チョン・ヘイン、Netflix「D․P․」シーズン2のビハインドを語る“人生の1ページを飾った作品…結婚はまだ考えられない”【ネタバレあり】

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=Netflix

俳優チョン・ヘインが、演技に対する特別な思いを表現した。最近出演したNetflixオリジナルシリーズ「D.P.」シーズン2は、軍務離脱逮捕組「D.P.(Deserter Pursuit)」のアン・ジュノとハン・ホヨル(ク・ギョファン)が、まだ変わらない現実と不条理に絶えず、ぶつかりながら繰り広げられる物語を描いた作品で、チョン・ヘインはアン・ジュンホ役を演じた。彼はシーズン2で一等兵になり、脱走兵に責任感と罪悪感を抱きながら不条理に対抗して戦う姿を見せてくれた。彼はシーズン1に続き、シーズン2でも熱演を披露し、作品の中心的な役割を果たした。

――シーズン1の人気に支えられ、シーズン2にまで出演しただけに、特別な思いがあると思います。

チョン・ヘイン:「D.P.」は僕の人生の1ページを飾った作品です。1年以上作品に時間を費やしました。最近の軍服務期間は18ヶ月ほどじゃないですか。ですから実際に軍隊で生活した時間に近いです(笑)。僕が格別な愛情を持っている作品です。このような演技ができるという自信も持てましたし、自己肯定感が低かった時期に力を与えてくれた作品であり、青春の1ページを記録した作品です。

――「D.P.」シーズン1とは異なり、シーズン2ではファン・ジャンス(シン・スンホ)のような悪党はなかなか見られませんでしたね。

チョン・ヘイン:今シーズンでは“ただの悪人”はいなかったと思います。それぞれが自分のいる場所ですべきことをしただけです。そのため、ヴィランという存在について意見が分かれたのではないかと思います。体系とシステムの中にいる人々がそれぞれの仕事をしたので、互いの立場になってみれば理解できたような気がします。

――ファン・ジャンスと出会った時、ジュノはどんな感情でしたか?

チョン・ヘイン:本当に鳥肌が立つシーンでした。軍隊に行ってきた方々は共感できたと思います。何事もないかのように生きる姿を見て、ジュノはその時、言葉を失ったのだと思います。実は(シン)スンホさんこそ、演じながらより衝撃を受けたと思います。僕もまた会いたくない先任に会ったこともありますし、連絡をもらったこともあります。ですが軍隊も良い方向に変わっていっていると思います。

――シーズン1で多くのことを経験しただけに、シーズン2も軽い気持ちで始めたわけではないと思います。

チョン・ヘイン:シーズン2の撮影の初日、前シーズンでジュノが経験した事件と思い出したくない記憶があることを忘れていませんでした。脱走兵を捕まえに行って感じた気持ちと一連の事件があるじゃないですか。そのすべてを目の前で経験した人ですので、若いのに衝撃が大きかったと思います。ジュノの抱えたストレスを全て抱いて撮影を始めた記憶があります。どのように受け入れるべきか、たくさん悩みました。

――前シーズンに比べて現実味が乏しいという評価もいくつかありましたね。

チョン・ヘイン:軍部隊で起きた銃乱射事件や武装脱走などに簡単に接することは難しいじゃないですか。だから現実感がないかもしれません。内務班の環境についての話がなかった理由は、シーズン1で銃乱射事件がありましたし、部隊が空中分解しただけに、その事件についての説明が必要な部分があったからです。収拾の過程を見せなければならなかったので、現実味のある内容を減らすしかなかったんです。軍事裁判もそうでした。アクションもファンタジーのように感じられるでしょうが、作品全体で見れば、ジュノが積み上げてきたストーリーがあるので、納得できるシーンでした。何より監督が電車のシーンはアクションだけど、感情のシーンだと言ってくれて、華やかなアクションが強調されるよりは「この男がなぜここまでするのか」という感情が映ることを願っていました。

――アクションシーンのビハインドがあれば教えてください。

チョン・ヘイン:電車のトイレって本当に狭いじゃないですか。完全に同じサイズで作ろうとしたらアクションには難しくて、トイレのセットは少し規模を大きくして撮影しました。電車の中のシーンは、本物の電車をセット場に移してきて撮影しました。演技をする立場としてはリアルでしたし、驚きました。電車も狭いので、撮れるアングルや動線も多くはありませんでした。NGが出たら最初から撮り直さなければならないので緊張して撮影した覚えがあります。3、4日くらいは電車で過ごしました。

――シーズン2ではムン・サンフンさんの熱演も注目を集めました。主演俳優として彼の演技をどう思いましたか?

チョン・ヘイン:元々ファンでした。YouTubeチャンネル「BDNS」も楽しく見ていますし(笑)。撮影現場ではなかなか近寄れませんでした。彼の役は難しい役で、感情を噴き出して集中しなければならないので、うかつに近づいてその感情を壊したくないと思ったんです。この作品に最善を尽くしていると感じました。本当に苦労したと思いましたし、それがそのまま作品に込められていたと思うので僕も嬉しかったです。

――ジュノ&ホヨルコンビが好きな方が多かったのですが、今回はその組み合わせをあまり見ることができなくて残念でした。

チョン・ヘイン:2人のバディムービーのようなシーンが少なくて残念だというのは、好いてくださっただめだと思いましたので、とても感謝しています。ただ、シーズン1に続いて2人がまるでバディムービーのように小競り合いをしながらケミストリー(相手との相性)を見せるには、あまりにも大きな事件がありました。状況に合わないだろうと思いました。人物たちが受けた衝撃や被害を受けた過程がありましたので、その部分にもっと集中したと思います。

――2つのシーズンを共にしたク・ギョファンさんともさらに仲良くなったのではないでしょうか。

チョン・ヘイン:ギョファン兄さんが「目を見るだけで分かる」と歌を歌うほど仲が良いです。お互いの空気と雰囲気をすぐに読めましたし、息ピッタリだと思いました。ギョファンさんには学ぶべきところが本当に多いです。演技も本当に上手な俳優ですが、ユーモアという大きな力を持っていることが本当にすごいです。ハードな現場でも空気を変える力を持っています。

――アン・ジュノではないチョン・ヘインさんの軍生活はどうでしたか?

チョン・ヘイン:二等兵の時はいつも顔色を伺って緊張していましたし、一等兵の時はあれこれと忙しかったです。上等兵、兵長になるとポケットに手を入れたり、PX(売店)も一人で行けるようになりました。そうやって過ごしながら軍隊が階級社会であることを知りました。権限と権力の味があることを知ったのです(笑)。不当なことを経験したこともありましたし、逆に僕が古参兵になった時は絶対にそうしないようにしようと思いました。この場を借りて自信を持って言えます。軍生活をしながら暴言や暴行、不当なことはしなかったので堂々としています(笑)。

――「D.P.」が韓国社会に投げかけるメッセージとは何でしょうか?

チョン・ヘイン:「傍観者たち」のエピソードが印象的です。それがまさに「D.P.」が示唆することではないかと思います。「間違ったことに間違っているという質問を投げかけたことがあるか」と言うこと。どんな組織にも階級と地位がありますし、その力を乱用する人もいると思います。軍隊や会社などで理不尽な扱いを受ける場合もあるでしょう。だから「D.P.」を通じてこのような質問を投げかけるのではないでしょうか。

―― テーマが暗い作品に出演してきました。俳優として難しく感じることはなかったのでしょうか?

チョン・ヘイン:色濃くディープな作品をやってきたので、簡単ではありませんでした。それでも良い演技をするため、演技と人生を分離しようと努力する方です。デビューしてから1ヶ月以上作品に出演せずに休んだことがありませんが、ファンミーティングツアーを控えています。数ヶ月間ツアーをしながら、自分自身も満たして再整備する時間を持ちたいと思います。

―― 恋愛物に対する意欲もあるようですね。恋愛や結婚がしたいとは思っていますか?

チョン・ヘイン:仕事が大好きで、まだ結婚については考えていません(笑)。恋愛がしたくて恋愛物に出演したいのではなく、多くの方が望んでいるのでやりたいです。皆さんから愛をもらっている俳優なので、楽しさを与えたいです。偏りなく様々なジャンルに出演したいと思いますし、何より恋愛物に出演してから4年ほどたちました。演技で笑ったのもずいぶん前のことです。ですので幸せそうに笑う演技をやりたいです。ラブコメディに出演したことがないので、一度挑戦してみたいです。

―― 「D.P.」によって俳優として成長した点も多かったと思います。

チョン・ヘイン:状況や環境が誤った道に進んでいたり、不合理な状況に置かれる時もありますが、その時に「違う」と言える勇気を持つことができました。間違ったことを間違っていると言うけれど、「D.P.」の中のホヨルのようにウィットとユーモアを混ぜて解決できる、柔軟性を持てました。

―― 今月放送がスタートするJTBC「俳優は旅行中」でのイム・シワンさんとの共演も楽しみです。

チョン・ヘイン:撮影で癒されるポイントが多かったんです。特に僕と同じ時代を生きる同年代の俳優と好きなことを一緒にできるというのが楽しかったです。同じ仕事をしながら苦労を打ち明けられる人ができて、個人的にとても嬉しかったです。旅行に行った時、2人とも風邪で体調が良くなかったのですが、番組にはどのように映っているのか気になっています。

記者 : パク・スンヒョン