イ・ハンビョル、Netflix「マスクガール」で本格女優デビュー“主人公の可愛らしい面を愛している”

OSEN |

写真=Netflix
彗星の如く現れた新人俳優イ・ハンビョル。デビュー作となったNetflix「マスクガール」での演技が大きな話題となっている。

最近、ソウル市鍾路(チョンノ)区三清洞(サムチョンドン)のあるカフェで、イ・ハンビョルのインタビューが行われた。彼女は韓国の取材陣と会い、Netflixオリジナルドラマ「マスクガール」について話を交わした。同作は、容姿にコンプレックスを持つ平凡な会社員のキム・モミが、毎晩マスクで顔を隠してライブ配信者(BJ)として活動しながら、思いがけない事件に巻き込まれていくストーリーを描いた。同名のウェブ漫画が原作で、キム・モミの波乱万丈な一代記を描いたNetflixシリーズとして再誕生した。

劇中イ・ハンビョルは、整形手術を受ける前のキム・モミを演じた。ナナ(AFTERSCHOOL)、コ・ヒョンジョンと共にキム・モミを演じ、3人1役のうちの1人として活躍した彼女は、今作を通じて女優として本格的なデビューを果たした。1992年生まれの彼女は、30代で「マスクガール」を通じて発見された新人というのが信じられないほど、多くの視聴者から好評を得ている。

「プレビューで作品を事前に観ました。1話と2話は観られないと思って、3話から観ました」と告白したイ・ハンビョルは、「先輩たちが出演するシーンを楽しく観てから1、2話を観なければならないと思って、後で見たんです。初めての作品で私が出てくる場面であり、これほど多くの方々が一緒に観られる作品に参加したのも初めてだったので、(1、2話は)3話を見る時のように視聴者の立場から見ることはできませんでした。そのため途中で止めたりしながら観ました」と語った。

相次ぐ好評にもかかわらず、彼女は「自分の足りない部分が私にはたくさん見えました。残念な気持ちも大きいのですが、それでも公開されてから多くの方々が作品を気に入ってくださり、関心を持ってくださったので、その部分にすごく感謝しています。先輩たちからも連絡をもらって祝ってくださったのですが、面白かったと言ってくれました」と照れくさそうに話した。そして「そのため1、2話に対しては感想を私の口から言うのはちょっと難しいです。客観的に観られていませんので。一人で家で観たんです」と笑った。

デビュー作「マスクガール」を通じて初めて制作発表会にも参加したイ・ハンビョルは、「予告編でもマスクをしていたため、皆さんは私の顔をその時初めて見られたと思います。私も初めてなのでとても緊張していました。どのように進行され、雰囲気はどんな感じなのか、そういったことも全く知らない状況だったので、その時は本当に緊張していました。監督や先輩たちが私の緊張をほぐそうとたくさんサポートしてくれました。私がフォトタイムに入る時も拍手してくださいました。監督は娘の嫁入りのように涙ぐんだと言っていました」と笑った。

また彼女は「コ・ヒョンジョン先輩も『本当によくやった』と励ましてくださいました。フォトウォールに立った時も、みんな配慮してくださいました。ナナ先輩も私が緊張するだろうと分かっていて配慮してくれました。気遣ってくださって感謝の気持ちでいっぱいでした。最初に一人で立った時には本当に緊張したのですが、先輩たちが上がってきてからは緊張が解けました」と話した。ナナが手を握っていたフォトタイムでの姿がネットユーザーの間でも話題になった。イ・ハンビョルは「その時は本当にありがたかったです。本人だってこのような場で緊張するのに、私はどれほど緊張するだろうかと考えて気遣ってくださいました。気が気でなかったので、まともに感謝の気持ちを伝えられなかったのですが、おかげで気が緩んで無事に終えました」とつけ加えた。

コ・ヒョンジョン、ナナら先輩たちと同じキャラクターを演じるのは、夢のような状況だ。当事者のイ・ハンビョルは、自身に向けた関心や反応について「あえて見ていません。最初は悩んだのですが、当然様々な評価があるはずで、すべてが良いわけではないと思って見ました。しかし、10個のうち1個だけでも悪いコメントがあると、それが心に残ってしまいました。制作発表会の後に作品が公開され、1週間ほどはスケジュールがあまりなかったのですが、悪いコメントを見つける度に一人で家で沈んでいるような感じがして、見ない方が良いだろうと思って見ないことにしたんです」と告白した。そんなイ・ハンビョルのため、キム・ヨンフン監督やヨム・ヘランが肯定的なフィードバックを伝えてくれたりもしたという。

イ・ハンビョルにとってキム・モミはどんな人物だったのだろうか。彼女は「一抹の希望を持ったキャラクターだと思いました。容姿にコンプレックスがあり、そのため夢を実現できませんでしたが、マスクをすること自体がどこが一番弱点なのかを見せることであるにもかかわらず、自分が好きな仕事を諦めず、BJの仕事をしました。その一方で、モミがお金に困っているから会社員をしているわけではないだろうと考えました。自分が足を踏み入れているところで、BJをする姿が自分の完全な姿ではないため、そのような姿でも自分を愛してくれる人が現実にもいるのではないかと思っているキャラクターだと考えました。モミの行動が一般的ではなく、容易に同情できない部分もありますが、常にモミの行動の中でそのような部分が垣間見えれば良いなと思いました。内面的なものを逃さないようにしていました」と強調した。

彼女はキム・モミが原作の設定に合わせて容姿を醜く見せなければならないキャラクターであるにもかかわらず、「演技ができるということが嬉しかったです。私が典型的な女優という感じではないため、私が必要なところ、私だけができることがあると思って頑張ってきました。女優として私に気づいてくれた監督に会ったのです。ブサイクに映るという心配をしたことはありませんでした。ただ楽しくやりました。作品が公開されてからそのような話を聞けば、『そんなこともあるんだ』と思う程度です。本当にこの作品をやりながら良い記憶がたくさんあって、多くのことを学び、良いスタートが切れたので、今の状況で私にできることをしていきながら、また異なる姿を見せれば良いと思います」と力強く話した。

また、最も記憶に残っているシーンについては「“ハンサム和尚”とのラブホテルのシーンです」と伝えた。彼女は「そのシーンについて、自分の中で何かまとまっていない感じがしていました。悩んで現場に行って完成したセットを見たのですが、“ハート”のあるセットだったんです。そこで多くのことがまとまった気がしました。ここで求められていることがどんなことなのか、どの程度、どんなモデルを望むのかが明らかなセットと美術、衣装、扮装でした。喧嘩して乱れた姿で現場にいると、モミがどのように動くべきか、現場から聞こえてくるようでした。現場で完成する演技が楽しいということをたくさん感じました。普通はコンテが正確に提示されるので変わることがあまりなかったのですが、その時は変わる部分もありましたし、モミが変化する最も重要なシーンだと思ったので、監督もそこをずっと聞きながら作ったと思います」と話した。

続けて「本来のコンテでは、チュ・オナム(アン・ジェホン)が訪ねてきた時に、私はウォーターベットの前に座ってることになっていました。ところが“ハンサム和尚”を越えて入れないということから、ドアの前のトイレに位置が変わることになったんです。それと共にジェホン先輩もトイレの中を歩くことが追加されました。「お願い、お願い」というセリフもそこから追加されたものです。そのようにしてシナジー(相乗効果)がたくさん生まれました。完成したシーンをスタッフの方々も印象深いと感じてくださいました」と説明した。

「マスクガール」はキム・モミの他にも様々なキャラクターが相次いで話題を呼んだ作品だ。チュ・オナム役のアン・ジェホンはもちろん、キム・ギョンジャ役のヨム・ヘランまで。イ・ハンビョルは「この作品がモミの一代記だと言いますが、モミの人生はただ投げかけられたストーリーだと思いました。モミの周辺に登場して消え、モミが変化しながらまた登場して消える強力な人物が重要です」とし、「この作品は人物が引き続き加えられる方式です。モミにとってはその人物たちが文明のようでした。文明の擬人化だと考えました。そのような人物に会ってモミの心境が変化し、少し極端でおかしく見えるかもしれませんが、このような選択もあり得るだろうと考え、その連続によりモミが変化したのではないでしょうか」と説明した。

イ・ハンビョルが見たキム・モミの最も意味深かったシーンは「パクチーム長(チェ・ダニエル)が好きなモミの姿」だという。彼女は「非常に重要なアイデンティティだと考えました。終盤に強烈なシーンが多く、退屈に始まると思われるかもしれませんが、その姿の中に多くのことが含まれていると思います。モミが一人でパクチーム長を意識して期待を高めていく姿から、モミの二面性が出てきました。自らには自信がなくても錯覚するほど妙な自尊心があったり、本当に誰かを思う存分愛し、自分が愛する人に愛されたいという面がたくさん表れたと思うので、パクチーム長が好きな序盤のモミの可愛らしさをすごく愛しています」と笑った。

イ・ハンビョルは大学時代にファッションデザインを専攻したが、1人芝居の演劇を見て女優に対する夢を抱き、学生たちの短編映画から映画学校の授業まで、演技だけでなく制作、演出まで経験した過去も淡々と話した。特に彼女は「演技を学びながら私の才能に対する確信よりは、少なくとも私がこの仕事を続ければ、もし良くない環境に置かれても諦めずにより良い人間として生きたいと思うだろうと考えました」と話した。デビューしたばかりの新人の言葉とは思えないほどの響きが、3人1役でも存在感を見せたイ・ハンビョルという個人の深さを推察させた。

「小公女」「ユンヒへ」のような映画が好きで、誰かが頼れる女優になりたいというのが彼女の願望だ。「次が期待される女優になりたい」という彼女の願望はすでにある程度叶っている。

彼女は「私という女優が、このように演じていると見せることができたので感謝しています。ずっと演技が見たくなる、楽しみになる女優になりたいです。私もこのような映画や作品にたくさん助けてもらって生きてきた人なので、誰かに次を期待させ、喜ばせることができたらと思います。長く演技をしながら多くの方々と一緒に、楽しみや慰めにもなりながら、一緒に生きて年を取る女優になれたらいいなと思っています」と目標を語った。

記者 : ヨン・フィソン