリティも高まった。過去の演技ドルは通過儀礼の一つとして「歌手出身ゆえの演技力不足の論議」があったが、最近の演技ドルは、デビュー前から演技レッスンを受け、地道に実力を積んできたため、「挑戦」よりは「実践経験」に近いようだ。

2011年「ドリームハイ」で注目されたmiss Aのスジは、2012年上半期、映画「建築学概論」を経て、KBS 2TV月火ドラマ「ビッグ~愛は奇跡~」に出演している。劇中でスジが演じるキャラクターは、カン・キョンジュンだけを強く想う高校生のチャン・マリ。無鉄砲で個性の強い人物だ。映画での大学新入生で、清楚で哀れな初恋の対象から、ハツラツな10代に戻ったのだ。両作品の中の年齢はスジの実際の年齢(19歳)に近いが、キャラクターが両極端であるだけに、スジの演技も自然にこれに合わせられている。

バンドCNBLUEは、演技と音楽の間をスムーズに行き来する代表的なグループだ。ジョン・ヨンファは2010年にCNBLUEとしてデビューする前の2009年、ドラマ「美男ですね」を通じてその顔を知らせており、「オレのことスキでしょ。」にも出演した。また、ドラマーのカン・ミンヒョクは、KBS 2TV週末ドラマ「棚ぼたのあなた」で、チャ・ユニ(キム・ナムジュ)の弟のチャ・セグァン役を熱演している。ギターを弾くイ・ジョンヒョンは、SBS週末ドラマ「紳士の品格」に出演している。イム・メアリ(ユン・ジニ)と絡み合う、ある秘密を持つコリン役だ。皆、歌手であることを知らない状態で見たら、新人俳優だと錯覚するほどだ。

彼らと比較すれば、少し遅く演技ドルの流れに合流した人もいる。JYJのジェジュンだ。2004年、東方神起としてデビューしたジェジュンは、2010年に日本のドラマ「素直になれなくて」に出演した後、「ボスを守れ」からMBC週末ドラマ「Dr.JIN」まで、着実に演技経験を積んでいる。「ボスを守れ」の出演当時から安定的な演技を披露したジェジュンは、今や時代劇までこなし、演技の幅を広げている。

その他、MBC月火ドラマ「光と影」のホ・ガユン(4Minute)、SBS水木ドラマ「ファントム」のジオ(MBLAQ)、SBS週末ドラマ「おいしい人生」のヘリ(Girl's Day)等が最近、演技ドルとして活躍している。

また、制作サイドも、演技ドルの存在を無視できない。ジョン・ヨンファや、KBS 2TV月火ドラマ「ビッグ~愛は奇跡~」に出演中のシン・ウォンホ(CROSS GENE/シン)のように、デビューそのものをドラマからする場合を除けば、アイドルグループのメンバーが出演する話題性は相当なものであるためだ。勿論、自然に劇中に溶け込む想定は必要だが、一般の視聴者とファンダム(熱心なファンによって形成されたサブカルチャー)という一石二鳥のメリットがある。ドラマの制作段階から企画されるテーマ曲に、演技ドルが所属しているグループの曲を収録できるメリットもある。ドラマの音楽が以前より良いクオリティを求められる状況で、グループからのサポートは頼もしいものだ。

アメリカ、日本の芸能人が早くから歌手と演技者の境目なく活動したように、アイドルグループのメンバーのドラマ、映画出演は、いつのまにか自然なことになった。グループもドラマも話題になる相乗作用を得るために、何より重要なことは地道な努力だ。専業の俳優と比較しても遅れを取らないほどの実力は基本だ。表だけ派手に飾って話題を作るのではなく、毎回の経験を通じて実力を積むことが何より大事だ。どうせ俳優でもないのに、なぜそんなにきつくするのかと思うかも知れないけれど、とんでもないことだ。よくできるものを上手くやるときよりも、不慣れなものを上手くやるために頑張るときに、人はより感心するのだ。

記者 : イ・オンヒョク