「殺人者のパラドックス」イ・ヒジュン“演技のことしか考えずにいたらパニック障害になった”

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写真=Netflix
俳優のイ・ヒジュンが、パニック障害を告白した。 

「殺人者のパラドックス」は、偶然殺人を始めることになった平凡な大学生イ・タン(チェ・ウシク)と、彼を追う刑事チャン・ナンガム(ソン・ソック)の物語を描いたNetflixシリーズだ。

劇中、イ・ヒジュンは正体不明の元刑事ソン・チョン役を演じた。第4話のエンディングから登場する彼は、実際には40代であるにもかかわらず、60代のソン・チョンに完璧に変身し、強烈なオーラと圧倒的な存在感を見せた。

最近、ソウル鍾路(チョンロ)区三清洞(サムチョンドン)のあるカフェでマイデイリーと会ったイ・ヒジュンは、ソン・チョン役のオファーを受けたことについて「最初はとても困惑しましたが、すぐに楽しそうだと思いました。僕はもともと挑戦することや難しいことに興奮するんです。映画『KCIA 南山の部長たち』のオファーを受けた時も、『僕がですか?』と聞き返し、ソン・チョン役も『僕がお爺さん役をですか?』と聞き返しました。その次からは『どのように準備しようか』ということから、興奮して楽しかったような気がします。本当に面白かったです。後になってみると、このような提案をしてくださった監督さんたちに感謝する気持ちになります」と話した。

彼はソン・チョンを演じながら「ソン・チョンに共感しながらも、切ない気持ちになりました。どうしてこうなったのだろうかと。ずっとソン・チョンに残念だという憐れみの感情を抱いていました。そしてイ・タンのように、能力のある人が現れたら、どれだけ会いたいでしょうか。イ・タンにすごく嫉妬しますし、羨ましくもあり、命をかけてでも会いたかっただろうと思います」と話した。

これに先立ってチェ・ウシクは撮影中に、自分が上手く演じているのか、ずっと不安に思いながらイ・ヒジュンにアドバイスを求めたと話した。

イ・ヒジュンは「モニタリングした時、チェ・ウシクさんとソン・ソックさんの演技を見て感嘆しました。僕が持っていないものを持っていました。不安に思わない俳優は1人もいないと思います。不安になるのは当然だと思います」とし、「ウシクさんのキャラクターには共感しにくいと思いますが、それでも憐れみが感じられるように、かっこよくそして上手く演じていたと思います。ソックさんからは主に銭湯で嗅ぐことができる、とても強い男性の化粧水の匂いがすると思いました。『あの演技はどうやったらできるのだろうか? あれはもともと彼が持っている男性ホルモンによるものじゃないか』と思いながら、1人でソックさんの真似をしてみたいと思っていました。聞こえそうで聞こえないセリフが羨ましくて、セクシーでした」とチェ・ウシクとソン・ソックに対する愛情を表した。

その後、彼はパニック障害を告白した。「演技のことしか考えていなかったら、パニック障害になりました。パニック障害になってから、それに関する映画も作りました。上手になりたいという欲があまりにも強かったため、そうなったような気がします。演技をやめようかと思ったほどパニック障害がひどくなった時、お坊さんに質問して慰められたのですが、その時の気持ちがとても大切で作ったのが『ビョンフンの一日』という映画でした」と述べた。

また「ドラマ『朝が明けるまで』を撮影する時、ハン・ソッキュ先輩から『僕は(演技以外に趣味として)釣りをしている。君もそのような趣味を持たないと、大変なことになるよ』と言われました。そのため探してはいるのですが、容易ではありません。演技ほど面白いものがないんです」と演技に対する格別な情熱を表した。

さらに「パニック障害は拒否すればするほど、悪化します」とし「『殺人者のパラドックス』を撮影する時もパニック障害が起こりました。いつも風のように来て、無くなるんです」とも話した。

パニック障害の克服方法は見つかったのだろうか。彼は「自分自身を抱きしめながら、『すごく早く走りたかったんだね』と分かってあげることです。『なぜ転んだのか?』ではなく、『すごく痛そうだね』と慰めます」と語った。

記者 : パク・ソヨン