Vol.3 ― イ・スンギが選んだ「キング~Two Hearts」の名場面ベスト4

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※この記事にはドラマ「キング~Two Hearts」の結末に関する内容が含まれています。
写真=MBC

イ・スンギ&ユン・ジェムン、“ラブシーン”を撮ったような感覚になった理由

20話で構成されたドラマMBC「キング~Two Hearts」のイ・ジェハは多くのことを経験した。分別のない王弟で北朝鮮軍の将校、キム・ハンア(ハ・ジウォン)に出会って恋に落ち、兄(イ・ソンミン)を失う悲しみを経験し、王になってからはクラブMのキム・ボング(ユン・ジェムン)と対立しなければならなかった。側近だった秘書室長ウン・ギュテ(イ・スンジェ)の裏切りも経験し、愛するハンアと何度も別れと再会を繰り返した。

そのすべてのシーンを演じたイ・スンギにも“心に残るシーン”はあったはず。「キング~Two Hearts」を通じて「演技が面白くなった」と言う彼に、「『キング~Two Hearts』の名場面」を挙げてほしいとお願いした。最初は「多すぎる」と言って断ったイ・スンギは、熟慮の末に4つのシーンを選び、エンディングシーンと関連したエピソードも聞かせてくれた。


名場面1. ジェハ、ハンアと夢の中で再会する

彼が最初に挙げたシーンは、ボランティア活動で海外に行ったキム・ハンアとバン・ヨンソン(ユン・ヨジョン)が拉致された後、それがキム・ボングの仕業だと分かっていながらも連絡する方法がなくて気をもんでいる状況で、ジェハが夢を見るシーンだった。これは、5月10日の16話で放送された。

「このシーンは様々な角度から撮影したので10回は撮りましたが、撮りながらずっと泣いていました。もともと泣くシーンではなかったし、台本にも泣くという設定はありませんでした。ここで泣くとジェハが泣き虫のように見えるかと思って我慢しましたが、本当に愛する人が亡くなってからまた戻ってきたような感じがして心の中から何かが込み上げました。愛する人に会いたい気持ち、切迫さ、再会したことからの安堵、幸せ……。そのような感情が全て感じられたシーンでした」


名場面2. ハンア、収容所でジェハに抱きしめられる

中国に逃げていたハンアは、公安に捕まって収容所に送られたが、怪我した腕を治療するために来た医師の携帯電話を奪ってジェハに連絡することに成功する。ジェハは、近衛隊と共に収容所に押しかけ、強制的に移送されていたハンアを探す。だが、銃に撃たれて倒れたハンアを見てジェハは嗚咽する。5月17日に放送された18話のシーンだ。

「収容所でのシーンは、実際に放送されなかったんです。この間日本武道館での公演で大きいスクリーンに映し出されているものを見ましたが、ジーンときました。ステージに上がるリフトに乗る前なのに涙が出てしまって……(笑) もともと違う角度でもう一度撮るべきだったのですが、イ・ジェギュ監督がとても感情表現が良いと一度でOKサインを出したシーンでもあります」


名場面3. ジェハ vs ボング、口喧嘩なのに手には汗が……

彼が3つ目に選んだシーンは、キム・ボングと単独面談を行うシーンだった。先王である兄の死の背後にキム・ボングがいるという事実に気付いたイ・ジェハが彼を呼び、話を交わす。キム・ボングは、「おまえの兄は私が殺したぞ!」とイ・ジェハをからかい、イ・ジェハは彼が嫌だと思う実名を利用して鋭く対抗する。手に汗握る二人の舌戦が見事だったという評価だ。これは、4月19日の第10話で放送された。

「本当に頭が痛いほど没頭して撮ったし、演技する時“力を抜く”ということが何かを経験したシーンです。台本だけで7ページでした。二人が座ったまま話すのに、その人のために泣きそうになったり、怒ったりする感情が交錯しました。ユン・ジェムン先輩の顔だけ見て演技しました。撮りながらとても興奮したし、後日『先輩とラブシーンを撮ったようでした』と話すほどでした。ユン・ジェムン先輩もキム・ボングの狂気と毒気を全て吐き出すシーンを撮ってから泣きました」


名場面4.“愛してる”その一言が言えなくて……

キム・ボングが没落してから4年が経ち、その間南北は持続的に交流した。しかし、未だ完全な統一とはならなかった。皇太子が放送で“オマニ(母)”という北朝鮮語を使ったことで、反発世論が起きた。これを解明する席でジェハは、ハンアの手を握って話す。「準備はできただろう。愛してる。行こう」待望のエンディングを飾った24日に放送された20話の最後のシーンだ。

「“愛してる”という台詞は僕が入れました。考えてみれば一度もジェハが愛してるという言葉を伝えたことがなかったんです。もともと台本によると、南北関係が一歩進んだが、まだ緊張が残っていて解決すべき課題が多いという主題を見せるシーンでした。しかし、監督と僕とハ・ジウォンさんで話し合って『もう少し毅然としてもいいと思う。これまで数々の危機を乗り越えてきただけに、一言で深刻になるとは思えない』という方向で意見がまとまりました」

「僕はその時、“愛してる”と言いたくて台本を探してみたけど、その言葉が見当たりませんでした。その話をしなければならないと思ったけど。実は、こういうことを言うと相手役の女優も誤解するかもしれないし。でも、イ・ジェハなら言うだろうと思いました。それで監督に意見を伝えてみると『やってみなさい』と言われ、実際にその台詞を言ってみたところ、幸いにも好評を得ることができました。それがエンディングシーンに使われました」

記者 : イ・ジョンミン、イ・ミナ