Vol.1 ― イ・スンギ“僕の演技は65点……目標は100点”

OSEN |

イ・スンギ(25)とのインタビューは、一つのバラエティ番組を見るようだった。彼のユーモアのある話し方に最初から最後まで笑い、スラスラと出る飾り気のない答えに内心何回も驚いた。事前に約束した時間が過ぎた後も、もっと質問してもいいと言いながら記者を配慮した。

先月24日に放送終了したMBCの水木ドラマ「キング~Two Hearts」で俳優として一段階成長したイ・スンギと、8日ソウル江南区(カンナムグ)清潭洞(チョンダムドン)のあるカフェで会った。2004年のデビュー後、8年ぶりに初めて行われたメディアインタビューだった。彼の人気もあって、30社余りのメディアが参加した。同じ話を繰り返して大変だっただろうが、イ・スンギはテレビの中のハンサムで性格まで良い25歳の青年そのままだった。

2006年KBS 2TVの週末ドラマ「噂のチル姫」でドラマデビューした彼は「華麗なる遺産」(2009)「僕の彼女は九尾狐」(2010)を経て歌手だけでなく、俳優としても好評を得た。

「キング~Two Hearts」でイ・スンギが演じたイ・ジェハは、分別のない韓国の王子だったが、突然国王になってから朝鮮半島の平和と、愛する北朝鮮出身のキム・ハンア(ハ・ジウォン)を守るため奮闘するという、複雑なキャラクターだ。

「本当に今回のドラマは、多くのことが勉強になりました。これまで演技をしながら上手くできているのか緊張しました。演技を楽しむ方法を習ったと言えるでしょうか。今まで演技をする時、どういうふうに台詞を言うのか、感情を伝えるのかに気を使ったとすれば、今回のドラマではジェハがなぜこのような感情を感じることになったのか悩むことになりました。イ・ジェギュ監督が『本当に演技をしなさい』と言ったけど、最初はその“本当”という言葉の意味がよく分かりませんでした。でも、演じながらその意味が分かりました」

イ・スンギは、今回のドラマで出演を決めた3日後から台本の練習に参加し、一週間後には初の撮影を行った。そのため、キャラクターの準備に十分な時間が与えられたわけではなかった。準備期間が短いという負担にもかかわらず、イ・スンギはひたすらイ・ジェギュ監督と相手役のハ・ジウォンを信じて出演を決めた。

彼は「視聴率が5%だったとしてもこの作品をしたことを後悔しないはず」とし、「俳優として絶対にイ・ジェギュ監督と演技したかった」と監督に対する信頼を示した。

また、ハ・ジウォンに対して「イ・ジェギュ監督がハ・ジウォン先輩を“千万ドルの女優”だと言ったけど、僕もそうだと思う。本当にどんな瞬間でも演技に対する情熱がすごい。拍手を送るしかない女優」と尊敬の気持ちを表現した。


自分にとって毒になるような、同じ演技はしない

「キング~Two Hearts」は、初回放送で16.2%(AGBニールセン・メディアリサーチ集計、全国基準)を記録し、水木ドラマ視聴率1位でスタートを切ったが、最終話で11.8%になり、地上波3社のうちでは一番低い結果となった。

前作の「華麗なる遺産」(2009)が視聴率40%を超え、「僕の彼女は九尾狐」も20%を超えるなど人気を博してきたため、「キング~Two Hearts」の期待水準に満たない視聴率は残念に思えるはずだった。

だが、イ・スンギは違った。まず先輩のハ・ジウォン、イ・ソンミン、ユン・ジェムンに演技のコツをたくさん学んだ。そして、大先輩のイ・スンジェとユン・ヨジョンから役者としての志やこれからの役者としての人生についてのアドバイスを聞き、そのまま胸中に刻んだ。

特に、イ・スンジェはイ・スンギに演技力を向上させるために芝居をやってみろとアドバイスしたとのことだった。イ・スンジェのアドバイス通り、イ・スンギは演劇のステージに立ちたいと言った。このように多くを得ることができた作品だったため、彼にとって視聴率は重要ではないのだろう。

「視聴率について残念に思わないのかとたくさんの方から聞かれましたが、本当に『キング~Two Hearts』を通じて役者としてたくさん学びました。もし視聴率だけを見て今までしてきたハツラツとしたキャラクターを続けたとすれば、後ほど毒薬処方が必要になったでしょう。一日、二日演技して止めるつもりではないので。『キング~Two Hearts』は、僕が役者としてやり直すことのできる作品でした。視聴率が5~60%になっても、僕にとって毒になるような同じパターンの演技はしたくありません」

インタビューの途中で、イ・スンギ自身の演技に対して点数を付けてほしいとお願いした。しばらく悩んだ末に出した返事は、イ・スンギらしい機転の利いた言葉だった。「65点にします。もちろん目標は100点でしょう。100点になるために努力します。心の中の点数は別にあるけど、謙虚でなければならないので対外的には65点にします(笑)」

記者 : ピョ・ジェミン