イ・ギウ「僕みたいに経歴に比べて女優に恵まれた男も珍しいだろう」

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190cmの長身に小さい顔、冷たいお金持ちの表情と、優しい男のイメージを持ち合わせた主人公、イ・ギウに会った。

2011年9月に除隊したイ・ギウは復帰作としてドラマ「美男ラーメン店」の変わったシェフ、チェ・ガンヒョクを選び、演技スタイルの変身に成功したことに続き、現在MBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「スタンバイ」でも愉快なキャラクターを演じ、注目を浴びている。


イ・ギウ、リュ・ギウにどっぷりハマる

イ・ギウが演じている「スタンバイ」のリュ・ギウは明るくて、のんびりとした性格だが、冗談もよく言う図々しいバラエティ番組のプロデューサーだ。初めてのシットコムに挑戦することへの心配もあったであろうが、今はリュ・ギウとして生きるのが楽しいそうだ。彼の高い身長と明るい笑顔がリュ・ギウにぴったりだ。

「僕とリュ・ギウの似ている点は、まずとても明るく生きているということです。明るいのが好きだけれど、軽率ではないこと。また何も考えていないわけではないけれど、考え込まないスタイルという点で似ています。だから、現場に行くのが楽しいですね」

ドラマでリュ・ギウはソミン(チョン・ソミン)にイタズラをするのが好きで、スヒョン(キム・スヒョン)を困らせるのも好きだ。しかし、イ・ギウはこんなリュ・ギウのことが理解出来ないときがある。

「僕はあまりイタズラはしません。兄弟も兄だけで、男子校出身、一緒に運動する人も男なので、男だけの文化に慣れています。友達の比率も男の方がずっと多くて、女性への接し方が難しいと感じます。でも、僕がこれまで出来なかったことを演技で出来るから、『こんな人もいるんだ』と不思議に思っています。面白いです」

それでもイ・ギウはリュ・ギウにどっぷりとハマっている。軍隊にいる間待っていたキャラクターで、全16話の「美男ラーメン店」よりも、長い間自分の演技を視聴者に見せることが出来るためだ。


190cmの長身が長所になるとは

イ・ギウはリュ・ギウを演じることが出来た大きな理由として高い身長を挙げた。しかし、彼の学生時代に遡ると190cmまで伸びるとは想像も出来ないほど小さかった。ドラマで演じているリュ・ギウのように好んで牛乳を飲んだりもしなかった。

「中学生の時は普通の子よりも小さかったです。50人のうち、12番か14番目(身長順の出席番号)でしたからね。でも、高校生の時に20cmも伸びました。休みが終わって学校に行くと3cmずつ高くなっているから、友達もみんな驚いていました。自分の部屋の壁に身長を書き込んでいましたが、高2のときに目標だった184cmを超えました。なので、一番高い机と一番低いイスを選ばなければならないという手間がありましたね」

もちろん、高い身長がいいことばかりだったわけではない。長身から来るイメージが自分の意思とは関係なく固まってしまい、実生活はもちろん、出来る演技の幅が狭まるという点もあった。そのようなイメージが強かったため、ドラマ「このろくでなしの愛」「スターの恋人」などで御曹司役を演じた。

「高い身長は冷たくて、理性的なイメージを与えるようです。僕は背も高く、無口なので、距離を感じる人が多かったですね。『スタンバイ』で共演しているリュ・ジンさんもそうです。最初は近づきがたいイメージがありましたが、本当にサバサバしていて隙もあり、冗談も良く言います。背が高い人ほど、むしろ少年らしいところがあります」


トッコ・ジンのようなキャラクターを演じてみたい

俳優のチャ・スンウォンをロールモデルとしているイ・ギウ。だからか、チャ・スンウォン主演のドラマ「最高の愛~恋はドゥグンドゥグン~」をリアルタイムではもちろん、再放送まで見るほどの大ファンである。

「チャ・スンウォン先輩が演じたトッコ・ジンのようなキャラクターを僕も演じてみたいですね。コミカルだけれど、一途な魅力があるじゃないですか。僕がこれまで演じた御曹司よりも上手く出来ると思います。トッコ・ジンのようにお金持ちじゃなくても良さそうです。毒舌にも自信がありますし(笑)」

特にイ・ギウは自ら、女優に恵まれていると自慢していた。チェ・ジウ、パク・ジニ、シン・ミナ、ソン・ユナ、ユ・ホジョン、オム・ジウォンなど最高の女優たちと共演してきたのだ。あわせて、イ・ギウを含め、家族全員がファンだという女優ソン・ユナとは映画「愛を逃す」「ウェディングドレス」で共演した。

「自分でも、本当に共演した女優には恵まれていると思います。不思議なことに、ファンだった女優と共演したことが多いですね。ありがたいことです。ソン・ユナさんとは時々連絡もします。ユ・ホジョンさんもそうですし、みなさん、性格が良くて。ホジョンさんとはまた共演したいと思います。良く笑ってくれるし、明るいエネルギーを与えてくれます。年上年下カップルや、姉と弟、なんでもいいです(笑)」

2003年映画「ラブストーリー」でデビューし、いつの間にか芸歴9年の俳優となった。20本以上の作品に出演しながら、俳優としての地位を着実に作り上げてきたイ・ギウは未来についても真剣に悩んでいた。

「俳優の道を選んだことに対する後悔や、心残りはありません。難しい世界に足を踏み入れたことに対する悩みを、毎晩払拭しようと努力していた20代がまるで昨日のことのようなのに、同じ仕事を続けているということ自体を幸せに思いますし、感謝しています。この気持ちを40代になっても感じられるようになりたいですね」

焦るよりも作品の選択において慎重になることを願うイ・ギウ。一生の職業として俳優を夢見るイ・ギウなだけに、今後の変化を見守るのがますます楽しみだ。

記者 : パク・グィイム、写真 : ソン・ヒョジン